【39】 SWEET LIFE vol.01 |
この世には『漢の浪漫』というものが存在する 裸エプロン、巫女、看護婦、眼鏡っ娘・・・ 例を挙げれば枚挙にいとまがない しかしその中に、選ばれた者にしか味わうことの出来ない浪漫がある それ即ち『ハーレム』である ハーレムこそ、真の漢の浪漫に値するものであろう 民明書房刊「漢の浪漫大全」より抜粋 この物語は、真の漢の浪漫を求める求道者の、愛と浪漫に満ちた記録である ONE 輝く季節へ ショートストーリー SWEET LIFE 第1話「甘い生活?」 消えていく・・・ まるで潮が引いていくように・・・ 儚い淡雪のように・・・ 俺の存在も・・・何もかもが・・・ 全てがこの世から・・・ 俺が逝くのは、俺がかつて望んだ世界・・・ その世界の扉が、今・・・ ゆっくりとその口を開ける・・・ カシャァッ!! 耳障りな音とともに視界が真っ白く染まる 長 森「ほら〜っ、起きなさいよ〜っ」 いつも通り、お節介な幼馴染の声 浩 平「う〜ん・・・あと3ヘクタールだけ寝かせてくれ・・・」 俺はそう言って布団を被・・・ろうとしたが、何故か布団が動かない 長 森「はぁ・・・それは面積の単位だよ」 ため息と共にツッコんでくれる長森は、結構律儀な奴かもしれない と、それはいいんだ 長森め・・・俺の布団を押さえるとは、味な真似をしてくれる・・・ 俺は障害が大きいほど萌える・・・いや、燃えるタイプだ と言うわけで布団の端を引っ掴むと、思いっきり引っ張った ???「う〜ん・・・」 その時、俺の横から誰かの声がした 長 森「あっ、浩平・・・」 長森の声。そして、布団を引っ張っていた力が急に消える 浩 平「へっ?」 思わずマヌケな声 次の瞬間、唐突に体が重力から解放される 永遠に続くような浮遊感・・・ しかし、それもほんの一瞬のことだった どっすぅぅぅぅぅぅぅんっ!! ごろごろ・・・ごすっ!! 浩 平「ぐはっ!!」 物凄い音がして、体中に激しい衝撃が走る 勢い余った俺は、そのまま床を転がって机に激突して止まった 当たり所が悪かったらしく、机に当たった背中がムチャクチャ痛い その痛さに涙目になりながら、無言でのた打ち回る 長 森「はぁっ・・・浩平、何やってんだよ」 布団にくるまったまま床に転がる俺を見て、長森が深いため息をつく 俺は布団をどけながら長森を睨みつけて、 浩 平「くっ・・・なかなかやるな、長森・・・」 と、まるでヒーロー物のやられ役のようなセリフを吐く 負けを認めないように言うのがポイントだ しかし長森は、きょとんとした顔をして 長 森「えっ?わたしじゃないよ」 そうしれっと言い放った こいつめ・・・ 俺はむっとして言い返そうとした、その時 ???「うるさいです・・・」 掛け布団の消えたベッドの上にいる誰かが、もぞもぞと動きながら呟いた 浩 平「っ!?」 俺はその声に少々驚きながら、ベッドの上に目を遣った ベッドの上に眠っていたのは、金色のお下げ、雪にも似た白い肌 そして、ピンク色のパジャマ・・・ 俺はその少女に見覚えがあった そう・・・少女だ・・・ 浩 平「茜っ!!何でお前が俺のベッドにっ!?」 俺はオーバーリアクション気味に声を上げた そりゃビックリするだろう・・・ さっきまで俺が眠っていたベッドの中に、知り合いの少女が眠っていたのだから 長 森「あ、里村さん。おはよ」 しかし長森は、それが普通であるかのように茜に挨拶をする をい・・・何故驚かん? そうしていると、何やら階段からドタドタと足音がした バタンッ!! 七 瀬「もうっ!!うるさいわよっ!!」 澪 『おはようなの』 繭 「みゅ〜っ・・・」 みさき「お腹空いたよ〜」 ドアが開くと、何故か七瀬、澪、繭、みさき先輩が顔を出した しかも、みんなパジャマ姿だ 浩 平「へっ・・・?へっ・・・?」 俺は全く訳がわからずに、ただただ狼狽するばかりだ そりゃそうだろう 朝起きたら、いきなりパジャマ姿の美少女達がいた この状況に驚かない奴がいたら、是非見てみたいもんだ 俺は布団を片付けながら、敷布団を干そうとしている長森に尋ねた 浩 平「おい、こりゃ一体どーゆーことなんだ?」 すると、長森は怪訝な顔で言い返してきた 長 森「えっ?どうしたの?浩平」 こっちが聞いてるんだが・・・ 長 森「もしかして、忘れちゃったの?」 長森はため息と共にそう言う 忘れたのと言われても・・・俺には全く心当たりがないんだが・・・ そう言おうと口を開いた、その時!! 長森は顔を赤らめながら、とんでもないことをのたまわった 長 森「わたし達・・・結婚するんだよ」 ・・・・・・はい? その言葉に、俺の頭の中が真っ白になる まるで酸欠の金魚のように口をぱくぱくさせて、俺はその場に硬直した ハタから見れば、結構おマヌケな面に違いない たっぷり1分の硬直の後、俺は何とか言葉を発した 浩 平「だ・・・誰と誰・・・デスカ?」 声が震え、更に最後の方は裏返っている けっこん・・・血痕・・・結婚!? 高校2年生にとってはまだ未知の単語に、俺の心は思いっきり波立っている そんな俺を尻目に、長森は比較的に落ち着いた様子で答えた 長 森「だから、浩平とわたし達だよ」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい? 浩 平「わたし・・・達!?」 たっぷり1分ほどの間を空けて、俺は気の抜けた声で再び聞く 長 森「うん。だからわたし達は浩平の家に来てるんだよ」 人のいい笑みを浮かべながら言う長森 俺は耳を疑った いくら何でもこの展開は唐突すぎる だいたい、いつそんなことが決まったんだ? 俺は承知した記憶はないぞ 浩 平「おい、法律はどうすんだよ」 日本は一夫一婦制だろ・・・ 俺がそう続けようとした、その時 『了承』 浩 平「うわっ!?」 急に誰かの声が聞こえたような気がして、俺は思わず辺りを見まわす もちろんこの部屋には俺と長森しかいない 長 森「ん?どったの浩平?」 浩 平「いや・・・どこからか毒電波が・・・」 小首を傾げながら訊ねる長森に、俺は取り敢えずそう言っておく 深く考えない方がいい・・・俺は直感からそう思った 長 森「ほら、早く着替えてご飯食べて。そんなに時間ないよ」 長森が、ちょっと意識が飛んでいた俺を引っ張ってせかす 浩 平「う〜ん・・・」 何となく釈然としないものを感じつつ、俺はハンガーから制服を取った これは現実なのか・・・? しかし・・・そんなことはこの際どうでもいい 浩 平「ふふふ・・・」 思わず笑いが漏れるが、無理もない 漢の夢・・・ハーレム、一夫多妻・・・ それが突如として実現された 漢としては喜ぶべき状況だ。明日はホームランだ(謎) 長森、茜、七瀬、みさき先輩、澪、繭・・・ いずれもなかなかもっての美少女だ 浩 平「ふふふ・・・体、保つかなぁ」 俺は口元の涎を拭いながら、ただ1人残った部屋の中でぽつりと呟いた 俺の漢心が熱いビートを刻む 酒池肉林・・・そんな言葉が頭をよぎる 浩 平「うををっ!!死して悔いなしっ!!」 こみ上げる熱いうねりに任せるまま、俺は叫んでいた でも・・・世の中そう上手くいかないもの 俺はそれを痛感することになるのだった・・・ ・・・と、マジメな展開を期待させつつ、次回に続く!! =========あとがき==================== はじめまして、丸作と申します〜 ここには初投稿です これからも出現すると思うので、よろしくお願いします ヘボヘボいSSですが、読んでいただければ幸いです って・・・マヂにヘボいSSじゃのぅ・・・(汗) と、兎に角よろしく〜!! あと、ついでに宣伝をば・・・(爆) 一応HPを持ってます Tactics、Keyを中心とした、ゲームのSSメインのHPです 俺のSSはへちょいSSばっかですが(汗) お暇だったら、是非是非訪れてやってください(ぺこり) http://www.geocities.co.jp/Playtown-Domino/8142 |