雨月物語〜菊花の約〜第二話 投稿者: まねき猫
第二話

多少穏やかそうになったのを確認すると、少年のもとを離れた。
部屋を出た浩平はさっそく雪見に話し掛けた。
「なあ雪見さん」
「なに?」
「あいつの面倒見てやってくれないかな?必要なら手伝うからさ」
「どっ、どうしたの急に・・・そりゃ家で死なれたりしたら困るけど。でもなんで?」
不思議そうに問う雪見に浩平は苦笑しながら。
「なんとなく・・・なんとなく気になってさ。いいだろ?医者にでも見せればすぐ良くなるって」
「そうだよ雪ちゃん、かわいそうだよ。私からもお願いするよ」
見かねたのか、それとも前から気になっていたのか、みさきも援護をしてくれる。
「頼む雪見さん!」
「ゆきちゃん!」
「・・・しょうがないわねぇ」
二人に説得に雪見はしぶしぶながら承諾した。
「これ以上食費がかかるのも困りものだけど、居着かれるよりマシね。みおーっ、ちょっとこっち来てーっ」
そうと決まった途端医者に見せることにしたらしい。切り替えの早い人だ。
雪見はお手伝いを呼ぶと使いを頼んだ。よく雇うお金があるものだ。
「澪、村外れの髭先生のところまでいってきてくれない?病人がいるって」
『わかったの』
澪がかけて行くのを見送ると浩平はあらためて礼を言った。
「ありがと、雪見さん」
「ありがとう雪ちゃん」
「その分二人には働いてもらうからね」
いたずらっぽく笑うと、雪見は台所へ消えていった。
すぐにみさきを呼ぶ声がし、みさきも後を追った。

浩平達は深山家で医者が来るのを待っていた。
「みさきさん、お茶もう一杯もらえるかな」
「いいよ」
「おそいわね〜」
いい加減、痺れを切らしかけた頃、澪は帰ってきた。
「遅かったじゃない・・・あら?髭先生は?」
独りで帰ってきた澪に雪見はそう尋ねると
『先生はいなかったの』
と答える。
「いない?どういうことだ?澪」
『赤松さまの命令で山城の国へいったの』
「山城の国?浩平君なんか知ってる?」
「いや、応仁の大乱だったら8年前にほぼ終結してるから」
「ということは?」
「山城にいく理由が無いということだ」
『何かの陰謀なの』
「寂しいよ〜」
みさきは拗ねていた。
澪は喋れないので口をぱくつかせるだけである。目の見えないみさきには居るのかどうかも分からない。
それでも浩平達が、話ができるのは、雪見の長年の努力の成果である読唇術のおかげである。
雪見は里の者にも教えようとしたが、まともにおぼえられたのは折原一家だけであった。
特に浩平は澪と話がしたいためにわずか半年で身につけてしまった。
その点で、雪見は浩平を高く評価している。
「とにかく、医者が居ないんじゃ自分達でやるしかない」
「どうするの?わたしも雪ちゃんも薬の煎じ方なんて知らないよ」
「(もう復活した・・・タフだなみさきさん)大丈夫、うちに医術書があったはず。取りにいってくるっ」
そう言うと浩平は深山家を飛び出していった。
「浩平君熱心だね〜」
『ほんとなの』
「ほんとお人好しよね」

浩平は家に着くなり自分の部屋に飛び込み、棚に取り付いた。
「確かこの辺に薬草の本が・・・あったっ!!」
目的のものを見つけると、再び深山家に向かった。
「ねぇ、今お兄ちゃんが居なかった?」
「さぁ?気のせいでしょ」
その時居間に居た二人はそんな会話をしていた。

深山家に着いた浩平は雪見と相談し、薬を選んだ。
そして、自分で処方を考え、自分で煎じ与えた。
その上に、かゆを食べさせたりもして、まるで兄弟にするかのように看病した。
「ほんとに手際よく看病するわね。みさきも見習ったら?」
「むりだよ。浩平君が看病上手なのは、みさおちゃんの世話していたからなんだから」
「そう言えばそうだったわね・・・浩平君そろそろこっちに来て食事にしましょう」
「おぅ、今いくぞ」
浩平は部屋を出ると襖を静かに閉め席についた。
「どんな具合?」
「だいぶ良くなった。あと二、三日もすれば起き上がれるだろう」
「良かったね浩平君」
そう言うと、みさきは茶碗を差し出す。
「ありがとみさきさん」
その後、しばらく看病を続け浩平は帰っていった。



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こんにちは☆ ちびみずか1ごうだよ?
ほんとは、かんそうかくっていってたんだけど、しけんがあるからかけなかたんだって
でも、ほんとはねてばかりなんだけどね(わらい)
えっと、このさくひんいついて、なにかききたいことがあったら、えんりょなくきいていいよ(^^)
げんさくのことでもいいけどね☆
ほかにいうことはないから、これでかえるね?
じゃあね☆