【39】 SWEET LIFE vol.01
 投稿者: 丸作 <dtsunoda@apricot.ocn.ne.jp> ( 男 ) 2000/3/17(金)21:05

この世には『漢の浪漫』というものが存在する
裸エプロン、巫女、看護婦、眼鏡っ娘・・・
例を挙げれば枚挙にいとまがない
しかしその中に、選ばれた者にしか味わうことの出来ない浪漫がある
それ即ち『ハーレム』である
ハーレムこそ、真の漢の浪漫に値するものであろう

民明書房刊「漢の浪漫大全」より抜粋



この物語は、真の漢の浪漫を求める求道者の、愛と浪漫に満ちた記録である



ONE 輝く季節へ ショートストーリー

SWEET LIFE

第1話「甘い生活?」



消えていく・・・

まるで潮が引いていくように・・・

儚い淡雪のように・・・

俺の存在も・・・何もかもが・・・

全てがこの世から・・・

俺が逝くのは、俺がかつて望んだ世界・・・

その世界の扉が、今・・・

ゆっくりとその口を開ける・・・



カシャァッ!!
耳障りな音とともに視界が真っ白く染まる
長 森「ほら〜っ、起きなさいよ〜っ」
いつも通り、お節介な幼馴染の声
浩 平「う〜ん・・・あと3ヘクタールだけ寝かせてくれ・・・」
俺はそう言って布団を被・・・ろうとしたが、何故か布団が動かない
長 森「はぁ・・・それは面積の単位だよ」
ため息と共にツッコんでくれる長森は、結構律儀な奴かもしれない
と、それはいいんだ
長森め・・・俺の布団を押さえるとは、味な真似をしてくれる・・・
俺は障害が大きいほど萌える・・・いや、燃えるタイプだ
と言うわけで布団の端を引っ掴むと、思いっきり引っ張った
???「う〜ん・・・」
その時、俺の横から誰かの声がした
長 森「あっ、浩平・・・」
長森の声。そして、布団を引っ張っていた力が急に消える
浩 平「へっ?」
思わずマヌケな声
次の瞬間、唐突に体が重力から解放される
永遠に続くような浮遊感・・・
しかし、それもほんの一瞬のことだった
どっすぅぅぅぅぅぅぅんっ!!
ごろごろ・・・ごすっ!!
浩 平「ぐはっ!!」
物凄い音がして、体中に激しい衝撃が走る
勢い余った俺は、そのまま床を転がって机に激突して止まった
当たり所が悪かったらしく、机に当たった背中がムチャクチャ痛い
その痛さに涙目になりながら、無言でのた打ち回る
長 森「はぁっ・・・浩平、何やってんだよ」
布団にくるまったまま床に転がる俺を見て、長森が深いため息をつく
俺は布団をどけながら長森を睨みつけて、
浩 平「くっ・・・なかなかやるな、長森・・・」
と、まるでヒーロー物のやられ役のようなセリフを吐く
負けを認めないように言うのがポイントだ
しかし長森は、きょとんとした顔をして
長 森「えっ?わたしじゃないよ」
そうしれっと言い放った
こいつめ・・・
俺はむっとして言い返そうとした、その時
???「うるさいです・・・」
掛け布団の消えたベッドの上にいる誰かが、もぞもぞと動きながら呟いた
浩 平「っ!?」
俺はその声に少々驚きながら、ベッドの上に目を遣った
ベッドの上に眠っていたのは、金色のお下げ、雪にも似た白い肌
そして、ピンク色のパジャマ・・・
俺はその少女に見覚えがあった
そう・・・少女だ・・・
浩 平「茜っ!!何でお前が俺のベッドにっ!?」
俺はオーバーリアクション気味に声を上げた
そりゃビックリするだろう・・・
さっきまで俺が眠っていたベッドの中に、知り合いの少女が眠っていたのだから
長 森「あ、里村さん。おはよ」
しかし長森は、それが普通であるかのように茜に挨拶をする
をい・・・何故驚かん?
そうしていると、何やら階段からドタドタと足音がした
バタンッ!!
七 瀬「もうっ!!うるさいわよっ!!」
澪 『おはようなの』
繭 「みゅ〜っ・・・」
みさき「お腹空いたよ〜」
ドアが開くと、何故か七瀬、澪、繭、みさき先輩が顔を出した
しかも、みんなパジャマ姿だ
浩 平「へっ・・・?へっ・・・?」
俺は全く訳がわからずに、ただただ狼狽するばかりだ
そりゃそうだろう
朝起きたら、いきなりパジャマ姿の美少女達がいた
この状況に驚かない奴がいたら、是非見てみたいもんだ
俺は布団を片付けながら、敷布団を干そうとしている長森に尋ねた
浩 平「おい、こりゃ一体どーゆーことなんだ?」
すると、長森は怪訝な顔で言い返してきた
長 森「えっ?どうしたの?浩平」
こっちが聞いてるんだが・・・
長 森「もしかして、忘れちゃったの?」
長森はため息と共にそう言う
忘れたのと言われても・・・俺には全く心当たりがないんだが・・・
そう言おうと口を開いた、その時!!
長森は顔を赤らめながら、とんでもないことをのたまわった
長 森「わたし達・・・結婚するんだよ」

・・・・・・はい?

その言葉に、俺の頭の中が真っ白になる
まるで酸欠の金魚のように口をぱくぱくさせて、俺はその場に硬直した
ハタから見れば、結構おマヌケな面に違いない
たっぷり1分の硬直の後、俺は何とか言葉を発した
浩 平「だ・・・誰と誰・・・デスカ?」
声が震え、更に最後の方は裏返っている
けっこん・・・血痕・・・結婚!?
高校2年生にとってはまだ未知の単語に、俺の心は思いっきり波立っている
そんな俺を尻目に、長森は比較的に落ち着いた様子で答えた
長 森「だから、浩平とわたし達だよ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?

浩 平「わたし・・・達!?」
たっぷり1分ほどの間を空けて、俺は気の抜けた声で再び聞く
長 森「うん。だからわたし達は浩平の家に来てるんだよ」
人のいい笑みを浮かべながら言う長森
俺は耳を疑った
いくら何でもこの展開は唐突すぎる
だいたい、いつそんなことが決まったんだ?
俺は承知した記憶はないぞ
浩 平「おい、法律はどうすんだよ」
日本は一夫一婦制だろ・・・
俺がそう続けようとした、その時

『了承』

浩 平「うわっ!?」
急に誰かの声が聞こえたような気がして、俺は思わず辺りを見まわす
もちろんこの部屋には俺と長森しかいない
長 森「ん?どったの浩平?」
浩 平「いや・・・どこからか毒電波が・・・」
小首を傾げながら訊ねる長森に、俺は取り敢えずそう言っておく
深く考えない方がいい・・・俺は直感からそう思った
長 森「ほら、早く着替えてご飯食べて。そんなに時間ないよ」
長森が、ちょっと意識が飛んでいた俺を引っ張ってせかす
浩 平「う〜ん・・・」
何となく釈然としないものを感じつつ、俺はハンガーから制服を取った
これは現実なのか・・・?
しかし・・・そんなことはこの際どうでもいい
浩 平「ふふふ・・・」
思わず笑いが漏れるが、無理もない
漢の夢・・・ハーレム、一夫多妻・・・
それが突如として実現された
漢としては喜ぶべき状況だ。明日はホームランだ(謎)
長森、茜、七瀬、みさき先輩、澪、繭・・・
いずれもなかなかもっての美少女だ
浩 平「ふふふ・・・体、保つかなぁ」
俺は口元の涎を拭いながら、ただ1人残った部屋の中でぽつりと呟いた
俺の漢心が熱いビートを刻む
酒池肉林・・・そんな言葉が頭をよぎる
浩 平「うををっ!!死して悔いなしっ!!」
こみ上げる熱いうねりに任せるまま、俺は叫んでいた



でも・・・世の中そう上手くいかないもの
俺はそれを痛感することになるのだった・・・
・・・と、マジメな展開を期待させつつ、次回に続く!!



=========あとがき====================
はじめまして、丸作と申します〜
ここには初投稿です
これからも出現すると思うので、よろしくお願いします
ヘボヘボいSSですが、読んでいただければ幸いです
って・・・マヂにヘボいSSじゃのぅ・・・(汗)
と、兎に角よろしく〜!!

あと、ついでに宣伝をば・・・(爆)
一応HPを持ってます
Tactics、Keyを中心とした、ゲームのSSメインのHPです
俺のSSはへちょいSSばっかですが(汗)
お暇だったら、是非是非訪れてやってください(ぺこり)
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Domino/8142