雨月物語〜浅茅が宿〜第一話 投稿者: まねき猫
下総の国葛飾郡の真間の里(今の千葉県市川市真間)に折原浩平と言う男がいた。
祖父の代から長くこの村に住み、田畑をたくさん持って裕福に暮らしていた。
だが、生まれつき物事にこだわらない性質であったため農業をわずらわしく思っていた。
そして、いやいや暮らしているうちにとうとう家は貧しくなってしまった。
そのうち親戚達も呆れ果て、疎遠になってしまった。
そうなってみて悔しいと心から思いどんな事をしても家をもう一度おこさなければと、あれこれ思案を巡らしていた。
「そうだ、確かそろそろ住井が京からやってくる頃だな。一つ頼んでみるか」
そのころ住井護と言う商人が足利染めの絹の取引をするため、毎年この郷に住む親類をしばしば訪ねて来ていた。
浩平はこの郷の外のことを色々と聞いたりしているうちに親しくなっていた。
やがて、今年も住井がやってきた。
浩平はさっそく住井の所へ行き、自分も商人になり、京に上ってみたいと頼んでみた。
「ああ、いいぜ。じゃあ今度来る時からでいいな?」
「おう、それでいいぞ」
住井が案外あっさり承知したので拍子抜けしたが、浩平はさっそく準備に取り掛かることにした。
残っていた田畑を全部売り、お金に換えると、絹布を大量に仕入れ京に行く日に備えた。

浩平には人目を引くほど美しく気立ての良い、甘党の妻がいた。
このたび浩平が品物を仕入れて都へ行くことを困ったことだと思っていた。
「……浩平やめる気はないんですか?」
「おう、もちろんやると決めたからには最後までやり通すぞ」
「都、遠いです」
困ったように言う茜を振り返り、浩平は言った。
「そりゃ遠いけど、都はいいとこだって聞く。茜も行くか?」
「嫌です」
やけにきっぱりという茜に多少引きながらも、浩平はやめるとは言わなかった。
「木曽に盗賊が出るという話も聞いてます」
「もう残りの田畑も全部売っちまったしな。今更どうしようもないよ」
「でも……」
「大丈夫だって、住井の奴も会ったことはないって行ってたぞ。単なる噂だって」
「……仕方がありません」
茜は観念すると、こう言った。
「一人で残されるのは辛いです。私のこと、忘れないでください」
「忘れるわけないだろ。都の砂糖菓子買ってくるからな、楽しみにしてろよ」
「早く……早く帰って来てください。この所物騒ですから……」
いつになく真剣にそう言うと、茜も浩平の準備を手伝い始めた。
前年の冬。鎌倉公方足利成氏と関東管領上杉憲忠の間が不和になり、足利成氏は上杉憲忠を謀殺。
それがきっかけで、関東の世情は不安定になっていた。
浩平はそれを心配し、何度か一緒に行かないかと持ちかけたが茜は首を縦には振らなかった。
前日の晩になり、茜は浩平にいつごろ帰ってくるのかを聞いた。
それまでは不安で心がいっぱいでそこまで気が回らなかったのだ。
「俺だっていつまでも他国にいるのは不安だからな、秋には帰ってくるよ。だから心配するなって」
「約束してください。必ず秋には帰ってくると」
「あぁ、約束する。絶対に帰ってくるって!!」
浩平はそういうと、明日に備えて早めに床に就いた。


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みなさん、おひさしぶり&はじめまして〜
まねきねこです〜♪
久しぶりに来てみると、面子がすっかり変わってますね(^^;;
え?アシスタント?
日本海溝に沈めてきました〜♪
ちびみずか1号「しずめたってだれを?」
うわっ……なんだ1号ちゃんか。もちろん住井だよ
1号「…しんじゃわない?」
あのくらい平気だよ。何せ住井だしね
次くらいには復活してるって
1号「なんか、すごいいわれようだね…」
とりあえずこれでいいや。それではみなさんお達者で〜♪
1号「つぎはいつだすんだろうね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・(^^;;