【95】 SWEET LIFE VOL.06
 投稿者: 丸作 <dtsunoda@apricot.ocn.ne.jp> ( 男 ) 2000/4/4(火)18:19
ONE 輝く季節へ ショートストーリー

SWEET LIFE


第6話「浪漫の帝王」



<あらすじ>

 放課後…
 持ち前の卑怯で掃除当番を逃れた浩平。
 しかし逃げ込んだ部室で待ち構えていたのは、7人目のヒロイン(笑)氷上だった。
 意味不明なことを口走りながら迫る氷上に、浩平は危うく貞操の危機!!(爆)
 丁度そこにヒロインズが駆けつけ、浩平は奇跡の生還を果たしたのだった。


 夕飯時…それは、一日を締めくくる浪漫の時…(謎)

 ここは折原邸。
 夕闇迫る薄暗い空を背に、4人の漢達が歩いていた。
 そして、未だ主の帰らぬこの家の玄関に立つ。
 玄関の前に立ったのは、ご存知「住井軍団」の面々。
 その中から、リーダー住井が1歩進み出る。
住井「よし…やるぞ…」
 仕事人の如き目をして、住井は懐から何かを取り出した。
 住井が取り出したのは…針金。
 住井は針金の先を慎重に鍵穴に差し込み、ガチャガチャといじりはじめた。
 ガチャガチャ、ガチャン!!
 鍵が外れたことを確認して、住井が無言でにやりと笑う。
 そしてドアを開け、住井軍団は素早く中に滑り込んだ。
 人が通りかかったら、間違いなく警察に通報されていただろうなぁ…

 帰り道…
 氷上の魔手から逃れた俺は、ヒロインズと共に家に帰ることにした。
 …って、全員俺の家に帰るんだが。
繭「みゅ〜っ♪」
澪『なのなの♪』
 俺の右腕に繭、左腕に澪が抱きつき、楽しそうにはしゃいでいる。
 う〜ん…役得役得。
 商店街を女連れ…しかも美少女を6人も連れている俺は、嫌が応でも目立った。
 こんな周囲の痛い視線を掻い潜りながら、俺達は家に帰ってきたのだった。
長森「あ、浩平。里村さんと晩御飯のおかず買ってくるね」
 ドアの前まで戻ってくると、長森が唐突にそう言い出した。
浩平「ちょっと待ってろ。すぐに財布取ってくるから」
 俺はポケットに手を突っ込んで家の鍵を取り出し、それを鍵穴に差し込んだ。
 その時、ふと感じた違和感…
浩平「あれ?鍵掛けて行かなかったっけ?」
七瀬「え?確か瑞佳が鍵掛けたと思ったけど?」
 俺は聞いてみるが、みんな一様に首を傾げるばかりだった。
みさき「まぁ、朝はドタバタしてたからねぇ…」
 みさき先輩が、うんうんと納得したように頷く。
茜「兎に角、立っていても仕方ありませんし…」
 茜がそう言ってドアを開ける。
 家の中には、特に誰かが忍びこんだという形跡はない。
 …忍びこまれても、この家には金目の物はないから多分大丈夫だろう。

 一方、折原邸に侵入した住井達は…
住井「お、折原達が帰ってきたぞ…」
 何故かカメラを持った住井が、ソファの下に潜みながら小声で言った。
南「せ…狭い…」
南森「馬鹿野郎!!声がデカイぞ!!」
中崎「ぐぉぉ…何で俺達、同じトコに隠れちまったんだ?」
 南、中崎、南森は、もみくちゃになって戸棚の一番下の場所に隠れていた。
 しかも3人ともに、写る○ですを持っている。
住井「お前ら…しっかり折原の悪行を写すんだぞ!!」
 そう言って、住井がカメラのフィルムを巻く。
住井「さぁ…折原天誅計画、スタートだ…」
 住井が凄みのある静かな声で呟いた。
 そして、懐から「計画書」と書かれた紙を取り出す。

 住井護プレゼンツ 折原天誅計画

1:折原邸に忍びこみ、折原の不純異性交遊の現場を激写する

2:それを投稿雑誌に投稿…いや、校内新聞の号外に載せる

3:トドメに写真をビラにして、回覧板に挟んでご近所に回す

南「何で回覧板でご近所に回すんだ?」
住井「ふふふ…折原よ!!ご近所の晒し者になる生き地獄を味わうがよい!!」
 南のツッコミを無視して、住井は口の端をニヤリと歪めて笑った。
 スケールが大きいんだか、小さいんだか…

 俺の部屋・PM7:00
浩平「ん…」
 何時の間にか寝ていたようだ…
 俺はやや重い頭を振りながら、ゆっくりとベッドから起き上がったら…

 ごすっ♪

 頭に感じる鈍い痛み…重い衝撃…白く染まる視界…
浩平「ぐぁっ…」
みさき「いたいよ〜…」
 ベッドの上で激痛にのた打ち回っていると、何故かみさき先輩の涙声が聞こえてきた。
みさき「目がちかちかするよ〜」
 涙目のみさき先輩…萌える!!
浩平「で、先輩。何故に俺の部屋に?」
 まだジンジンと痛む頭を抱えながら、俺は先輩に聞いてみた。
 すると先輩は、にっこり笑顔で
みさき「ご飯できたから、呼びに来たんだよ」
 そう言って、ゆっくりと立ちあがり…
浩平「ぶっ!!」
みさき「どうしたの?」
 みさき先輩が目を丸くする。
 俺はみさき先輩の格好に、思わず度肝を抜かれた。
 ひらひらフリルのついた白いエプロン、シックな色使いのワンピース…
 そう…みさき先輩が着ているのは、漢の浪漫の代名詞『メイド服』だったのだ!!
みさき「ほら、ご飯食べに行こうよ〜」
 みさき先輩が、そう言って可愛く急かす。
浩平「あ、ああ…」
 俺はよろよろと起きあがり、メイド姿の先輩の手を引いて階段を降りた。
 でも…こんなもん、一体どこにあったんだ?
 由起子さんのだったら嫌だぞ…何か…
みさき「雪ちゃんが密かに作っ…いや、演劇部の衣装部屋から持ってきたんだよ」
 深山先輩…何故にこんなモンを…
 俺は深山先輩に畏敬の念を抱きつつ、リビングのドアを開けた。
浩平「ぐぁ…」
 そして、凍りついた…
七瀬「ん?どうしたの?」
繭「みゅみゅっ♪」
澪『ちょっと照れるの』
 頭の中を衝撃が走りぬけ、七瀬達が何を言っているのかも分からない。
 舞い踊る紺色ワンピースの群れ…ひらひら揺れる白いフリル…
 冥土…いや、メイド乱舞…
 まさに桃源郷が、リビングに突如として現出しているのだ。
 そして…
長森「あっ、浩平起きた〜?」
茜「ご飯、できましたよ」
 キッチンから料理担当の2人が出てきた。
浩平「げふわっ!?」
 俺はその2人の姿を見て、今度は目鼻口から吐血した。
 長森と茜が着けていたのはエプロン…
 長森は純白フリル、茜はピンク色のエプロンだ。
 しかし…その下には何も着けていない…
 これぞまさしく、漢の浪漫の帝王!!
 メイド服と並ぶ、最もポピュラーな浪漫!!その名は…

 は・だ・か・え・ぷ・ろ・ん

浩平「おおおおおお…」
 俺は思わず天を仰いだ。
 不意に視界がぼんやりと滲みだす。
 まさか、現実に「はだえぷ」と「冥土さん」にお目にかかれるとは…
 俺は食い入るような視線で2人を見た。
長森「もう…ジロジロ見ないでよ」
茜「…恥ずかしいです」
 そう言って、顔をほんのりピンクに染める2人…
浩平「うををををっ!!死して悔いなしっ!!」
 心からの大絶叫…
 おっつぁんよぅ…萌えた…萌え尽きたよ…真っ白にな…
 柔らかそうな2つの白桃が、目の前で揺れる…
 恥じらいながらも、好きな人の為にはだかえぷろん…
 これだ…これだよ明智君!!(謎)
 と、心の中で意味不明なことを呟きながら、俺は自分の席に着くのだった。
長森「今日はお鍋だよ」
茜「これなら人数が多くても大丈夫ですし…」
 俺の右手にははだえぷ長森、左手にははだえぷ茜…
 まさに両手に華…
みさき「それではみなさん…」
一同『「「「「「「いっただっきま〜す!!」」」」」」なの』
 いただきますの挨拶をして、俺達は一斉に鍋に殺到した。
 やっぱり一番人気は肉だ。
 鍋は食い終わった後、ご飯を入れて雑炊にすると美味いんだよなぁ…
七瀬「あれ?誰かケチャップこぼした?」
 唐突に七瀬がヘンなことを言い出した。
 鍋にケチャップは使わないだろ普通…
長森「どれどれ…あ、ホントだ」
 床を見ると、確かに赤い液体が小さな水溜りを作っていた。
 そしてそれは、何故かテレビの前のソファの辺りにもあった。
みさき「むぐむぐ…お鍋おいしいよ〜♪」
 先輩…知らん顔で食ってるし…
澪『調べてみるの』
 そう言って、澪がソファの下を覗きこむ。
 くるり、ちょいちょい
 澪は泣きそうな顔で振り向き、ソファの下を指差した。
 そして、スケッチブックには…
澪『血まみれの住井先輩がいるの』
 更に、戸棚の一番下から…
 がらっ
長森「3人とも…血だらけで何やってんの?」
 暫しの沈黙…そして…

女性陣『「「「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」」」」なの』

 耳をつんざくような甲高い悲鳴が、折原邸はおろか夜のご町内に響き渡った。
 その後、更にデカイ断末魔の悲鳴が4つ上がったことは、言うまでもない…

 その後、学校の裏山に4つの晒し首が並べられた…
住井「誰が晒し首じゃっ!!」
 哀れ住井軍団は、カメラを没収された挙句、裏山に直立の体勢で埋められたのだった。
 でも首から上は土の上に出ているので、そこはかとなく晒し首に見えるのだ。
 しかし何故か、4人の顔は一様に幸せそうだった。
住井「はぁ〜…ええモン見せて頂きましたわ〜…」
南「は…はだかえぷろんの里村さん…」
中崎・南森「「メイド七瀬さ〜ん…」」
 ここで一句…

 夏草や 漢(つはもの)共が 夢の跡

=========あとがき============
 やってもうた…(汗)
 ども、丸作っす。
だよもん団長「……(赤面)」
 おう、団長。
だよもん団長「おう、じゃないよっ!!うう〜…恥ずかしいよ〜」
 でも、浩平には見せる…
 ズドン!!(発砲音)
 ぐぁぁ…(血まみれ)
だよもん団長「と、とにかく感想逝くよっ!!(赤面)」

感想

みのりふさん>
ご感想どうもです〜♪
今回もやってしまいました(爆)
氷上は…多分選ばれません(笑)
SS、手玉に取られる浩平と南が・・・(笑)

怪しい人さん>
ご感想どうもです〜♪
詩子…哀れなり…(笑)
SWEETLIFE1〜5話は、既にうちのHPにアップしてあります
よろしかったら確保してやってください(爆)

ベイル(ヴェイルさん)>
ご感想どうもです〜♪
実はまだ、PS版未プレイなんです(爆)
だからなつき出せないんです〜(泣)
PS、弟のだし(連爆)

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我がHPっす。
多分今日の夜には、SWEETLIFE6話もアップされているでしょう。
お暇だったら遊びにきてください♪
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Domino/8142