七瀬さんの進め!オトメ大作戦!!(第2話) 投稿者: 将木我流
<前回のあらすじ>

オトメになるための修行をする決意をした七瀬さん。
そしてそれにつきあわされる事になった浩平。
果して二人の行く先は!?
…って、こんだけで説明がつくのか(^^;;

ところで…いきなりですがタイトル変更です(^^;;

Operation2『オトメの戦い!』


「修行、ねぇ…」
夜、浩平はベッドの上で両手を組んでそれを頭に敷いた体勢で見慣
れた天井を見上げていた。なんとなく受けたはいいが、本当に大丈
夫なのかはかなり不安である。
「ま、これも乗りかかった船か…英語の訳を手伝ったり、漢字テス
トで満点が取れるようにしたり、腹痛をまぎらわせたり…」
ふと、なんで俺は七瀬の手伝いをやってるんだろう、という疑問が
湧いて来た。が、今の浩平にはそれよりも心配な事があった。
それは…明日からの事である。一応俺なりには考えてみたが、果し
て七瀬は何と言うだろうか?まあ俺に『補佐をやれ』とか言ったん
だから、それなりの覚悟はしてもらわないと困るがな。

それよりも…
「…修行、かぁ」
再び浩平はぽつりとつぶやいた。
なんでそんな表現を七瀬は使ったのだろうか?
別に『特訓』とかでもいいだろうに。
なんか修行っていうとイメージがなぁ…
修行って言ったらさぁ…
修行って………

………………

「はぁ、はぁ、はぁ…」
七瀬がついに膝を落とした。
無理もない。もうすでに相当疲労しているのは俺でも分かった。
流れる汗を拭う七瀬。そして、竹刀を握っていた右手を地面につけ
て再び立ち上がる。
だが、立ち上がった時にぐらり、と身体が揺れた。
「七瀬!」
「…だ、大丈夫…ま、まだ負けたわけじゃないから…」
そんな身体で大丈夫なもんか!と言ってやりたかった。
でも、そんな忠告を七瀬が聞き入れるはずもない事も知っている。
再び竹刀を構える七瀬。肩を激しく上下しながら息をしている。
もう限界だ、そう思った。その時、そんな浩平の心中がわかったの
か、七瀬が言った。
「まだ終われないのよ…私は!
あいつに…あいつにだけは負けられないのよ…!」
…そう。
今の七瀬が立ち上がれるのも、ただその執念だけだった。
だが、相手は強い。それは七瀬の姿を見れば一目瞭然だ。
俺は七瀬をここまで苦しめる相手の姿を再び確認する…

「…って、みさき先輩じゃんか!」
「ふふふ、こんばんわだね。浩平くん」
なんと、そこにいたのは川名みさきだった。しかも浩平の姿を確認
して微笑んでいる。
だが…何かがおかしい。何かが…
「…って、先輩!なんで先輩の背中に羽根が!?」
そう、おかしいはずだ。
何故か制服姿の先輩の背中に白い羽根がついてるのだ!
…というか、今気付いたが、先輩の足は地面についていなかった…
「な、なんじゃそりゃああ!?」
「ふふっ、特殊能力だよ。特殊能力。この羽根綺麗でしょ?」
さらりとみさき先輩は言ってのけた。
特殊能力で片付けるか普通?まあ何だか神々しいのは認めるが…
「…も、もしかして羽根が生えたら体力が…」
「ストーップ!それ以上はオフレコだよ浩平くん」
「…じゃいいです」
みさきに忠告されて聞くのをやめた浩平だった。
「しかし…なんでよりにもよって先輩が敵なんだ?」
「しょうがないよ。話の都合ってやつだよ」
「作者にも困ったもんだな」

ほっとけ!

「…ま、それはいいとして…なんで先輩と七瀬が戦うんだ?」
「しょうがないよ、宿命だから」
「…なんだそりゃ?」
「そういう設定なんだよ」
「あ、そ……」
なんだか、これ以上聞いても無駄な気がしたのでやめた。
「そうよっ!」
そんなちょっとほのぼの系に成りかけていた雰囲気を一変させ
たのは七瀬だった。
「川名みさき!あんたを倒す為に…私は今まで修行を積んでき
たのよ…あなたを倒す為に!」
「ああ、そうなんだ。それはご苦労さま」
敵役だというのに相変わらずなみさきさんだった。
「でも私も敵だからね。容赦はできないよ?」
にこやかに、だがなかなか恐ろしい事をさらりと言うみさき。
するとみさきは右手でピストルの形(親指と人差指を垂直に伸
ばして残り3本の指を引っ込める)を作って七瀬と浩平の方に
向けた。そして、
「ばーん♪」

シュイン!!!

「………!!」
浩平は声が出なかった。
みさき先輩の人差指から細いレーザーらしきものが出て、それ
が七瀬の頬をかすめたのだ。
「な…なんでそんな事ができるんだ先輩!?」
「ふふふっ、特殊能力だよ、特殊能力」
だからそれで片付けないでくださいってば!
とはいえ、細かく説明されても理解出来る筈もないが…
「今わざと外したのは余裕?」
そんな浩平の考えを止めたのは七瀬の言葉だった。
しかも、その表情とセリフは極めてマジである。
どーしてこいつは疑問に思ってないのだろーか…??
「余裕?う〜ん、それに近いところはあるかな?だって…」
その時、みさきさんの表情が急激に変わった。
例えるならば、某◯ーフのVN第二弾の四姉妹の長女の『あなたを
殺します…』と言った時のような…(^^;;
「簡単に倒しちゃったら…面白くないからね」
そくっ、と背筋に寒気を覚えた。
いつものみさき先輩とは全然違う雰囲気だった。
その顔に浮かべる笑みは、どことなく冷たかった…
「ふっ…一応感謝の言葉を言っとかなければいけないかしら?
『その余裕が命取りになるわよ』…ってね」
「それくらいの予想はついてるよ。その上での余裕なのよ」
「…ならば、これでもその余裕が保てるかしらね!」
だんっ!と七瀬が地面を蹴り、一気にみさきとの間合いを詰める。
そしてその勢いのまま竹刀を横に振り胴を狙う。
「覚悟っ!」
「……甘いっ!」
竹刀が胴を当る直前にみさき先輩はすっ、と身体を後ろに引き、竹
刀は空を斬った。だが七瀬は残った勢いのまま突進し竹刀を上中下
段と振り続けた。
「うぉりゃりゃりゃりゃりゃりゃぁぁぁ!!」
七瀬の竹刀が激しいラッシュを浴びせるのだが、みさきはそれをす
べてかわしていた。
「ふふっ、いくら威力があっても当らなかったら意味がないよ」
「…言われなくとも!!」
さらに七瀬はラッシュを続ける。そして、かわし続けるみさき。
やばい、やばいぞ…ラッシュは体力の消耗が激しいからな…
そんな心配がよぎった浩平の目に入ってきたのは、竹刀を振る勢い
が弱まってきた七瀬の姿だった。
「くっ…!」
それでも精神力で持ち堪えようとする七瀬。だが、それまでの体力
消耗もあり、次第にスピードが落ちてくる。
その隙をみさきは見逃さなかった。中段斬りをかわすと右手をぐ
っ、と七瀬の身体に近づけた。
「!?」
「ふふっ、覚悟してね」
すると、みさきの右手に気のようなものが集まり、やがてそれがボ
ール状になり、そして…放たれた。

『我は放つ、輝く光球!』

ドンッ!!

やられた、と浩平は思った。だが、七瀬は浩平の予想に反してすん
での所で光球をかわした。しかしとっさの行動だったので次の行動
予定だった上段斬りの体勢が残っており、竹刀を持った右手を空に
向かって上げたままになっていた。しかも無茶な行動だったのでバ
ランスが崩れていた。
「…ふふっ、チャンス!」
こんな絶好の好機をみさきが見逃す訳がなかった。背中の羽根がは
ばたき、一気に七瀬との近接を試みる。
「七瀬っ!」
「…くっ!」
みさき先輩が迫ってくる事など七瀬には百も承知だ。だが、このま
までは確実にやられるのは間違いない…どうすれば…
…まてよ!?この体勢は…!

「七瀬!持ち堪えて、あれを撃て!!」
浩平のその声は七瀬の耳に届いていた。
持ち堪える?こんなバランス崩した状態でどうやって…
…そうか!そういうことね!
どうやら七瀬も浩平の意図がわかったようだ。

「覚悟!」
みさきが七瀬の目前に近付いてくる。七瀬の竹刀を握った右手はま
だ虚しく空に向かって突き上げられ…いや、違う!
「なっ、何っ!?」
「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
確かにバランスはまだ右半身が後ろの方に傾いたままだったが、そ
の身体はすでに七瀬の制御下にあった。七瀬は身体をぐん、と捻っ
て突き上げていた右手を地面に向けて一気に振り落とす!そして!
「シャァァァァイニング、ゲイザァァァァァァッッ!!!」

ドゴォォォォォォォォォォン!!

七瀬の拳が叩きつけた地面からまばゆいばかりの光がほとばしり、
その地面から吹き出したエネルギーが光の柱となり、七瀬に向かっ
て接敵していたみさきに直撃した!

「…ついに完成したか」
浩平がつぶやいた。
俺と七瀬がここで修行を初めて3か月(そうだったのか…)
しかもまだ未完成だったのだが、まさか実戦で成功させるとは…

「はぁ、はぁ、はぁ…」
七瀬ががくっ、と膝を地面につけた。
技が完成したのも嬉しかったが、それよりも疲れた。
だが…勝った。私は勝ったのだ。
宿敵・川名みさきの姿は土煙で確認できないが、あれをくらって大
丈夫なわけがない…それに、あれからしばらく時間が経ったが何の
反応もない…つまり、私は…

「『私が、勝った』…って、そう言いたいの?」
「…!?まさか!」
「ふふふ…」

土煙がわずかに晴れた。
そして、七瀬と浩平は確認した。川名みさきの姿を…
「ど…どうして…!?」
さすがに七瀬は驚きの色を隠せなかった。
いや、それは俺も同じ事なのだが…ん!?
「…ま、まさかバリア!?」
「えっ!?…あっ!」
「ふふっ、ご名答」
そう、今気付いた。みさき先輩の姿が微かに霞んでいたのだ。
そして、みさき先輩を取り囲むように何か大きなレンズのようなも
のが先輩の前に見えたのだ。
「さすがに危なそうだったからね。でも、私にこのバリアを張らせ
る人なんて滅多にいないから、喜んでいいよ」
「…くっ!」
ダメだ…俺はそう思った。
今までの厳しい修行は何だったんだ…
あんなに辛い修行を続けてきた七瀬の苦労はどうなる?
きっと、七瀬も絶望しただろうな…

…だが。
「…ふっ、ふふふふふ…」
浩平が見たのは、予想に反して不敵な笑みを浮かべる七瀬だった…
みさきの眉が僅かに動いた。
そして七瀬は立ち上がると、握っていた竹刀を投げ捨てた。
「なっ!?」
驚きの声を上げる浩平。そしてみさきが七瀬に問う。
「…どういうこと?降参?」
「まさか」
相変わらず七瀬は不敵な笑みを浮かべたままだった。そして…
「これだけはやりたくなかったけど…仕方ないわね。勝つには!」
「なっ…!?」
「なっ…!?」
浩平とみさきの声が見事にハモった。
まだ手があるのか!?そんなの知らないぞ俺は…!?
そんな浩平の驚きの向こうで、七瀬は両腕の脇を締めて構えた。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!…輝け!私の右手よ!!」
その声を合図に、七瀬の右手からまばゆい光が発せられた!
そして七瀬は右手をみさきに向け、一気に突進した!
「私のこの手がまぶしく輝く!あなたを倒せと輝きうなる!」
「な…何…!?」
今まで余裕の笑みを浮かべていたみさきの顔色が変わる。
「いくわよ!ひぃぃぃぃぃっさぁぁぁぁっ!!
ブリリアントォォォ、フィンガァァァァッ!!!」
「…!!間に合って!!」
七瀬の右手の動きに合わせるように、みさきは左手を七瀬の右手に
向けて構えた。そして…

バリバリバリ!!!

「なっ、なに!?」
七瀬の光輝く右手は再びみさき先輩が作り出したバリアによって防
がれていた。
だが…そのバリアも何かおかしかった。
さっき見たようなみさきの全身を包み込むようなバリアではなく、
みさきの左手と七瀬の右手の間に四方10cmぐらいの大きさしかな
かったのである。その空間だけが少し歪んで見えた。

「…そうか!そういうことか!!」
俺にはわかった。その奇怪な形のバリアの理由が。
先輩が張ったバリアというのは、恐らくさっきみさき先輩が放った
『気』のようなものなのだ。それを一点…七瀬の右手の周りに集中
させる事により、そこの部分だけ『気』の力を濃密にしてバリアの
強度を上げたのだろう…

「そんなの私にだってわかってるわよ」
「………あ、そ」
まあ定番のパターンだからな、これは…
てゆーか、こんな時だけ冷静にツッコむのはやめてくれ七瀬。
「ふふっ、正解だよ浩平くん」
飛び散るエネルギーの向こうでみさきが言った。
「一点に集中すればバリアは固くなる…単純だけど使える手だから
ね。さすがに私のバリアをすべて集中しなきゃいけないとは思わな
かったけどね…」
そんな事を言いつつも、みさきの表情には余裕すら見えた。
それにくらべて七瀬はと言うと、最後の必殺技をもみさき先輩のバ
リアを破る事は出来なかった。勝負は決した…かに見えた。
「さぁ〜て、どうする七瀬さん?最後の手段も封じられたあなたは
もう終わり…それとも、これ以上まだ悪あがきをするのかしら?」
みさき先輩も勝負は決した、と思ったようだ。
だが…俺は見逃さなかった。
俺は見たのだ。七瀬が、微かに微笑んだのを…

「ふっ、あなた…今、『私のバリアをすべて集中してる』って言っ
たわよね?」
「…それがどうしたのかしら?現にこうして私はあなたの最後の手
段を封じ込めているのよ…」
「最後の手段…?」
みさきの言葉に、七瀬の口元が微かに揺るんだ。
その七瀬の仕草に気付いたみさきは僅かに眉を動かした…すると、
「ふっ、川名みさき破れたり!
最後の手段ってのはね、本当に最後にしか出さないものなのよ!」
「なっ!?そ、それってどういう…!?」
「こういうことよ!!はぁぁぁぁぁぁっ!!」
その時、後ろに引いていた七瀬の左手がまばゆいばかりの光を発し
た!そして…
「ひっさぁつ!!ブリリアントォォ、フィンガァァァァ!!!!」
「なっ…まさか、両手!?」
その通りだった。七瀬の光輝く左手もみさき先輩めがけて突っ込ん
で来る!!
「………!!!」

バリバリバリッ!!

「なっ!!」
「く…くうううううぅぅぅぅ!!!」
七瀬の左手辺りからもエネルギーがスパークしていた。
その左手も、みさきのバリアによって防がれていた。
その七瀬の輝く左手を防いだのは…みさきの右手だった。
そう、みさきも張ったのだ。両手にバリアを。

「はぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
「くぅぅぅぅぅぅぅっっ!!!」
両者のエネルギーが激しくぶつかりあう。そして飛び散る膨大なエ
ネルギーは周りの地面にも影響を与えていた。土がまるで竜巻にで
も巻き上げられるかのように地面がら剥されてゆく…
すでに浩平は自分の身体を守るだけで精一杯だった。
二人の所には近付きたくても近付けなかった。
「……くっ!」
ぐらり、と七瀬の身体が揺れた。だがすぐに体勢を戻す。
無理もない。あれだけの傷を受けているのだ。そしてさらに必殺技
で相当な体力を消耗…いや、そんなレベルじゃない。すでに立って
る事すらも無理なはずだ。それなのに…
「……ああぁぁぁあ!!」
だが、きついのはみさき先輩も同じ事だ。すでにバリアを維持する
だけで精一杯のようだ。しかも相当に集中しないと七瀬に押し切ら
れるかもしれないようだった…

そう、これでは決め手がないのだ。
勝負が決する時…それは七瀬かみさき先輩、どちらかの集中力が切
れた時しかないのだ。
「くそ……」
そして。
俺は、ただそんな二人を見守るしか出来なかった…
何の力もない俺を、これほど悔やんだ事はなかった…

『そんな事ないよ』

ふと、俺の頭の中にそんな声が聞こえたような気がした。

『貴方がいてくれたから…私は頑張ってこれた…』

はっきりと聞こえた。この声は…七瀬!?
いや…でも、七瀬はみさき先輩と…!?
現に七瀬は俺の方を向いていないのに!?

「七瀬!?七瀬なのか!?」
『…お願い浩平。私の話を聞いてくれる?』
間違いない。この声は七瀬だ。
一体どんな方法を使ったのかはわからないが、七瀬であるのに間違
いない。この声を俺が間違える筈がないから…

『お願い…ここから逃げて』
「…えっ!?ど、どうして!?」
『今から私の残ったエネルギー全てを先輩にぶつけるわ。
でも、そうしたら膨大なエネルギーの衝突がこの辺り一体に多大な
影響を与えるわ。そうしたらあなたも巻き込まれる事に…』
「ちょっ、ちょっと待て!そしたらお前は…!?」
『………』
七瀬からの返事は無かった。
だが、それで浩平には七瀬の考えがわかった。
「馬鹿!やめろ!!七瀬、それだけはやめろ!!」
『…ごめんね浩平。私、わがままだから…』
「そんなの関係あるか!!お前のわがままなら何でも聞いてやる!
これからずっとお前のわがままを聞いてやる!
だから…だから、それだけはやめろ…!!」
『…ごめん。もう決めたんだ。これしか…倒す方法がないから…』
「そ、そんな…」
『だからこれが…私の最後のわがまま…』
「馬鹿野郎!そんなの…そんなの、認めねーぞ!俺は!!」

その時、七瀬の全身がまばゆいばかりに輝いた!
「なっ…なにを!?」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!」
七瀬の両手がさらに輝く!

「や…やめてくれよ!やめろ留美ぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!!」
『……初めて名前で呼んでくれたね、浩平…』
「えっ…!?」

そして、七瀬が最後の言葉を叫んだ。
「ブリリアントフィンガァァァァ!!スパァァク、エンドッ!!」
七瀬の叫びが合図となり、二人の周りに物凄い量の光の輝きが生ま
れた。そしてその光は瞬く間に膨張していく…

『さよなら…浩平。私の……………』
「留美ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」


カシャァァァァッ!!!

浩平の部屋のカーテンが勢いよく開かれた。そして、
「おはよう浩平。朝だよ〜」
「…え?あ、あれ??」
朝のまぶしい光が窓から差し込んでくる。
「…俺の部屋?」
起きるとそこはいつもの部屋だった、そしていつもの部屋にはいつ
ものように、いつも浩平を起こしにくる少女…長森瑞佳がいた。
「ほら!早く起きてよ!学校に遅れちゃうよ!」
「……あ、ああ」
ぼーっとしていた浩平は危うく瑞佳に尋ねそうになった。
『七瀬とみさき先輩はどうしたんだ!?』と。
だが、それを言おうとする前に気付いたので助かった。

…なんだ、そういうことか。ようやくわかったよ…
そ、それにしても…今考えればとんでもない話だったな。
何か自分もメチャ夢の世界に入り込んでたし…
それに…なんで、俺、七瀬のことを……
ああ!なんか思い出すだけでも恥ずかしいっ!!

「どうしたの浩平?なんか変だよ?」
「えっ!?あ、いや何でもない!なんでもないぞ!さ、さあ〜って
と着替えをするかなぁ〜!!」
と言ってベッドから飛び起きた浩平は勢いよくパジャマのスボンを
下ろした…よけいな布1枚付きで。

…その直後、少女の悲鳴が部屋に響いた事を報告しておこう。


"次回予告!"

おいおい!いきなりタイトル変えるなよな作者!
こーいう事がてめーの信頼度に関わってくるんだぞ!
何…?『今度はちゃんとした話にする』だと?
てめえ…今さら言っても遅いんじゃ!

…で、どうやら次回はようやく本編の続きらしい。
いや、これも一応本編なんだけどね…
というか、七瀬さんの修行が始まるわけです。
果して修行はうまくいくのでしょうか…無理っぽいけど(^^;;

というわけで、次回『七瀬さんの進め!オトメ大作戦!!』
Operation3『オトメの受難』に進めっ!七瀬さんっ!!


<しつこいようですが…>
諸処の事情により内容が予告と異なる場合がありますので、その点
につきましてはあらかじめご了承下さい(爆)
でも、まさかタイトルが変わるとは僕も思ってなかったです(^^;;

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どもども〜、将木我流です〜。
第2話、なんか予定と違う方向に…(^^;;

僕の予定だと第2話は、この夢の話と次の第3話のエピソードの2
つをまとめて一話分にするつもりだったのに…まさか夢の話だけで
一話分になるとは思いもしませんでした。ははは…(^^;;
おかしいなぁ、夢の部分はさらりと流す筈が気がつけば…むう。
てゆーか、人外な戦いをさせてしまったがいいんだろうか…?
ま、夢だからいっかな?(本当か?おい)

で、第3話ですが、『修行』が始まります。
でもでも、みなさんが期待(?)してるよーな『山籠り』とかじゃ
あないので、その点はご了承の程を(^^;;
#期待してた人、ごめんなさい。

とりあえず、今回も叱咤下さい。激励はついでに。

それと、感想は後程まとめて。
今度は感想SSにも挑戦してみようかな、などと思う我流でした。