ついに包帯をとる日がやってきた。
怖いんだよ……、目を開けるのが……
覚悟なんて……してもしたりないんだよ……
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「みさきが考えた結末の方がおもしろかったよね、あのドラマ」
友だちの何気ない言葉……それが、わたしに生きてゆく気を与えた言葉。
誰かの歌にあったな……
『いつも悲劇は喜劇に似ている、笑い飛ばしちゃえ』
そう、笑い飛ばしてしまえばいい。
つまらないドラマの結末も……
見えなくなった自分の瞳も……
そんなことで悩んでいた自分も……笑いとばしてしまえば……
から元気、からまわり、つらくないよ。
明るく、元気に……同情なんていらないよ。
わたしが欲しいのは……『普通』なんだから……
本当はつらいよ。
わたしが『普通』を求めれば求めるほど……『普通』からは離れてゆく……。
みんなと同じように笑いたいよ。
みんなと同じように動きたいよ。
大好きな人の顔がみたいよ。
自分の娘の顔がみたいよ。
今まで世話になった人たちの顔がみたいよ。
本当はすごく……、すごく……怖いんだよ……。
ハンデを背負って生きている人たちは、それを補おうとがんばって生きているよ。
わたしだって、澪ちゃんだって……そういう風に生きてるよ。
でもね、本当はすごく……苦しいんだよ……。
みさきは強いね……
澪ちゃんはすごいね……
そんなことないよ……本当はすごく弱いんだよ……。
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「大丈夫……だから」
わたしの心の中を読んだのかのように、彼が優しく手を握る。
「わたしたちがついてるから……」
雪ちゃんが、そっとわたしの手に触れる。
「おかーさん、だいじょぶだよ」
娘の無邪気な声。小さくて、でもあたたかい手。
ありがとう……、ありが……とう……み……んな……
わたしはゆっくり目を開けた……。
……何も見えなかった……
彼の顔も、雪ちゃんの顔も……、娘の顔も……
涙でにじんで……目の前に……何も……見えなかった……
涙があふれてとまらない……
あまりにも……うれしくて、言葉がでないよ……
そのまま3人に抱きついた……
見えるよ……
娘の姿が……友人の姿が……大好きな人の姿が……
エピローグ
わたしは……幸せだ……
わたしは夫や、友、娘のおかげで光を取り戻すことができた……
けどね……、世の中にはまだまだ体に障害を負った人がたくさんいるんだよ。
わたしは、そんな人たちの力になってあげたいよ。
少しでも……みんなに『普通』を感じて欲しいよ……
なんにもたいしたことじゃないよ。
自分のできる範囲で……手をさしのべてあげればいいんだよ。
ほら……、あなたの身のまわりにも……。
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あとがき
ついに……、完結しました。
みなさんに意見まで求めた『〜光と闇〜』。
なんだかみさきが暗いキャラになってしまいましたが
表面上は明るくても心の中ではこんな感じでは……?
(もちろん、文句がある人は書いてくれてオーケーです)
ちなみに本文で引用している歌詞は
リンドバーグの『上を向いていたほうがいい』からです。
むちゃくちゃ、わたしの趣味ですな。
この結末や話の感想を待ってるんで、がんがん書いてください、お願いします。
感想
スライムさん Moonな日々−U−(前編)
やっぱり茜は葉子さん。むちゃくちゃ笑えました。
偽善者Z さん 吾が輩はハムスターである6
茜と……浩平の子供……(想像中)……くす……(何なんだ?)
浩平犯科帳 第一部 第十一話
おお。あいかわらずの大ボリューム……すごい。
しかし、まだ第一部なんですよね……。
お七、現実はいつだって過酷なんだよ……
いけだもの さん ぐっど こみゅにけーしょん
がんばれ澪。
いつの日か、大切な想いがかなうときが来るから……
〜光と闇〜のみさきさんのように……
さてさて、次回はいよいよ怪盗ミラクルルミ4!……完結編です。
終わったら……なにを書けばいいんだろう……かんがえてないぞ〜(汗)
3日連続書いてる……まてつやでした……