【20】 暖かな空 |
「暖かくなってきたね、浩平お兄ちゃん」 「こら、なつき、お兄ちゃんはやめろ。俺たちはもう、あ〜……なんだぞ」 「えっ? 聞こえないよ、ちゃんと言ってくれないと困るなあ、浩平お兄ちゃん」 顔をあげるときにショ−トにされた髪がさっと揺れる。浩平は目線をそらしながら近づいて来る顔を右手で押しやった。 「なにするのよ」 なつきがぷくーと頬を膨らませる。 「しかし、ほんとにみやびでいいのか?」 「あ〜、話ごまかそうとしてるう」 そう言うとなつきは浩平の背中に飛びかかった。 「こらっ、やめろ」 「やめないも〜ん」 けらけらと笑いながらしがみつく手に力をこめる。すっかり諦めたのか浩平はなつきをそのままに再び歩き出した。 「……なあ」 「ん? なに?」 大きな背中に顔を押し付けながら幸せそうな表情で返事をする。 「どうしてコンタクトに変えたんだ?」 その問いになつきは浩平の前に回りこんだ。 「浩平お兄ちゃんは眼鏡の方がよかったの?」 「そう言うわけではないんだが、聞いてみたくなってな。嫌なら別にいいんだぞ」 優しげな笑みを浮かべて安心させるようになつきの頭に手を乗せた。そのまま今度は並んで歩き始める。 「うーんとね、仮面をはずしたんだよ」 「仮面?」 「そう、なつきはね、あの日から仮面をかぶったんだ、あの雪の日にね」 どこか遠くを見つめながら風になびく髪の毛を手で押さえる。 「そこまでさせるとはいいお兄さんだったんだろうな」 「うん、大好きだったよ。でもちょっと違うかなあ」 「なにがだ?」 浩平がなつきの顔を覗きこむようにすると 「ううん、こっちの話……そういえばあの人はどうしてるかなあ」 「は? あの人?」 話の展開が急に変わって浩平は思わず聞き返していた。 「うん、お兄ちゃんの恋人だった人……きれいな人だったよ、実際にあったのは一回だけだったけど……」 「ふうん」 「あ、浩平お兄ちゃん何かよからぬことを考えてなかった?」 「なにがだ!?」 「まあまあ、あの人も幸せになっているといいなあ、なつきみたいに」 「そうだな、うん、きっと幸せになっているさ」 「うん、そうだね……あっ」 なつきは視線に店の看板を捉えると表情をくるっと180度変えて、 「今日は新記録に挑戦しようかな」 そう言うと浩平を置いて店に向かって走っていった。 「おいおい」 そんななつきの後ろ姿を眺めながら浩平は再び空を見上げた。透き通るような青空のなかに一筋の雲が流れているのが印象的だった。 「春は近いな」 浩平は誰に言うともなく呟くと、店の前で手を振っているなつきの元にゆっくりと歩み寄っていった。 うーん、なんか中途半端だなあ。何が言いたかったの分からないなあと反省中のみのりふです。 なつき「そうだね」 おっ、もう帰ってきたのか。しっかりとお礼を言ってきたのか……って、なんだその格好は!? なつき「PELSONAさんに言われたとおりにしてみたんだけど、どうかな」 私にはそう言う趣味はないからなあ。それより挨拶の方は? なつき「なつきにぬかりはないよ」 そうか、じゃあ感想に行くか。 なつき「なにかごまかしてる?」 >変身動物ポン太さま ついに浴衣で卓球編ですね。待っていた甲斐があったってものです。 繭……、『(ぽっ)』じゃないと思うぞ……。 運動系は七瀬に一日の長がありそうですが、どう持っていくのか楽しみです。 澪が卓球台の角に頭をぶつけそうで怖い怖い。 なつき「“11:なつきにお腹一杯お汁粉を食べさせる」 ……口を出すなよ。 >から丸&からすさま りりしいと聞くと七瀬の方を連想する私が安直なのかなあ。 そして最後はもしかして裸? それはおいといて、くう、澪健気すぎる。 戦闘シーンは迫力満点でいいし、浩平カッコよすぎ。 信念を貫く姿勢には好感が持てます。 そうそう、前回のタイトルは「コクーン」と発音します。 和訳するとそのまま「繭」です。 なつき「単純だね」 ……だから口を挟むな。 |