校長室……校長の部屋である。
この学校の校長である髭は、ここである男が来るのを待っていた。
コンコン……
「折原です。入ります」
ノックの音と男の声を聞くと髭は顔を上げ、ドアが開かれるのを確認した。
入ってきたのは、まだ若い男だった。まだ20歳をこえて間もない年齢だろう。
「何のご用でしょうか、渡辺校長?」
「んあ〜〜、君を呼んだのは他でもない……今度、君が持つクラスのことでだ」
そう言うと、渡辺校長……髭は椅子から腰を上げる。
「んあ〜〜、君の今度受け持つクラスには……いろいろ問題のある生徒が多くてね」
クラスを受け持つ……ということは入ってきた男も教師の1人だろう。
「んあ〜〜、我々の力さえあれば、彼らを押さえつけることはできても、
問題を理解し解決することはできないんだよ……
君がここに呼ばれたのは……わかっているね?
彼らを救ってあげるには……君の力が必要なんだよ。折原くん」
「わかっています」
折原と呼ばれた教師は、真顔で即答した。
「俺にまかせてください、校長!
俺の狂育でヤツらをまとめてみせます……ONE狂師として!!」
びし!と折原教師はばっちりキメたつもりだった。
「字が違うんだが……」
髭校長の不安はさらに悪化したようだった。
「こ……浩平〜〜〜」
折原教師は呼ばれてふと立ち止まった。
「おう、長森か……」
浩平に声をかけてきたのは、同期の新米教師……長森瑞佳だった。
「校長室に呼ばれてたけど、何かしでかしたの〜〜?
ああ、もう。昔から浩平はすぐに誰もしないようなヘンなこととかするんだもん。
ああ、今回は何をしたんだよ〜〜。わたしもいっしょに謝りに行くよ〜〜」
「あのなぁ、長森」
浩平は静かに息を吐き、瑞佳を見返す。
「別に何もしてないから安心しろ」
「何もしてないはずないよ〜〜、だって浩平だもん!!」
浩平は眉を吊り上げ、もう1度言う。
「何もしてないって……、俺をなんだと思ってんだよ」
「はぁ……、あとで校長の好物包んで持っていくんだよ……それから……」
「人の話を聞けぇ〜〜〜〜〜〜!!」
「ねえ、真希?」
「何……ななぴ〜?」
「聞いた? 今日来る、新任教師の話」
「はん……どんな教師がこようとあたしたちを止めることなんてできないさ」
話を交わしている2人の少女は浩平が受け持つ予定のクラスの生徒だった。
七瀬留美に、広瀬真希である。
「あたしは教師なんてもんは、5年前に信じないって決めたんだ」
「真希……」
留美と広瀬はいつも2人で行動することが多い、女子のリーダー格だった。
「わたしは……いつでも真希の味方だからね……」
「里村さ〜〜ん、今日来るってうわさの教師の話知ってる?」
南は、長い髪とはかなげな瞳が印象的な少女……里村茜に声をかけた。
「……知りません」
窓の外を見たまま、振り返りもせずに冷たく少女は返す。
「ぐっ……あの、里村さん。今年のクラスは教師の変更が多いよね」
南は懲りずに茜に声をかける。
「……それで?」
「う……」
里村はただ雨の降る外を眺めていた……
(続く)
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あとがき
ぐあ……なんか不調です。
書きながらあんまおもしろくないし。
分量も速度も全てがうまくいってないです〜〜。
予定より短い話になりそうだな〜〜〜〜
ホントは全構成、とても長くなる予定だったけど、ネタと気力が足りない。
ふぅぅぅ、なんとか調子取り戻さないと(汗)