ああっ瑞佳さまっ(にっ)  投稿者:風来のももも


時に、舞台は体育館。
そこには、タク園演劇部が集まっていた。
雪見「さぁっ!時間が無いんだからさっさと働く働くっ!」
みさき「雪ちゃん、人使い荒いよ〜」
演劇部員たちは、道具の製作に入っていた。
澪『疲れたの…』
みさき「澪ちゃんもこう言ってるよ〜」
雪見「……しかたないわね。澪ちゃん、一番行ってきていいわよ」
澪『一番…?』
雪見「ああ、休憩の事よ」
澪『わかったの』
みさき「なにもこんなところで飲食店の業界用語を使わなくてもいい気がするよ…」
まあ、それはさておき澪は外に出ていってしまった。
みさき「雪ちゃん、私も疲れたよ〜」
雪見「みさきはダメ」
みさき「雪ちゃん、澪ちゃんに甘いよ〜私も疲れたよ〜私、部員じゃないんだよぉ〜」
雪見「みさき…」
雪見がふと、真顔に戻る。
道具の製作をしていた他の部員も手を止めて二人を眺めている。
みさき「なに?」
雪見「つけにしてるお昼代…今すぐ払ってもらってもいいんだけど?」

ピキーーーーーーーーーン

その場で、何かが凍りついた。いや、それが何かとは言わないけど(笑)
みさき「………さ〜、がんばって作ろっかな〜……」
みさきが道具の作成を再開する。
が、他の部員はまだ凍ったままである。まだまだ修行が足りないようだ。
雪見「…みんなどうしたの?手が止まってるけど…」
部員『は、はいっ!直ちに作業に戻らせていただきますっ!』
部員は復活し、作業を再開する。雪見に対する観念が少し変わったかもしれない(笑)


タク園の中庭の通路を並んで歩いている二人の姿。浩平を長森である。
二人の横を、なぜか丸太を担いだラグビー部が涙を流しながら走っていく。深い意味はない。
浩平「なんか、異様に殺気立ってるな…」
長森「いきなりだったからねぇ。みんな大変なんだよ、きっと」
浩平「そうなのか?」
長森「土地を確保したり、機材を借りたりとか…」
浩平「そういや、南がなんかそんなこと言ってたな」
長森「土地なんか、校門周辺の一等地が1m四方で一万円…だったかな?」
浩平「まじかっ!?…誰が借りるんだ…そんなとこ…」
長森「南君」
浩平(…いったい何を考えてるんだ、あいつは?)
長森「ねえ、私たちも何かしようか?」
浩平「ん〜、でもいまさらだしな」
長森「だよね。う〜ん、私は…浩平と何かやりたかったかな〜って…浩平?」
長森は少し赤面しながら浩平に話し掛けるが…その隣に浩平はいなかった。
浩平「おっ、あれは澪だな」
長森の遥か前方で、澪を捕捉していた。
長森「こうへい〜〜〜………」
少し涙ぐみながらも、浩平の元に駆けていく長森。
当分、ギャグ路線のつもりだから諦めてもらおう(笑)ついでにキャラがなんか違うのも(爆)
長森「浩平、置いていかないでよ…」
浩平「おおっ。悪い、澪の姿が見えたんでな」
長森「澪ちゃん?どこにいるの?」
浩平「体育館の…あれは、照明室か?」
長森「行ってみる?」
浩平「そうだな、どうせやることも無いことだし」
長森「そうだね」


数刻前…
澪(疲れたの)
澪は一番…もとい、休憩していた。
手にはV8トマトジュース(笑)があった。
澪(おいしくないの)
それは、演劇部の3年生が澪に渡してくれたものだった。
ちなみに、作者はこれをおいしいと思ったことが無い。はっきり言って嫌がらせに近いものがある。
七瀬「あれ?澪ちゃん、何してるの?」
そこに、通りすがりの兄貴が通りかかる。
七瀬「兄貴じゃないわっ!」
失礼。超兄貴が……

チャキンッ

七瀬「……斬るわよ……」
(汗)(汗)(汗)通りすがりの七瀬が通りかかる。何故なら通りすがりだからである。
真剣を常備していたのは計算外だった。
七瀬「で、澪ちゃん、何してるの?」
澪『休憩してるの』
七瀬「ふ〜ん…あ、そ、それはっ…!!!」
七瀬の目に、V8が映る。
七瀬「幻となった一品っ!!…それを飲むとは…澪ちゃん、意外と通ね…」
澪『飲めないの…』
七瀬「ふっ…それは、一気に口に含んで飲み下すのが通…いえ、乙女の飲み方ってものなのよっ!!!」
そんな乙女はヤダ。
澪『できるの?』
七瀬「…あ…当たりまえじゃないのっ…、あたし七瀬…じゃなくて乙女なのよっ!」

ス…

無言で七瀬の前にV8が差し出される。
七瀬「…わ、あたしはいいわよ…澪ちゃんが飲むでしょ…?」

ス…

さらに差し出される。もう、七瀬の眼前まで迫っている。
七瀬「ぐ…分かったわ…これ、持っててくれる?」
七瀬は澪に、持っていた七瀬に似つかわしくない分厚い本を澪に渡す。
澪『分かったの。はいなの』
澪はそれを受け取り、その代わりとばかりにV8を渡す。
七瀬は観念して澪からV8を受け取った。
七瀬「…………スゥ………ハァ………」
深呼吸一つ。
そして、缶を口に当て……

ゴキュッ!ゴキュッ!ゴキュッ!ゴキュッ!

七瀬は乙女に果てしなく似つかわしくない音を立てて缶の中身を口に含んでいくっ!

ゴキュッ!

飲みきったみたいである。
七瀬は…平然としている。
七瀬「…っ!!!」

ドンドンドンッ!!!

そうでもなかったみたいである。七瀬は壁を力任せに叩いている。

シャキンッ

いきなり持っていた日本刀『龍光』を抜き放つっ!そして、あたりかまわず振り回し始めるっ!!

ズバッ!!!  ザシュッ!!!

    シュピンッ!!!

澪(危ないのっ!)
澪は舞台上の照明器具に取り付けてある、渡り台の上に避難する。
下では、演劇部員たちが道具の製作を続けているが、上の騒ぎには気付いていないようだ。


浩平「なんか、照明室が騒がしいな…」
長森「ほんとだ…すごい効果音がするよ」
浩平「とりあえず、開けてみるか…長森、開けてみろ」
長森「わたしッ!?こういうことって普通男がすることじゃ!?」
浩平「最近は男女平等とか言ってるからな。通用しないぞ」
長森「はぁ…浩平、普通じゃないからね…じゃ、開けるね」
浩平「おう。いつでもいいぞ」

ガチャ

長森「すみませ〜…っ!!!???」

ビュッ!!!

長森の目の前を白刃が走るっ!
長森「うわっ!」
浩平「長森っ!!どうしたっ!!?」
長森「さっき、目の前を白い光が…」
浩平「白い光…?照明かなんかじゃないのか?」
浩平も照明室の中を望みこむ。そして二人は見たっ!
浩平「七瀬っ!!?」
長森「七瀬さんっ!!?」

そこには、『龍光』を振るい続ける七瀬の姿があった。
そして、七瀬は浩平を捕捉し、浩平に向かってその刃を振り下ろすっ!
長森「浩平っ!!」
浩平「くっ!!」

ぱぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!

勢い良く叩いた浩平の手は『龍光』を見事に止めていた。いわゆる真剣白刃取りというやつである。
長森「浩平、すごい…」
浩平「ぐ、偶然にしてはいいできだが…長森、早く何とかしてくれ…もちそうに無い…」
長森「で、でもどうすれば…」
ふと、視界に何故かそこにあった釘バットが目に入る。
長森「…こんなのしかないの…?」
半眼でそこにいない誰かに問い掛けるが答えは返ってこない。だってそこに誰もいないんだもん。
浩平「長森…はやく…」
『龍光』の刃が浩平まであと1cmで迫っている。
長森「しかたないよねっ。えいっ!!」
意を決して釘バットを七瀬に振り下ろすっ!

ごすっ
      どさっ

なかなかいい感じの音を立てて、釘バットは七瀬にめり込み、七瀬は昏倒する。
浩平「ふぅ、助かったか…それにしても長森。釘バットなんてマニアックなもの使ったな」
長森「それしかなかったんだもんっ!」
浩平「それにしたって釘バットは無いと思うぞ」
長森「仕方なかったんだもんっ!」
浩平「こんどはだよもんか」
長森「ふぇぇぇぇ〜浩平がいじめる〜〜〜(涙)」←さらにキャラが違ってる(苦笑)
浩平「勝ったっ」

浩平Win!

いや、何に勝ったかは知らないけど…あとで反乱が怖そう…
澪(助かったの)
浩平「おっ、澪。そこにいたのか」
澪(コクコク)
浩平「ん?澪、何持ってるんだ?」
澪(?)
そこで、澪は七瀬から預かっていた本を持っていることに気付く。
澪(それは…)
スケッチブックに書こうとしたが、そこにない。
澪(な、ないのっ!)
浩平「澪。スケッチブックならおまえの横だぞ」
ふと見ると、横に置いてあった。
スケッチブックを取って、『預かったの』と書く。
浩平「預かったって、七瀬にか?」
澪『そうなの』
浩平「そうか。ま、とりあえずこっちにこい」
澪『わかったの』
危機が去ったので、澪は照明室に戻る。
浩平「おい、澪。さっき持ってた本はどうした?」
澪(???)
考える。

さっきはスケッチブックで本を持っててそれが持ってなくて歩くと本で…

意味不明な考えが澪の頭の中を通り過ぎていく。完全にパニックである。
浩平「なあ、スケッチブックを取るときに離したんじゃないのか?」
澪『そうなのっ』
二人とも同時に舞台上の照明の渡りの所を見るが本はない。
浩平「ま、まさか…」
澪『まさかなの…』
二人の考えを肯定するかのように演劇部の声が聞こえてくる。

雪見「みさきっ!大丈夫っ!?」
部員A「いったい何が…っ!?」
部員B「この本が落ちてきて頭に当たったみたいよっ!」
部員C「うわ〜…凶悪なぐらい分厚い本だぞ!」
部員A「まるで、こうなることを狙ったような本だな…」
みさき「雪ちゃん…わ…たし…もう…戦え…ないよ…」

ガクッ

みさきの身体が力を失う。
雪見「みさきっ!!?みさき〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!」
部員A「感動的ですねぇ(涙)」
部員B「でも、なにと戦ってたんだ?」
顧問「同人誌とか出してたみたいよ。二人で」
部員C「時間と戦っていたのか…」
雪見「みさきがいないと人手が足りないのよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!」
部員『……………………』
部員は再び凍りつく。今度はみさきも凍り付いていた。いや、灰になっていた。
一陣の風が吹き…みさきの身体が崩れ去っていった…
初登場の顧問は…一人茶をすすっていた。もしかしたら、また出番があるかもしれない。
後に残ったのは、人手を気にする雪見だけだったという…

PS
舞台裏から浩平と澪の二人はすすり泣く長森を連れて逃げ出したのは言うまでも無い。
ちなみに事件の犯人は全て七瀬一人の仕業として処理された。
抗議はしたようだが、釘バットというマニアックな武器は七瀬ぐらいしか使わないということで受け入れてもらえなかったようである。
合掌。



さて、今回はいろんな意味で世間に喧嘩を売ってみました(笑)
「たしかに…ネタが分からない人も多いだろうな」
まあ、勢いで読んでくれればなんとかなると…
「なんとかなるといいな」
うん…
「ま、それはさておき奴らはどうなった?」
奴ら…?…(考え中)…しまったっ!!すっかり忘れてたっ!!
「おいっ!!」
いや〜今回結構長くなったからな〜はっはっは(汗)
「しっかり(汗)かいてるぞ」
う…ま、それは置いといて。
「おいとくなよ」
まあまあ、タクティクス総合学園の略はタク園になりました。そのほうがいいとのお声がありましたので。
「打ってみたら一発で変換できたな」
うみゅ。さすがにちょっとびっくりしたな。
「どういう教育をPCに施したんだか…」
さあねぇ(笑)では、感想は次のでします。
「次かっ」
すぐ後だけどね。ではではっ。
「おうっ!」
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