第四話 この数日、浩平は昼となく夜となくつきあって話をしていた。 シュンも諸子百家のことをポツリポツリと話し出したが、その質問も理解も非常に優れていた。 彼の語る戦法の理論のことは経験豊かで優れていたので、浩平は良い友を得たと喜び、とうとう義兄弟の契りを結んだ。 シュンは浩平よりやや年長だったので義兄ということになった。 浩平に義兄としての挨拶を受けて、シュンはこういった。 「僕は両親と別れてからずいぶん経つ。だけど義兄弟となったからには、君の老母は僕の母ということにもなる。あらためて養子として挨拶したいんだけど良いかな?」 「ああ、構わないさ。俺がいつも一人でいるって心配してたからな。きっと喜んでくれるさ」 と言ってシュンを家に連れて帰った。 「ただいま。帰ってきたぞ」 「おかえり浩平、昼間お前にお客さんが・・・おや?その人は・・・」ヵァ 「こいつが氷上シュンだよ。昨日いっただろ? それで兄貴、この人が由起子さんだ」 「はじめまして、僕は氷上シュンです。浩平君には本当に良くして頂いて感謝しています。今後ともよろしくお願いします」 「これはご丁寧に、こちらこそよろしくね。浩平に話は聞いています。この子は言葉が悪いから友達の独りもできないんじゃないかと心配になってたんですよ」 「こ、こんな所で立ち話もなんだから、中に入って話そう」 浩平はいささか慌ててシュンを中に招き入れた。 中に入ると由起子は浩平にお茶を入れるように言い、浩平がいなくなったその隙にさっそく話し掛けた。 「あなたにはほんとに感謝しています」 「いえ、僕は感謝しこそすれ、されるようなことは何も・・・」 不思議そうにしているシュンに、由起子は居住まいを正してシュンの目を見詰める。 「あの子はここ数日、本当に楽しそうに深山さんの所に出かけていたんです。今まで何処かへ出かけてもすぐ帰ってきて部屋に篭ってしまっていたのに」 「でもそれは学問をしているのであれば、あまり不思議なことではないんじゃないですか?」 「それが・・・浩平の場合、あまり他人に執着しない所があるんです。その分わたしやみさおのことは気にかけてくれるのだけど・・・」 「みさおというのは妹さんでしたよね」 「えぇ、だからあなたの面倒を見てると聞いて本当にほっとしたんです。あの子は才能もないし、している学問も時勢にあわず、世に出る機会を失っています。どうか見捨てないで、義兄として指導してやってください」 「『大丈夫は義を重しとす』と言います。名を挙げたり金持ちになったりするのは重要じゃありません。彼はもう十分に立派な人ですよ」 「何の話をしてるんだ?」 二人で話し込んでいると、浩平がお茶をもって現れた。 由起子は聞かれていなかったことを悟ると、シュンに目配せし黙っているようにいった。 シュンはうなずき返し、浩平に話し掛けた。 「それより浩平君、みさおさんはここにはいないのかい?」 「ああ、ほらあそこに見える住井家に嫁いだんだ・・・時々来てるけど」 「そうなのかい、挨拶しておかなければならないと思っていたんだけど・・・」 「そのうち来るだろ。ほら、お茶を入れたぞ。これでも飲んでゆっくりしろよ」 そう言ってお茶を差し出すと、自らも座りお茶を飲み出した。 「そういや、誰が来って?」 「瑞佳ちゃんさ。いないって言ったら寂しそうな顔して帰っていったけどね」 「瑞佳が?何のようだったんだ?」 首を傾げると、シュンが聞いてくる。 「その瑞佳と言うのはどなたですか?」 「隣村の酒屋の娘さ」 「浩平のいい人だよ」 すかさず由起子が茶々を入れる。 「なっ、そ、そんなわけないだろっ。あいつの親父さんと話してるだけだっ」 由起子が浩平をからかい、浩平が慌てて、シュンがなだめる。 そんな感じで三人は団欒の時をすごした。 夜もふけシュンが辞そうとするのと、二人は泊っていくようにすすめた。 「どうせこの家は一部屋余ってるんだ。遠慮することはないぜ」 「しかし、そう世話にばかりなるわけには・・・」 「それに雪見さん達ももう寝てるって。今からいったらかえって迷惑だよ」 「そうですよ。それに私たちはもう家族じゃない。遠慮することは何もないのよ」 二人があまり熱心に勧めるので、とうとうシュンの方が折れ、泊っていくことにした。 「本当に手間をかけるね」 「なに気にすることないって。何だったらしばらく泊っていくといい、荷物は明日とって来るから」 「それがいいわね。こんなあばら屋で良かったらいつまでも逗留していってくださいね」 久しぶりに感じる家族の暖かさにシュンはやすらぎを感じた。 浩平や由起子、時々遊びに来るみさおなどと一緒にいることは、シュンにとっても楽しい日々であった。 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 ちびみずか1号「こんにちは! いっしゅうかんぶりだね♪」 住井「またまねき猫は逃げたのか?後書きぐらい出ればいいだろうが」 1号「さっきみたら、へやでのたうちまわってたよ?」 住井「なんだそりゃ?」 1号「しるばーむーん、っていうげーむやってね、いまかいてるSSとねたがかぶってるんだって」 住井「被るったって一部だろ?気にすること無いじゃないか」 1号「それがね、はにゃまろさんの『永遠紀行』もかぶってそうなんだって」 住井「要するに、書いても発表できないと、そういう事だな?」 1号「そうだよ。いちおーかくっていってたけど、あのちょうしじゃ、とちゅうでやめるかもね」 住井「終わったなあいつも」 1号「そうかもね。もうかけそうなねたがひとつしかのこってない、っていってたし」 住井「まあ、先の事より、この雨月シリーズを何とかしてもらいたいものだな」 1号「どうにもならなかったりして(わらい)」 住井「笑えんって。それじゃあ、今日はここまでだな」 1号「まったね〜♪」