瑞佳の休日 投稿者: まねき猫
瑞佳の休日


ピピピピッピピピピッピピピピッ

ベッドの上に手を伸ばして目覚ましを切る。
今日は日曜日。無理して早く起きて浩平を起しに行かなくてもいいし。
なによりストーブのタイマーを入れ忘れたから寒くってしょうがない。
布団を引き寄せると、私は再び安らかな眠りに就いた。


「う〜ん」
私は奇妙な圧迫を感じて目を覚ました。
何か重苦しいものが私の上に乗っている。
手を伸ばして探ろうとしたけど、手にも何かが寄りかかってるみたいに動かせない。
意を決してそうっと目を開けてみると、私の上に乗ってたのは
「タマ?」
上に乗っていたのは猫のタマ、腕に寄りかかってたのはミケとトラだった。
本当はもっと可愛い名前の方が良いんだけど、お父さんが「猫と言ったら昔からタマと相場が決まっている」と力説するものだからそうなってしまった。
その頃の私はまだ小さかったからそういうものだと思っていたっけ。浩平はタマのことを私の子分一号って呼んでるけどね。
ミケやトラは見たままの印象で決められてしまった。お父さん、本当にネーミングセンスないんだから。
「おまえ達も寒いの?おいで」
丸くなってた三匹を半ば無理矢理布団に引き込むと、また私は眠りに就こうとした。と、その時。
新たに入ってきた真っ白い子猫が私の顔をジーッ見て一言。
「みゃー」
いかにもお腹が空いた、と言わんばかりの声に苦笑する。
別に餓えてる訳でもないのにこの子はこんな声を出して食べ物をせびるのだ。
しょうがない、起きてこの子達に朝御飯をあげなきゃね。
「待っててね、今用意するから」
私は寒いのを我慢して起き上がると、パジャマの上にちゃんちゃんこを羽織って一階にいった。


「お母さん、おはよう」
「おはよう瑞佳、今日は随分ゆっくりね」
「だって、寒いんだもん。日曜だからいいでしょ?」
「そうね、今日は浩平君起しにいかなくていいからね」
そういうとお母さんは朝食を用意し、テーブルに載せる。
「あの子達にはもう朝御飯あげたわよ」
「そう?おかしいなぁ。さっき貰ってないってきてたよ?」
まあ、あの子のことだから、みんなから貰おうとしてたんだろうけどね。
私が目玉焼きをつついてるとお母さんが話し掛けてきた。
「そういえば最近、浩平君うちに来ないわねぇ。あんた達うまくいってないの?」
「・・・なんのこと?」
お母さんの言う意味が分からず聞き返す。でも、お母さんはまったく別の事を言った。
「そうだ、今日の晩御飯一緒にどうかって誘ってみたら?久しぶりに顔も見たいしね」
「今日は朝から住井君と何処か行くって言ってたよ?帰りは遅いんだって」
春休みスキー旅行に行く下見だとか言ってたけど、私は誘ってくれるのかな?
去年は結局住井君と二人だけで行っちゃって、文句を言ったら来年はって言ってたから・・・
今年はきっと誘ってくれるよね?
「何処かって?」
「長野の方って言ってた。旅行の下見だよ」
「長野の方って、知らないの?駄目よ、今のうちからしっかり手綱を握っておかなきゃ。結婚してから大変よ」
「な、なにいってるんだよっ。わ、私と浩平はそんなんじゃないもんっ」
お母さんったらなんてこと言うんだろう。
私は慌てて残ったトーストを飲み込むと、部屋を飛び出した。笑い声に追われるように。


数学の宿題が終わって一息つこうと下に降りてみると、ブチが網戸に手をかけた所だった。
「なにやってるんだよっ」
「ふみゃっ!」
私が叱り付けると驚いたブチは居間に駆けていく。ブチは器用な子で網戸に爪を引っかけて簡単に開けてしまうのだ。
外へ出られないように網戸をしていてもまるで意味がない。
もう少し怒ってやろうかと居間にいくと、ユウがネコジャラシを持って私の所にやってきた。
咥えていたネコジャラシを離すと私をジーッと見る。
「遊んで欲しいの?」
遊ぶのが大好きなこの子はうちでは一番年下で、古株のタマなんかは鬱陶しがってる。
でも入院した時にはそのタマ達が一番心配して、家中探し回っていた。
そのユウが遊んで欲しいみたいなので少し遊んであげる。浩平も人懐っこいこの子は可愛がってたなぁ。

バタバタバタッ

ユウとシロ(後からやってきた)の相手をしてると、突然ミミが駆け込んできた。
部屋に入るなりミミは柱に飛び付き爪をかけこちらを見る。
今にも爪を研ぎそうな姿勢で私の様子をうかがっているのだ。そのくせ少しでも近づくと脱兎の如く逃げ出す。
それがミミの遊び方と言う訳だけど、飛び付くたびに柱に傷がつくのでもうぼろぼろになってる。
「そこにいてねぇ〜今度こそ捕まえるから」
私がそうっと近付こうとすると、その気配に気づいたミミはあっという間に逃げ出した。
「やっぱり浩平みたいにはいかないねぇ。どうしてあんなに簡単に捕まえられるんだろう?」
浩平はミミを相手をするのが得意なのか、簡単に捕まえてしまう。
でもここ半年ぐらい浩平が遊びに来ないので家の柱は根こそぎ傷ついている。
今度浩平を呼んで、一緒に叱ってもらおうかな?

クイックイッ

「なに? あ、途中だったね、ごめんね」
痺れを切らしたのか、ユウとシロとクロ(何時の間にか来てた)が私の服を引っ張っていた。
「それじゃ、続けようね」
結局私はそのまま子猫達の相手を続ける事になった。

・・・・・。
・・・。
・。


「・・・ずかぁ・・・瑞佳ぁ、聞こえないの? あら?」
後で聞いた話では、その時私は八匹の猫達といっしょに丸くなって寝てたらしい。
「・・・・・へい」
「ほんとに、しょうがない子達ね」
そう言うと、お母さんは私にカーディガンをかけて静かに部屋を出ていった。





カシャーツ

カーテンが引かれる音がする。同時に眩い光が瞼の裏を刺し、朝御飯を催促する猫達の声もする。
「もうそんな時間? 今用意するから・・・って、あれ?」
まわりを見回すとそこは居間だった。
「・・・・・なんで?」
「ごめん瑞佳!ここで寝てるのすっかり忘れてて、気がついたらこんな時間なのよ。この子達には私はご飯あげておくから、あんたは早く浩平君起しにいきなさい」
お母さんが慌てたように言った。私は時計を見て・・・
「もうこんな時間!私いくね!」
「瑞佳!あんた私服のまま学校にいくつもり?」
「あ・・・」

・・・・・。
・・・。
・。


たったったったった
「長森っ、もっと早く起しに来いよ! 時間ギリギリじゃないか!!」
「すぐに起きない浩平も悪いんだよっ。たまには私だってのんびり登校したいよっ」
結局いつもの通り早朝マラソンをすることになった。
急いで準備して浩平のとこにいったから、間に合うはずだったんだけど・・・
「なあ、何で今日に限ってあんなにおそかったんだ?」
「そんなにおそくないよっ。十分来るのがおくれたって間に合うはずだよ、浩平がちゃんと起きてくれればっ」
「なにおーっ。人の所為にする気かっ!?」
「だって浩平の所為じゃないっ!」
そしてまた、いつもと同じ一日が始まった。



」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
住井「なんだ?これは。内容がないぞ」
ちびみずか1号「さむいよ?」
まねき猫「さむいな」
住井「べ、別に洒落のつもりで言った訳じゃない!」
1号「そうかな?」
ねこ「そうかな〜」
住井「おまえらっ、信じてないだろっ!」
1号「そういえば、このはなしどうしてかいたの?」
ねこ「いやな、うちの猫を見てる時に不意に書きたくなって書いたんだ」
1号「ようするに、かんがえもなく、てきとうにかいたんだね?」
ねこ「そ、それはそうだけど・・・」
1号「かいわがほとんどないよ?よみにくいよ」
ねこ「そ、それは瑞佳の一人称だからしょうがないよ」
住井「人の話し聞けよっ!」
1号「てきとうにかいたものなんて、つまんないだけだとおもうよ」
ねこ「うっ・・・け、結構きつい事言うね」
1号「だってじじつじゃない。ちゃんとかんがえてかかないと、みすてられるよ?ただでさえ、さいのうないんだから」
ねこ「ぐっ・・・と、時に1号ちゃん。その手に持ってるノートは?」
1号「はなしそらすき? いいけどね。これがみたいの?」
ねこ「・・・『つっこみ茜ちゃん言行録』?なるほど、それで・・・」
住井「俺を無視するなあーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!」
ねこ「本人に会ったことはないんだよな?」
1号「ちらっとみかけたことはあるよ? やっぱり、はなしかければよかったかな?」
ねこ「(やめてくれ、たのむから・・・)」
住井「話を聞けーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!!」
ねこ「やかましい(グイッ)」
住井「またかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・・・・」

どっぽー――ん

1号「ねぇ、こんど『げすと』によんだらどうかな?」
ねこ「い、いや、忙しそうだし、迷惑なんじゃないかな?やめといたほうがいいよ」
1号「そうかな?めいわくになるんじゃしょうがないね。あきらめるよ」
ねこ「(ほっ)それがいいよ。第一、ただで来てもらうのも悪いしね」
1号「じゃあ、これなんてどうかな?」
ねこ「なになに? 蜂蜜のガムシロップ割り黒蜜まぶし・・・」
1号「あとね。これもどうかな?」
ねこ「ティラミスの練乳あえ?・・・食えるのか?」
つっこみ茜「・・・おいしそうです」
1号「?だれかいなかった?」
ねこ「き、気のせいだよっ、つ、つ、都合よくつっこみ茜ちゃんが現れる訳ないしっ!」
1号「そうだよね。じゃあ、こんど『げすと』によべるか、きいてみてね?」
ねこ「期待に添えるよう善処するべく努力したいと思います・・・」
1号「?よくわかんないけど、おねがいね! じゃあ、きょうはこれまでだね?」
ねこ「だね、終りにしよう(これ以上続けてたら、何が出てくるか分からん)」
1号「それじゃみんな、またね〜♪」
ねこ「それでは!」
茜 「・・・さようなら」
ねこ「うわっ!(ズルッ)」

どっぽー――ん