始まりはいつも最終章 Vol.1a 投稿者: 瑞希 龍星
「私の前を塞ぐとは良い度胸ね…消えてから後悔しても遅いわよっ!!」

 横に構えた竹刀から、異様なまでの殺気が立ち上っているのが感じられる。七瀬は静かに目を閉じると
素早い動作で振り抜く。

「風守の太刀 参型 瞬走の舞!!」

 竹刀の切っ先から生じた衝撃波が、まるで生き物のように、かつまるで互いを牽制し合うかのように凄
まじい勢いで対立していた者達を薙ぎ倒していく。当たった瞬間に木の葉が舞うかのようにきりもみしな
がら、地面に叩き付けられる。

「七瀬!やりすぎじゃないのか?こいつらはただ踊らされているだけだろ!!」
「なぁに言ってんのよ、折原!このままじゃ時間が来てしまうだけじゃないの!そうしたら、
もうどう足掻いても遅いのよ?」
「浩平…七瀬さんの言う通りだよ。確かに踊らされているだけかもしれないよ。だったらその
根元を倒してしまった方が早いよ。」
「……」

 ポンポン

『早くみんなを解放するの。そうすれば元の世界にみんなで帰れるの。』
「澪……。そうだな、先を急ぐためには仕方ないか………くっ…」
「浩平君……」
「さぁ、まだ先は長いのよ!今の攻撃で私はしばらく休まないと力が出せないわ。折原!辛気
くさい顔してないで、先頭を頼んだわよ!」
「あぁ……」

 意を決したように浩平は壁に拳を叩き付ける。いきなりの行動に戸惑いつつ流れ出る血を拭
おうとする瑞佳を手で制止しながら、先を睨み付ける。

「俺の後ろにみさき先輩と長森。その後ろに七瀬を中心として澪と椎名。しんがりは……」
「……分かりました……」
「頼んだぞ。」
「…はい…」

 鉄壁の布陣を組みながら、なおかつ細心の注意を払いつつ浩平達は奥へと進んでいく。素通りできるわ
けでもなく、途中やはり敵に遭遇したものの、それは全て浩平達の見覚えのある者達ばかりであった。そ
の度に浩平は胸を痛めていった。

(俺のせいだ……俺があんな馬鹿なことを思いつかなければ今頃は…)

 そして、彼の後に続く彼女たちはその姿に彼の本性を嫌と言うほど見せつけられていた。

「ひ、氷上…シュン……」
「やぁ、君たちもよくここまで来られたね……」
「ち、ちょっと!どうしてあんたがここにいるわけ!?」

 敵地の中程辺りまで進んだ時に、急に周りに誰も現れなくなった。浩平達が不審に思っていたとき、一
人の少年が彼らの前に現れた。その人物を確認すると浩平は思わず声を出した。それは、彼の二つ後ろに
待機していた留美も同様である。

「君たちには申し訳ないけど、これ以上進ませるわけにはいかないんだ……分かってくれると
は思わないけどね。」
「どうしたっていうんだ……氷上…お前は俺達の仲間じゃなかったのか……」
「最初はね、君たちのその想いに答えてあげようと思って力を貸してあげたんだけど、これ以
上、僕は君たちを野放しには出来ないんだ…」
「じゃぁ、どうして私たちにこの力を与えたの!?」
「それは……それは、君たちの奥に潜む何かに期待していたからだよ…でも、もういいから。
君たちは……僕が直接倒してあげるよ!
  暗黒の國を食い尽くす餓鬼共 我が啼き時にその刃を解放せよ……懺夢斥霊!!」

 いきなり地上が盛り上がったかと思うと、この世のものと思えない者が浩平達に向かって突進する。咄嗟
に左右に別れるが、その時にどうしても片方に力が偏ってしまい、残りの方は当然弱くなってしまう。ちょ
うど、今は七瀬、澪、繭側の方である。餓鬼達は一斉に3人を襲おうとした。その時、繭は突然に右の手を
天に向けて祈った。

続く(?)
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ども瑞希です
何か知らないけど、続いてしまうようで (−−;;
前回はかなり適当に書いてしまったので、
今回は更にそれを上回るようにしたかったんですけどね……
ちなみにこの物語は突然始まってます
最初の方誰か書いて…(笑)

感想
>火消しの風さん
 氷上シュンって結構とぼけてますね
こんな友人が一人くらいは欲しいかも(^^)

>藤井勇気さん
 茜って結構厳しいキャラに思えますよね
このSSって彼女のその一面が出てるような気がします

>偽善者Zさん
 しめさばって美味しいんですか?一度くらいは口にし
ているかもしれないけど、意識したこと無いので (^^;;
 すしはウニが大好物でっす!関係ないけどぉ (;_;)

済みませ〜んこの方々以前のSSは今から読みに行きます(−−;;
でわでわ

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