浩平無用! in 絆 <18> 投稿者: ももも
第十八話    『闇、深まりて』
     フォォォ……

     藤隆の存在が急速に薄れていく…
浩平「藤隆!まさか、永遠の世界を開くって…!!」
藤隆「そう…僕を核として扉をあけるんだ…」
浩平「なんだってそんなことっ!!」
藤隆「これしか永遠の世界の扉を開く方法がないんだ…誰かが犠牲にならないと…」
浩平「だからって、お前が犠牲にならなくても!!」
藤隆「たしかに…僕じゃなくてもいいんだけどね…」
     藤隆は周りを見渡す。
藤隆「他の人じゃ、君が悲しむ…」
浩平「お前が消えても、オレは嫌だぞ!!」
みさき「そうだよ!!」
藤隆「うれしいな…でも、これが僕の役目だから…」

     ザッ…    ザッ…    ザッ…

     藤隆は住井に歩み寄る。
住井「くっ…」
藤隆「さあ、帰るべき世界に帰ろう…」
住井「そうはいくかっ!!!」
     ドンッ!!
                ドンッ!!
藤隆「無駄だよ…」
     バシュッ!!
     エネルギー塊は、藤隆に触れる寸前で消滅する。
藤隆「さあ…行こう…」

     フォォォォォォ………

     藤隆の体が薄らいでいく…
浩平「藤隆ーーーーっ!!!」
藤隆「まだ…覚えていてくれたんだ…」
浩平「ああ…わすれるものか…まだ、借りを返していないんだからな」
藤隆「おごりだ…気にするな…」

     フッ………

     藤隆の姿が完全に消える…
     住井と共に…
浩平「藤隆……」
みさき「………」
七瀬「折原…」


沙夜香「なにが…どうなったの…?」
直之「さあ…よく…思い出せない…」
留美「助かったの…かな…」
耕治「わからない…」

     ヴォォォンッ!!!!!

     空間に穴が開く!!!
浩平「なっ!!?」
     
     ヒュンッ

     穴から手が伸びてくる!

     ガシッ!
      
直之「お前はっ!!!」
     手は直之の足を掴んでいる。
住井「こうなったらお前でもいい!!お前も道連れだ!!!」
     ギュンッ!
     住井の手が穴の中に戻っていく。
直之「うわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」
     そして、直之の姿も穴の中に消える。
浩平「親父っ!!!」
沙夜香「直之君っ!!」
       
     バッ!!
  
     沙夜香は、迷うこと無く穴に飛び込む!
浩平「母さんっ!!?」
留美「沙夜香っ!!」
     留美も穴に飛び込もうとする。

     ガシッ

留美「え……?」
耕治「……」
     耕治は留美を抱き留めている。
     穴はすでに消えている。
留美「耕治君!どうして止めるの、私も……!」
耕治「好きだから…」
留美「っ…!」
耕治「留美さんのことが好きだから…だから…止めます…」
留美「耕治君…」
耕治「あの穴に入って帰って来れる保証はないから…」
留美「でも……まぁ、穴が閉じちゃった以上どうしようもないわね」
耕治「留美さん…」
留美「ここは、あの人たちを頼りにするしかないわね」
耕治「………」
留美(沙夜香のことを『母さん』って呼んでたあの人を……)
    

                                                  <続く>


ももも「ふい〜、一週間が終わった〜〜〜」
ちびこうじ「おおっ!俺がここにいる!」
ももも「おう。ちびみさが、なんか兵器開発にいそしんでてアシできないそうだからな」
ちびこうじ「だから、ここにいるんだな」
ももも「まあ、最後の華ってやつだな」
ちびこうじ「最後?」
ももも「おう。もうお前の出番は無いはずだぞ?」
ちびこうじ「なに〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
ももも「ちょっとまってろ。確認する………うん。無いな。名前すらでてこない」
ちびこうじ「ひでぇ…なんて扱いだ…」
ももも「まあ、脇役だしな」
ちびこうじ「(怒)!!!!」

     ゴスッ!

ももも「ぐぁ…!なにするんだ、痛いじゃないか!」
ちびるみ「そうよ。作者を傷付けるなんて」
ちびこうじ「留美ちゃんは、そいつを庇うのか?」
ちびるみ「ここでは、ちびるみって呼んで」
ちびこうじ「じゃあ、ちびるみちゃんは、そいつを庇うのか?」
ちびるみ「だって、この人が死んだら続きが出ないじゃない」
ももも「そうだぞ。あ、でも君の出番ももう無いぞ。名前は出るけど」
ちびるみ「………」

     ゴキッ(骨の折れる音)

ももも「………」
ちびるみ「まあ、こんな作者ぐらい死んでもどうったことないわよね」
ちびこうじ「わかってくれたか!!」
ちびるみ「それはそうと、耕治…じゃなかった、ちびこうじくん」
ちびこうじ「なに?」
ちびるみ「あそこで私を止めた償いは、ちゃんとしてもらうからね」
ちびこうじ「あなたの望みならばなんなりと…って、柄じゃないな…」
ちびるみ「クスッ…そうね。全然似合わないわね」
ちびこうじ「ガ〜〜〜〜ン…」
ちびるみ「冗談よ、冗談」
ちびこうじ「………」
ちびるみ「ちびこうじくん?ちょっと、大丈夫?」
ちびこうじ「………」
ちびるみ「帰ってきてよ〜〜〜………」

     むくっ(起き上がる音ね)

ももも「あいつら…最後の最後で惚気ていきやがった……」