繭とサラダ♪ 投稿者: まてつや
「みゅ〜〜〜、おか〜さん……」
繭の声は今にも消え入りそうなほど弱々しい。
「心配しなくても、いいのよ。ちょっと横になってれば……これくらい」
華穂は、ベッドで顔を赤くして転がったいた。
「ただの風邪なんだからこれくらい……」

ピピピピッ!

と体温計のタイマーが鳴る。
「大丈夫なん……」
そこまで言って、華穂は凍りついた。
体温計の数字は間違えなく40.3度を指していたからだ。
「あああ……」
今までの努力が無になるほどあっけなく、華穂は繭の前で強がるのをやめた。
「繭、悪いけど。おかあさん熱があるから、寝かせてね」
「みゅぅぅぅぅ……」
悲しそうに繭がうめいたが、華穂の意識はすでになくなっていた……




「『サラダで元気』っていう、国語の教科書にあった話知ってますか? 面白い話で話の登場人物の好きなものをどんどん入れて病気のおかあさんに食べさせるっていう……」
何気なくつけていたTVから、流れた言葉に繭は反応した。
「僕も小さいころ、本当にサラダを作ってしまったことがあるんですよ」
TVのゲストがそう言うのを聞いた繭は、すぐさま家を飛び出した。




浩平は茜といっしょに校庭で昼食を食べていた。
「うまい! 今日のジャムパンは、ふくよかな中にもなんとも言えない味わいが……広がって……」
「みゅ〜〜〜、ジャムパン」
「おわっ!? 繭!?」
繭はジャムパン、と可愛い字でメモをとる。
「みゅ、好きなもの教えて」
繭は茜のほうに向き直って、笑顔で言う。
「……山葉堂のワッフル、練乳とハチミツのがおいしいです」
「みゅ〜〜〜、ありがと〜〜〜☆」
そういうと繭は脱兎のごとく、その場から走り去った。
「なんだったんだ?」
「……さあ?」




「みゅ〜〜〜〜」
「あ、繭。今日は何しに来たの?」
瑞佳が繭の来訪を笑顔で応える。
「みゅ、好きな食べ物教えて」
「え……、そうだね〜〜、パタポ屋のクレープとかよく浩平と食べに行くの好きだったなぁ」
繭がうれしそうにメモる。
「みゅ、ありがと〜〜〜〜」
とお礼を言っている間に繭は次の標的を見つけた。
「みゅ〜〜〜〜〜〜♪」

がしがしっ! ぐいぐいっ!

「ぎゃ〜〜〜、痛ぁ〜〜〜〜〜」
留美の絶叫が教室内に響き渡る。
「く……繭、あんたねぇ」
「みゅ〜のおねえちゃん。好きな食べ物教えて」
ひまわりのような笑顔で繭がそう言うと、留美は文句を言えなくなってしまう。
「う、うん。キムチ……とか、わたしにとって思い出の食べ物だし……」
「みゅ〜♪」
留美の好みをメモると繭は疾風のように去って行った。
「なんだったかな?」
「はぁ……髪型変えようかなぁ……」




「え、好きな食べ物?」
聞き返したのは、みさきだった。
「うん」
繭がうなづく。
「どうして、そんなこと聞くの?」
「みゅ〜〜、おかあさんが……」

繭はみさきに事情を説明した。
「おかあさんのためにサラダを作ってるんだね」
「うん」
「わたしの好きなものじゃなくてさ、繭ちゃんの好きなものを入れてみたらどうかな?」
「ふえっ?」
「その方が、おかあさんも喜んでくれるんじゃないかな?」
「……うん」
そういうと、繭はハヤテのようにその場から消え去った。
「いなくなっちゃったのかな? なんとなくだけど」




「みゅ〜♪」
ついに繭のスペシャルサラダが完成した!
繭は意気揚々、鼻高々、元気満万でスキップしながら、華穂の寝室へ向かう。
「おかあさん」

「うん? 繭、どうかしたの?」
華穂の顔はさっきよりは少し良くなっているようだった。
「おかあさんが元気になるように、サラダを作ったもぅん」
「まあ、ありがとうね、繭」
華穂は精一杯の笑顔を作る。

しかし、繭が作った特製サラダを見た瞬間、その笑顔も凍りつき、
繭の笑顔の前に、逃げ場もなくテリヤキ味のサラダを食べる羽目になるのだ……




最後に……華穂さんの病状が悪化したことを記しておく(合掌)

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どうも〜。約1ヶ月ぶりのまてつやですぅ。
葉子「もう、誰も覚えてませんね。きっと」

ざくぅぅぅぅ!

ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ……
葉子「息が荒いですよ、まてつや」
え、き……気のせいさ、葉子さん。

いやまあ、久しぶりです。
冬休みも今日で終わりなんで、なんとか書いてみました。
いや〜〜、なにかと忙しくて……
葉子「チャットする時間はあるのにですか?」

かはぁぁっ!!(吐血)

葉子「メールの返信もしてませんね」

ごふぅぅ……!!(さらに吐血)

い……今から、メール書くよ(多分)

ところで、わたしも吉田さんのHPで開かれているあとがきヒロイン大戦に参戦させてもらいますぅ。
葉子「誰がですか?」
何を言ってるんですか、茜っちマスターの葉子さんが出るに決まってるじゃないですか(はあと)
つっこみ茜ちゃんに対抗するには、葉子さんくらいしかいませんよぉ。
葉子「茜っちマスター??」
茜っちを知り尽くした葉子さんなら、つっこみ茜ちゃんに勝てるはずだ!!
葉子「国民的人気が違いますが」
え〜〜い。とにかく参加決定なの!!(をい)

それではまた、できるだけ近いうちに……

葉子「いつもそんなこと言ってませんか?」(ぼそ)

ざくぅぅぅぅぅぅ……