浩平無用!in 絆 <8> 投稿者: ももも
第六話    『男のロマンの敗北』
     <男子部屋>

     ガラ・・・

浩平「お〜・・・やっぱり全員起きてるな〜・・・」
男子生徒A「君か?こんな紙を置いていったのは」
     小さな紙を突き出す。
     
     『本日、貴君ラノ部屋ニ良キ物ヲ届ケル
       ○○時ニ全員起キテイルヨウニ・・・』

浩平「まぁな」
男子生徒B「で、良き物ってのはなんだ?」
浩平「まあ待て。その前に一つ聞きたいことが・・・」
男子生徒B「聞きたいこと?」
浩平「この中に里村 茜のファンは何人いる?」
     バッ!!
     男子生徒一同が手を挙げる。
浩平(全員かよ・・・おい・・・)
男子生徒A「で、それがなんだって言うんだ」
浩平「・・・ここに、茜の入浴シーンを撮った写真がある・・・」
男子生徒一同『・・・!?』
男子生徒A「マジかっ!?」
浩平「ああ」
男子生徒一同『おおっ!』
浩平「例えば・・・これだっ!!」
     ばっ!
     浩平の突き出す写真には、ポ〜っと湯に浸かっている茜の姿が・・・
男子生徒一同『おお〜っ!!』
浩平「次はこれだっ!!」
     ばっ!
     次に突き出した写真には、バスタオルを巻いた茜の姿が・・・
男子生徒一同『おおおおおお〜〜〜〜〜〜!!!』
浩平「さあ、他にもいろいろあるぞっ!一枚1000円でどうだ・・・って、あれ?」

     ゴソ    ゴソ

     男子生徒一同は布団に潜り込んでいる・・・
浩平「おい、どうしたんだ?一枚1000円が駄目なら500円でもいいぞ?」
男子生徒一同『ガァ〜〜〜・・・ゴォ〜〜〜・・・』
     男子生徒達は不自然ないびきをたて始める。
浩平「なんだ・・・?他にもキワドイやつとか色々合ったのに・・・」
茜「・・・他にも色々あるんですか」
浩平「っ!!?(ビクッ!!)」

     ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ・・・・・・

     音を立てて浩平の首がゆっくりと後ろを向く・・・
茜「・・・楽しそうな事をしていますね」
     ザザザザザザッ!!
     浩平は反対の壁際まであとずさる!
浩平「あ・・・茜・・・」
茜「・・・なんですか?」
     茜は壁際に座り込んでいる浩平を見下ろしている。
浩平(こ・・・恐ひ・・・)
     全身からオーラを立ち上らせた茜が、あのスローペースで話しているのだ。
     普通の人間なら当然の反応である。
     注>普通じゃない人には効かないの意。(浩平はとりあえず普通なんだね)
浩平「な・・・なんでここに・・・?」
茜「・・・詩子が教えてくれました」
浩平「何であいつが知って・・・」
茜「・・・落とし物には注意したほうがいいですよ」
     言って茜は一枚の写真を取り出す。
     そう。詩子が茜に見せていた例のヤツである。
浩平(しまった・・・!!)

     スッ・・・
     
     ゆっくりと茜が浩平に近づいて行く・・・
茜「・・・言い残すことはありますか?」
浩平「・・・茜・・・怒るとかわいい顔が台無しだぞ」
     浩平は、これで茜の怒りを静める自身はあった。
     しかし!!!

茜「・・・構いません」

浩平(ガ〜〜〜ン・・・まずい・・・これは本格的にまずい・・・)
     予定では・・・
          茜「・・・浩平(ポッ<赤面)」
     と、なるはずだったのだ。
茜「・・・では」
     茜は男子生徒一同を見回し・・・
男子生徒一同『っ!!(ビクッ!!)』
茜「・・・あなた達は写真を買わなかったので許してあげましょう」
     茜が微笑む。微笑んではいるが・・・
男子生徒一同『目・・・目が笑ってない・・・』
     茜は視線を浩平に戻す。
浩平「!!(ビクッ!!)」
茜「・・・浩平には話があります。詩子。澪さん」
詩子「は〜い」
澪『はいなの』

     ドタ  ドタ  ドタ!!
                       ガチャッ!

     二人が部屋に入ってくる。
浩平「お前らっ!!人を売っ、ムグッ・・・!!」
     詩子が浩平にさるぐつわをする。
茜「・・・連れていってください」
詩子&澪『了解!!!』
浩平「モガ!・・・モガ・・・!」

     ドタ  ドタ  ドタ・・・

茜「・・・では。失礼しました」

     スタ スタ スタ
                 ぱたん

男子生徒一同『た・・・助かった〜〜〜・・・』


     そして・・・

茜「・・・浩平、覚悟はいいですね?」
浩平「モガッ、モガッ!」<「許してくれ」と、言いたいらしい。
     茜は静かに首を横に振る・・・
茜「・・・嫌です」<おおっ!通じている・・・
浩平「モガッ!!モガッ!!」<命乞いをしている。
茜「・・・詩子、澪さん、押さえていてください」
詩子「痛くないからね〜」
澪『痛くないの』
     二人は浩平を押さえつける。
浩平「モガ〜〜〜〜〜ッ!!!」<「死にたくない〜〜〜!!!」と、言いたいらしい。
茜「・・・では」
     そんな浩平を無視して話は続けられる・・・
     ガチャッ
     茜は謎の機械を取り出す。
浩平「モガ〜〜〜っ!!!」<「嫌だ〜〜〜っ!!!」と、(以下略)
茜「・・・・・・」
     ジ・・・ジジ・・・
     茜は、無言で放電している機械を浩平に近づけていく・・・

浩平「モガ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!」

     東京の空に浩平の断末魔の叫びが響いていった・・・

  
                                                <続く>


ももも「ふい〜・・・やっと終わった〜・・・」
ちびみさき「身体、まだ完全に直ってないのに・・・」
ももも「大丈夫!一日休んだ!」
ちびみさき「インフルエンザって、三日休まないといけないんじゃ・・・」
ももも「熱は下がった!問題なし!」
ちびみさき「でも、咳とまらないんだよね?」
ももも「おう!」
ちびみさき「周りの人にうつったら大変だよ?」
ももも「はっはっは!先に君にうつるさ!」
ちびみさき「あっ!・・・じゃあ、逃げておくね」
     がちゃっ!  
             バタン
ももも「お、仮眠室に逃げたか。じゃ僕もそろそろ・・・」
      
     ・・・はやいね・・・

ももも「いったいどこから・・・?ま、いっか。おう。風邪を完治させないとな」

     ・・・じゃ、ばいば〜い・・・

ももも「アデュ〜」