雨月物語〜菊花の約〜エピローグ 投稿者: まねき猫
エピローグ


「じゃあ、いってくる」
草鞋を履き立ち上がった浩平を、瑞佳もみさおも何も言わずに見つめている。
「聞いてるのか?」
振り返った浩平のいぶかしげな声に、はっとしたように答える。
「えっ?あ、いってらっしゃい、お兄ちゃん」
「気を付けてね・・・ちゃんと帰って来てね」
瑞佳の心配そうな顔を見て、浩平はわざと明るく答えた。
「何いってんだ。一月・・・大晦日までには帰ってくるって」
「お兄ちゃん、迷子にならないでね」
「・・・俺をなんだと思ってるんだ?」

あの後、自分を責めさいなんでいた浩平を立ち直らせたのは瑞佳であった。
塞ぎ込んでいた浩平を、瑞佳は一生懸命話し掛け、外へ連れ出した。
一月ほどで立ち直った浩平は、急に瑞佳に求婚し周囲を驚かせた。
もちろん瑞佳自身も驚いたが、はにかみながらも承諾した。一番喜んでいたのは瑞佳の父かもしれないが。
そして、あれよあれよと言う間に準備が整い、十一月の最初の吉日に祝言を挙げ、晴れて夫婦となったのである。
夫婦となってから十日あまりたった今日、浩平はシュンの故郷へ旅立つことにしたのだ。

「俺はあいつみたいな馬鹿な真似はしない。必ず生きてここに帰ってくる。だから心配するな」
黙って頷く瑞佳の顔を自分の方に向け、浩平はにっこりと笑う。
「絶対に帰ってくるから、そんときは笑顔で出迎えてくれよ」
そう言い置いて浩平は歩き出した。
「お兄ちゃん! 浮気しちゃ駄目だよー―っ!!」
「新婚早々浮気なんてするか! ばかっ!!」
みさおに怒鳴り返し軽く手を振ると、とりあえずは書写山を目指して、西へ降っていった。

「絶対に・・・」
瑞佳はその先の言葉を飲み込んだ。
「絶対に?」
問い返すみさおに黙って首を振ると、遠くなって行く浩平の背中を見つめた。
「約束だよ・・・」
瑞佳は呟き、いつまでもいつまでも浩平を見送っていた。
西へ向かう浩平を。


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まねき猫「長らくお付き合い頂き、ありがと〜♪」
ちびみずか1号「やっとおわったね。いみなくながかったけどね」
ねこ「ほっとけ。もっとコンパクトにまとめたかったんだけど、出来なかったんだよ」
1号「しゅぎょうがたりないね」
ねこ「何の修行なんだか・・・」
住井「で?感想はどうした?」
ねこ「・・・・・・」
1号「まだかきあがってないみたいだね(わらい)」
住井「もう一月近く感想書いてないだろ。どうするんだ?」
ねこ「と、とりあえず近日中に100個出すことにした・・・」
1号「100!?ずいぶんためたねぇ。とりあえずってことはもっとあるの?」
ねこ「多分、150〜160くらいはあるかと・・・」
住井「早く書かないからだろうが!自業自得だな」
ねこ「精進します・・・」
1号「じゃあ、これまでだね?みなさん、またおめにかかりましょう♪」
住井「じゃあな」
ねこ「見捨てないでね〜」