他が為に鐘は鳴る(2) 投稿者: もうちゃん@(裏)
今回はちょっと明るめ ほのぼのしてるような無いような・・・でも暗いです(笑)
読んでいただければ幸いです。

でわ どうぞぉ〜〜
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ピピピピ・・・・・・!カチャン

「・・・まだ 浩平の事・・・忘れてなかった・・・」

私は額に少しばかり汗を感じている。
やっぱり寝るのは怖いよ・・・
忘れちゃいそうだよ・・・浩平

手のひらで汗を拭い取る。
そして 布団から起きる。

「お母さん おはよう」
「瑞佳 おはよう」

お母さんが作ってくれた御飯はもう並んでいた。
私は別に急がないで黙々と食べる。

「お母さん ごちそうさま」
「はい おそまつ様」

二階に上がろうとする私に声をかける。

「瑞佳・・・あなた最近元気ないんじゃないの?何かある前に言うのよ」
「大丈夫だよ 私はずっと笑顔だよ お母さん心配しないで」

そう 私は浩平が帰ってくるまで笑顔なんだよ。
浩平が帰ってくる時まで私はずっと笑顔だよ。
だから 心配しないでね お母さん。

着替えを済ませ家を出る。
そして浩平の家の玄関の前に立ち止まる。

『・・・・浩平・・・・・・・・・・』

合鍵を使って鍵を開ける。
カチャン・・・
ドアが静かに開く。

『・・・最近ずっとこんな事ばっかりしてる・・・』

浩平の寝ている『はず』の二階の寝室への階段をのぼる。
心臓がこの時だけはいっつもドキドキする。
不安と・・・・期待で
でも 案の定誰もいなかったけどね。

「今日もまた 浩平いなかった・・・」
「あ〜あ・・・早く帰ってきてくれないとすねちゃうもん・・・」

ベッドの上でゴロゴロしながら独り言を呟く。
由紀子さんは忙しいのか 全然掃除もできないみたい。
浩平がいなくなってから少しずつしか部屋がかたずいていない。
それは私にとっても救いだけどね。

カチカチカチ・・・

時計の音だけが聞こえる・・・
あれ 今何時?
針は見事に浩平がいた頃と変わらない所を刺していた

「きゃぁぁぁ〜〜〜!!遅刻しちゃうよぉぉぉ〜〜〜!!」

私はいそいでカバンを取り階段を早足で降りる。
ドアに鍵をかけ、急いで商店街通りを駆け抜ける。

「え〜ん!せっかく早起きしたのに〜!浩平のばか〜〜」

まだ 浩平の事が鮮明に浮かぶ。
ちょっと安心した。
ちょうど 曲がり角の所で誰かとぶつかる。

「キャ!」

ズデ〜ン!!
顔から倒れこんじゃってる・・・
とっても痛そうだよ・・・
だっ大丈夫かなぁ?

「うう・・・朝から誰よ・・・膝蹴りいれたのは・・・」
「だっ大丈夫ですか?」
「もういや!!最近 こんなことばっかりだわぁ!!」
「あっ七瀬さん おはよぉ〜」
「おはよ〜瑞佳」

七瀬さんの顔が「んっ?」って顔してる。

「!!って瑞佳が膝蹴りいれたの?」
「えっと・・・うんと・・・うん・・・ごめんね 七瀬さん」
「もういいわ 今は学校に行くのが先決よ!」

ビシッと学校の方面を指差す七瀬さん。
ちょっとかっこいいかも・・・

「さあ 行くわよ!瑞佳・・・・うっ」
「どうしたの?七瀬さん」
「さっきの膝蹴りがとてつもなく効いてるわ」

七瀬さん・・・さりげないセリフの中にかなりのイヤミがきいてるだもん。

「じゃっじゃあ 裏山使おうか?」
「そうね・・・ぐっ・・・やはりダメージが・・・」

七瀬さん まだいうの?ひどいもん!!
というか 本当に苦しそう。
みぞおちに入っちゃったのかな?

私たちは(2人だけど)無事に裏山のフェンスまで到着した。

「うっここに来るとフェンスに顔をめり込ませた事を思い出すわ」
「そういえばそうだよね〜」

七瀬さん・・・浩平の事を思い出してくれるかな?

「でも だれだったかしら?瑞佳だったっけ?」
「・・・・・・・・・七瀬さん 早く行かなきゃ遅刻しちゃうよ」
「それもそうね」

私たちは学校の下駄箱まで走る途中でチャイムが聞こえた。
そのチャイムはなんだか鐘の音みたいに聞こえた。

「おはよ〜 瑞佳〜 今日もだよだよ言ってる?」
「もう 佐織 私そんなにだよだよ言ってないもん」
「あらあら 今日はもんもん言ってるのね」

う〜佐織も浩平と同じ事言ってる。

「まぁ それは置いておいて今日の数学の宿題終わってる?」
「うん 一応やって・・・あ!!」
「瑞佳?ノートでも忘れちゃったの」

まずいよ・・・浩平からの人形慌ててて浩平の部屋に置きっぱなしだよ・・・
次の休み時間に取りに行こう。

「ううん なんでもない はいノート」
「そうならいいけど・・・」
「ほら 先生が来たよ」

そんな事で一時限目が始まる。
なんだか 落ち着かない。
時計が進まない感じがする。

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン・・・♪

「みずか〜 ノートありがとうね」
「・・・ちょっとごめんね 遅れたら先生に言っといて」
「えっどういう事 ちょっと待ってよ みずか!!」
「・・・最近 瑞佳変だよ どうしちゃったの?」

私はそのまま教室を出て浩平の家に向かう。
途中 人の目が気になったけど構わず進む。

「はぁ・・・はぁ・・・浩平」

家の鍵を開けて二階へ走る。
布団の上にチョコンと人形が置いてあった。

「良かった・・・浩平」

窓からの光が私に降り注ぐ。
ポカポカしてて暖かい。
私が浩平と最後に又会う 約束をした時のように・・・

鐘の音が頭の中で響く。

から〜ん・・から〜ん・・・・♪

「お姉ちゃん こんにちわ」
「あっ・・・こんにちわ・・・えっと誰?」
「やっぱり覚えてなかったね 私はみさおだよ」

みさお?どっかで聞いた事有るような・・・

「お姉ちゃんが忘れたくない人の事も知ってるよ 私」
「えっほんとなの!」
「うん だってその人私のお兄ちゃんだもん」

お兄ちゃん?・・・って事は妹さん?

「じゃあ 浩平の妹さんなの?」
「うん そうだよ お姉ちゃん」

かわいらしい笑顔で答える。

「お姉ちゃんはお兄ちゃんの事が好きなんでしょ?」
「えっえっえっえっ!!!そっそれは・・・」
「お兄ちゃんもお姉ちゃんの事が好きみたいなの」
「だからね このままだとお兄ちゃんが私の元からはなれちゃうんだ」

離れるってどういう事だろ?

「だから みさお考えたんだ どうすればお兄ちゃん私の所にずっといてくれるかって」
「・・・お姉ちゃん、だから みさおとお兄ちゃんの為にいなくなってね」
「えっどういう事?『いなくなってね』ってどういう事なの?」
「それじゃあね お姉ちゃん もうすぐ鐘の音は止まるよ あはははは」

から〜ん・・・から〜ん〜・・・・・・♪


・・・・・ん?
寝ちゃってたのかな?
何かを見てた気もするけどなんだったんだろう。

「早く学校に戻らなくちゃって今何時だろう?」

時計を見てみるともう三時限目に入る寸前だった。

「きゃ〜〜!!二時間目さぼっちゃったよ!!」

私は急いで家を出てまたかぎをかける。
今度は人形も忘れずに持ってるもん。

『・・・佐織なんて言ってごまかしてくれたんだろう?』

なんて思いながら胸にしっかりと人形を抱いて走り出す。

・・・・・・・

なんとか間に合ったみたい

「おかえり〜瑞佳」
「はぁ・・・はぁ ただいまぁ〜佐織」
「人形取りに行ってたんだ 誰からもらったの?」
「えっとね・・・佐織も知ってた人だよ・・・」
「ふぅ〜ん 今度私にも紹介してね」
「うん わかったよ」

・・・・・・・お昼休み
お弁当箱を開くと佐織が隣に来た。

「ねぇねぇ 瑞佳一緒に食べよ」
「うん いいよ」

他愛も無い会話が続く。

「所で・・・二時間目なんて言ってくれたの?」
「ああ あれね『私は一日に牛乳パック10本は飲まないと気が済まないんだもん だから今から飲んでくるんだもん 邪魔する人は牛乳漬けにしちゃうもん』ってな具合かな」
「ええ〜〜!!ホントにそう言っちゃったの!!?」
「冗談に決まってるでしょ。髭さんだったから別に平気だったと思うよ」
「うん それならだいじょうかも」
「それにしても瑞佳ってなんでも真に受けるよね からかい易いわ」
「もう 佐織ひどいよぉ〜〜」

こんなお昼休みを過ごしたの。

・・・・・放課後

「それじゃ 佐織またね〜〜!」
「うん また明日ね 瑞佳」

今日は久しぶりに部活がなかったんだよ。

「・・・ふぅ・・・もう 待つのに疲れてきちゃったよ・・・こうへ・・・」

一回 目をつむってから改めて開けてみると目の前に大きな鐘があった。

「えっえっえっ?ここ・・・どこ?」

小さな女の子がこちらを向いて笑っていた。

「あははは お姉ちゃん・・・もう時間だよ」

がら〜んがら〜んがら〜ん〜〜♪


鐘の音は激しくその音をたてている。

彼女に残されている時間は・・・残りわずか。
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私(裏)「デンジャーゾーン まさしく死ねと言ってるような作品に出来あがりぃ〜」
浩平「俺・・・また出番無し」
私(裏)「お前さんは出番がないとツッコミにも気合がないの〜」
浩平「んじゃ 言わせてもらおう 瑞佳はこのままだと死ぬんじゃないのか?」
私(裏)「んあ?大丈夫だ これは君のハッピーエンド後だぞ」
浩平「最後のセリフもなんだよ『残りわずか』ってタイムリミットありかい!」
私(裏)「大丈夫だよ 最終回は君の出番あるし(予定)死ぬ事はないって」
浩平「だからってなぁ〜〜」
私(裏)「ほほぉ〜(キラン)君はそんなに長森君の事が気になるのか はは〜ん」
浩平「ちっちがう!!それは!!」
私(裏)「それにしても 途中少し明るくなってぼかぁ〜幸せだよ〜」
浩平「七瀬なんか一発ボケキャラだし」
私(裏)「あははは しまったぁぁ!!・・・まぁ いいか それでは次回で! 見ていただければ幸いです」
浩平「とうとう 最終回 俺の出番も・・・ふふふ」
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