『茜っち』暴走!!!(笑) 投稿者: まてつや
大人気商品『茜っち』は
今や、ひとつのメディアと化していた。

携帯型はもちろんのこと、
TVゲーム、マンガ、アニメ、CD……などエトセトラ

一家に一台、茜っちの時代がやってきていた。




ここは茜っちを制作した会社……番台(バンダイ)
ここで、次なる茜っちのプロジェクトが計画されていた。
それは、あるアミューズメントパークで
バーチャルリアリティを駆使した、茜っちのイベントであった。

いずれは、TVを通して、この世界を全ての家庭に体験させることが
住井チーフの野望であった。


『チーフ、た……大変です。例の茜っちのデータが……暴走し……うわぁぁぁああ……』

「ど……どうしたんだ?」
突然入ってきた、緊急報告に住井チーフは思索を邪魔された。

『こ……今度の、イベント用の、茜っちのうち2台が……暴走して……、うっ……』

「ど、どうしたんだ。高瀬くん……」

しかし、高瀬の返事はすでになかった……

「高瀬……女房思いのいいやつだった……」




すぐに緊急会議が開かれた。
「被害の状況は?」
「新作の渡り鳥茜っちと、真の茜っちのデータが暴走しています」
「あの空間でテストプレイしていた者の、意識が戻りません」
「あの2つのデータは大変強力です。早急に手を打たないと……」
「あの世界のプロテクトを『彼女ら』が解くのにかかる時間は34時間ほどと予想されます」
「プロテクトが解かれて、こっちの世界に現実となって彼女らが現れたら……人類は……」
「打開策は?」
「検討中です」
「時間がないんだ、なんでもいいが、可能性があるアイデアを……」
「新たなプロテクトを……」
「大して引き伸ばせない……」
「内部に潜入して、暴走したデータを破壊するしかない……」
「一体誰が?」
「我々よりも、茜っちに詳しいユーザーを探すんだ」
「ユーザー登録カードをマシンに通して検討しろ!」
「時間がない、絞るレベルは高くするんだ」
「了解」
……………………
…………………………………………
………………………………………………………………





19時間経過……

暴走した茜っちたちを止めるべく、
選び出された戦死(違う)が2人……
真の茜っちを育てた唯一の女性・鹿沼葉子、
そして、茜っちが拒否反応を起こすほど相性が悪い男・沢口南、
この2人が未来をかけて、茜っちと戦う。



「と言うわけで、君たちに世界の未来がかかっているんだ」
いきなり黒い服の男たちにつれてこられた南は混乱していた。
「何が、というわけ。なんですか?」
「時間がないからそれで理解してくれ」
無茶苦茶だった。
「とにかく対策レポートを作成しました、目を通して……」
「嫌です」
南の隣には、同じくつれてこられた金髪の女性が座っていた。
「わたしから、全てを話そう」
住井チーフは2人(というか葉子さん)を説得するのに、四苦八苦した……




24時間経過……

「……これから2人には、我々が作り上げたバーチャル空間に旅立ってもらう。
 普通なら何の問題もないのだが、今は彼女らのおかげでどんな状況なのか
 はっきり言って、良くはわからない。
 君らのミッションは、10時間以内に茜っちのデータを破壊することだ」
「はい」
と南。
「……わかりました」
と葉子。




視界が白い……そう思ったのは一瞬のことで、目の前に世界が広がっていた。
「葉子さん?」
南は、パートナーの名を呼ぶ。
「……無事に着いたみたいですね」

そんなふたりの耳に、音が聞こえてきた……


ポロンッ……


「!?」
葉子は顔色を変える。
「どうしたんですか?」
「……この音色は、渡り鳥茜っちです……」
茜っちマスターの称号を持っている葉子さんの知識は伊達ではない。
一方、南くんは何度やっても茜っちをうまく育てられないので
渡り鳥茜っちを見たことはなかった。

「相手の心の奥に秘められた想いを読み……
 『わかります』と言って、相手を追い詰め再起不能にする……
 恐ろしい能力の茜っちです」

白いギターを持ったシルエットがゆっくりと現れた……

「……わかりました、ここは俺に任せてください」
「……南。危険です」

しかし南は自ら渡り鳥茜っちに近づく。

ポロンッ……

渡り鳥茜っちの不思議な音色が辺りに響く。
それだけで、助けに入ろうとした葉子は……動けなくなった。

「!」

南は、どうなったのか?

「わかりません……、あなたのことなんか理解したくもありません……」
「へ?」
渡り鳥茜っちがはじめて、理解するのを拒否した……


ぼぅぅん!!


音を立てて、渡り鳥茜っちは壊れる……

「やりました。すごいです、南」
「え……っと、喜んでいいのかな?」
南の心は複雑だった……
渡り鳥茜っちにも拒否される南くんであった……


『2人とも聞こえるか?』
住井チーフの声だ。
『非常にまずいことになった……真の茜っちが、他の茜っちたちも暴走させてしまった』
残る時間は……7時間。
『とにかくまず、真の茜っちを破壊して、それから他の茜っちも破壊するんだ、頼む』



「真の茜っちは、わたしに任せてください」
葉子さんはあらゆる知識と『力』を使い真の茜っちを破壊した。


それから、つっこみ茜っちなど全部で72体の茜っちを2人は全て破壊した。


南は、戦う彼女を見ていた……
美しかった。

いっしょに生死をともに、戦いぬいた2人……
そんな2人に特別な感情が……

「よ……葉子さん」
「……南」

見詰め合う2人。

南は、ある意味、茜以上に葉子を意識していた……

「俺……葉子さんのことが……好きだ」

そんな感情が2人に生まれる……

「嫌です」(即答)

……のはたやすいことではなかったらしい(涙)


(おひまい)



☆あとがき☆
……というわけで、約3ヶ月ぶりの「茜っち」続編でございます。
ちなみに第3弾はありませんのであしからず(ぉ)

「茜っち」ってなんじゃらほい?
と思った方は、りーふ図書館収録の『茜っち」誕生!!!(爆)をお読みください。
読んだところで、わけがわからないのはかわりません(自爆)

さて、今回の話は細かい設定は『適当』に考えたんで
『気にしないで』ください、ギャグですから、マジにとらないで

あと、雫さんに「渡り鳥茜」の使用許可はいただいておりますです、はい。

つまんないのは、一応、承知済み、ゴメンね。
最近、ネタ切れ&文章能力なしのわたしの作品なんてこんなもんです。

では、また今度はGTO5で会いましょう〜〜