雨月物語〜菊花の約〜第七話 投稿者: まねき猫
第七話


財布をはたいての準備が終わりかけた頃、由起子は浩平に話し掛けた。
「出雲からここまで百里はあるんだから、今日つくとも限らないでしょ?来てから準備してもいいんじゃないの」
「あいつは約束を破ったりしないよ。大体来てから慌てるようじゃ、こっちが恥ずかしいよ」
浩平は耳を貸さず、鮮魚を料理して台所に用意した。
この日は空も晴れ上がって、見渡す限り雲一つ無く、群をつくって旅人達が話しながら歩いていく。
浩平は玄関で、旅人の声を聞くとはなしに聞いていた。
やがて正午もだいぶ過ぎたが、待っている人はこない。
日は西に沈もうとし、とまりを急いで旅人がせわしなげに歩いていくのを見るにつけ、外の方ばかり目を引きつけられていた。

日が落ちて辺りが暗くなってきた。
浩平は由起子の呼ぶ声に家の中に入っていった。
「浩平、何も菊の花が咲くのは今日だけじゃないんだから今日はもう休んだら?」
「でも・・・」
「帰ってくるという誠意さえあれば、冬になってもいいじゃない。もう明日になさい」
「・・・・・」
「ね?」
「わかった・・・」
浩平はしぶしぶ頷くと、由起子に先に休むようにいった。
「すぐに寝なさいよ」
「わかってる」
由起子が部屋に戻ると浩平も寝ようと思ったが、もしやと思ってもう一度戸外に出てみた。
外は既に暗く、見上げると銀河の星の光がわずかに光る。
遠くから何処かの番犬の遠吠えが澄み渡って聞こえ、海岸の波の音がすぐそこまで寄せてくるようであった。
そんな中、浩平は一人月の光の照らされていた。

やがて、月の光も山の端に入って辺りが闇に包まれてきた。
「これまで・・・かな」
浩平は無表情に呟くと家に入り戸を閉めようとした。
しかしその時、ふと見やるとぼんやりした黒い影の中に人の姿が見えた。
そしてそれが、風に吹き送られるようにこちらへやって来る。
浩平は目を凝らしよく見ると、それこそが待っていた人であった。
「シュン!」
浩平は待ちきれずに飛び出すと、シュンを半ば引っ張るようにして家に向かった。
「朝から待ってたんだぞ、この俺が。でもま、約束通り来たことだしな」
戸口に着くと、シュンに向き直り。
「ほら、入れよ」
中に入るようにすすめるが、シュンは頷くだけである。
シュンは暗い顔をしているが、浩平はそれに気づいた様子もなくシュンを急かす。
「?どうした、どこか怪我でもしてるのか?」
問うが、シュンは黙って首を振る。
結局浩平が先に立ち、客室の南の窓の下にシュンを案内し席につかせた。そしてすぐ浩平は、台所へ向かう。
由起子ももう寝ているようだったので、浩平は自分で酒を温め、買ってきた魚を調理した。
「下準備してもらっといてよかったぜ」
浩平は苦笑いすると、出来たものから客室へ持っていった。
変わらず鎮座するシュンを見て、苦笑しながらも手早く整える。
「あんまり遅いから明日来るんじゃないかって先に寝ちまったぞ?由起子さん」
笑いながらそう言い、起こしてこようと言うとシュンは黙って首を振った。
「昼夜兼行で来たんだから疲れてるよな?一杯やってから休んだらどうだ?」
そう言い浩平は酒や肴をすすめるが、シュンは手を出そうともしない。
「俺が作ったのは嫌かもしれないが、珍しく出来が良いんだ。食べてみろよ」
シュンはなおも答えず、長いため息ばかりを吐いていたが、しばらくしてやっと口を開いた。
「君が真心を込めた料理を辞退するほど礼儀知らずじゃないよ。君を騙すつもりも無いから本当のことを言う」
浩平はシュンの様子がおかしいことにやっと気づいた。
具合でも悪いかと問いただそうとして、シュンの真剣な眼差しに言葉を失う。
「聞いてくれるかい?」
シュンは視線を逸らさぬまま、心なし低い声で浩平に問う。
浩平はわずかに躊躇したが、それでも聞くことにした。
それを見てシュンは頷くと、少し置いてからその重い口を開いた。
「僕は、生きた人間じゃないんだ・・・」

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ちびみずか1号「こんにちは〜♪」
ちびあかね(以下ちび)「……始めまして、今回から登場のちびあかねです」
住井「・・・・・・」
1号「そして!こんかいのげすとは!!つっこみあかねちゃんです〜♪」
つっこみ茜(以下茜)「こんにちは」
1号「ちなみにまねきねこは、ねつだしてねこんでます」
ちび「……熱がなくても来なかったでしょうけど」
住井「・・・・・・」
1号「でんごんをあずかってます♪」
ちび「田舎から帰って来てからの一言だそうです『感想が100超えちまった〜〜』以上です」
茜 「怠慢ですね。ちゃんと書いて欲しいものです」
住井「・・・・・・」
1号「なんでさっきからしゃべらないの?」
住井「喋ったら絶対につっこみが入るだろうからな・・・」
茜 「恐いんですか?」
ちび「……臆病者ですね」
住井「・・・・・・」
1号「でも、このふたりならしゃべってなくてもつっこみいれそうだけど?」
茜 「ただ突っ立ってるだけですか?」
ちび「鬱陶しいです」
住井「だから嫌だったんだぁ〜〜〜!!(走り去っていく)」

1号「にげちゃった(わらい)」
ちび「……せっかく来て頂いたのに突っ込む相手が居なくなってしまいましたね」
茜 「仕方がないので帰ります(ゆっくりと退場する)」

1号「つっこみあかねちゃんもいなくなっちゃったし、どうする?」
ちび「……連絡があります『雨月物語』のログが欲しい方はメールで連絡ください。添付して送ります」
1号「あっしゅくするかどうかもおしえてね♪」
ちび「……自己解凍ファイルを使うかもしれないそうですけどね」
1号「じゃ、おわらせちゃおうか?」
ちび「……そうしましょう」
1号「じゃあね〜♪」
ちび「……さようなら」