ぷちっ テレビのスイッチが入る。 ぱらっぱらっぱ〜〜〜 謎のBGMと共に、浩平と瑞佳の姿が現れる。 浩平「おまっとさんおまっとさん。本日もタク・テレホンショッピングの時間がやてきました。司会は、おれ折原浩平と」 長森「私、長森瑞佳でお送りしま〜す」 浩平「さて、早速本日の商品だが?」 長森「うん。最近、何でも抗菌、抗菌になってるるよね?」 浩平「そうだな。お箸やシャーペンまで抗菌になってるな」 長森「と、いうことで今回の商品は抗菌モノだよ」 浩平「なるほど。流行にのっとったわけだな」 長森「じゃ、商品の登場です。住井く〜ん」 画面端より、布のかかった台を押して住井が現れる。 住井「おう。今回も商品はオレが作った」 浩平「へぇ〜…以外と大きいな」 長森「そうだねぇ…人の背丈ぐらいあるかな?」 住井「まあな。じゃ、さっそくお披露目だっ!」 ばっ! 住井が勢いよく布を引くとその下から商品が現れる。 その商品とはっ!? 長森「七瀬さんっ!!?」 浩平「なんで七瀬がここにっ!!?」 そう。台の上に乗っていたのは七瀬留美、その人である。 住井「ちがうちがう。これは、オレが持ちうる技術の粋を結集して作り上げた…」 浩平「作り上げた?」 住井「コピー七瀬、抗菌コート使用だああああぁぁぁぁっ!!!」 おお〜〜〜〜〜 会場に感嘆の声が上がる。 浩平「それは凄いな…で、何に使うんだ?」 住井「よくぞ聞いてくれたっ!このコピー七瀬は元の能力を忠実に受け継いでいるっ!」 長森「ってことは…まさかっ!?」 住井「そう、剣道の代役にピッタリっ!コピー七瀬っ!打ちこみだっ!」 ビュオンッ! ビュオンッ! コピー七瀬がどこからとも無く取り出した竹刀で打ちこみを始める。なんと、あまりの速さに竹刀が見えない! 住井「で、このパワーを利用すると、庭の番犬の変わりや…こう…」 ぽいっ 住井が空き缶をコピー七瀬に向かって投げる。 ビュオンッ! グシャッ!! カコン… 見事に潰れた空き缶が下に落ちた… おお〜〜〜〜〜〜〜〜〜 再び会場に感嘆の声が上がる。 住井「空き缶つぶしにも使えます」 浩平「すごいな…」 長森「ほんとだね」 住井「また、命令通りに動くためメイドとして働かせることも可能です」 浩平「それはすごいっ!」 長森「浩平…何考えてるの?」 浩平「いや…まあ…」 住井「しかも、人間らしさを出すために本物の人格を完全コピーしましたっ!これで、コピー七瀬になにをさせるかはあなた次第っ!!」 浩平「人格完全コピー…?」 長森「それって…」 住井「そうっ!実物と全く変わらないコピー七瀬を一万円より御奉仕だっ!」 おお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 三度会場に感嘆の声が上がる。 住井「さらに、今買うとコピー七瀬の出力を更に上げる、コピー広瀬もついてくるっ!こちらの人格には長森さんを使用っ!なんと、合わせて一万円からの御奉仕っ!!!」 長森「わ、わたし〜〜〜っ!!?」 浩平「それはほしいな」 長森「喜んで言いのか悪いのか…複雑だよ…」 浩平「こんな便利なコピー七瀬とコピー広瀬がなんとセットで一万円っ!御注文は今すぐお電話でっ!!」 長森「番号は、ぱぴぷぽぱぽぱぽですっ!お間違えのないようお願いしますっ!」 リーン! リーン! リーン! 後ろで電話の鳴る音が響き始める。 浩平「では、またの機会にっ!」 長森「またね」 ぴんぽんぱんぽ〜ん 『ニュース速報』 南「剣道の試合にて、5人の七瀬選手が、他の選手を意識不明の重態にするという事件が起きました。警察の調べによると、全てコピー七瀬であることが判明したようです」 南に紙が渡される。 南「え〜、家の番をさせていたコピー七瀬が家の主人を追い出してしまった。という事件が発生したようです。あまりの強さに、手も足も出ず、警察機動隊も苦戦しているようです」 横から、次の紙が渡される。 南「え?…たった今入った最新情報によると、コピー七瀬が叩き落した空き缶が地殻変動を起こし、地震が起こったようです。」 さらに、横から紙が渡される。 南「またか?…今度は、コピー七瀬にメイドをさせていた家が全て崩壊したようです。どうやら、全ての家事をフルパワーで行ったために起こった事故と思われます」 またまた紙が渡される。 南「なんと…コピー七瀬が集結し、各地を荒らしまわっておりますっ!どうやら、先頭には本物の七瀬留美さんがいて、コピー七瀬を誘導しているようです」 またまたまた紙が渡される。 南「ん?ま、これは同感だな。茜さんならもっといいが…どうやらコピー七瀬の被害にあった人達が、「返金してくれなくてもいいから、コピー七瀬をコピー広瀬に変えてくれっ!こっちのほうが役に立つっ!」と抗議しているようです」 『科学部』の部室で住井はカップラーメンを啜りながらテレビをみている。 住井「長森さんの人格を使ったのが良かったみたいだな。よし。こっちを量産するか…」 ゴガンッ! 住井「なんだ?」 ドガドガドガドガッ!! ガコンッ!!! 『科学部』の壁が崩れる。 立ち込める煙の向こうに光る、無数の目。 住井「ま…まさか…」 どがごすめこごがどすぼこっ!!! 急げ、急げっ。ああっ瑞佳さまっ偶数話恒例(?)番外編です。 ちびみさ「…なにやってんだか」 まったくだ。片付け、片付け… ちびみさ「自分でいってちゃおしまいだよ〜」 いやぁ…抗議文でも送られてきそうな内容だし…でも、元ネタはあるよ 。だれもしらないだろうけど。 ちびみさ「でも、コピー七瀬って抗菌コート使用の意味あったの?」 う…最初の設定ではあったんだがなぁ… ちびみさ「で、終わってみたら?」 抗菌とかいう以前の問題だな。 ちびみさ「つまり、今となってはただの付加機能?」 そういうことだな。ま、なんにしてもだいたいそんなもんだろ? ちびみさ「まあね。抗菌って言っても実際に目に見えるわけでもないし ね」 さもありなんさもありなん。 ちびみさ「…あと10分だよぉ〜」 ぐはぁっ!!! ちびみさ「大丈夫じゃないかもね」 うにゃっ!アデュ〜♪ ちびみさ「待ったね〜」 http://www2.freeweb.ne.jp/~ensyanto