茜シナリオif2 〜目覚まし時計〜 投稿者: まてつや
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
「……うるさいです」
「す、スイッチを強く押すんだ」
「……押しました。でも、ダメです」
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
「俺にかしてみろ、こんなの思い切りたたけば止まる!」
ばしっ! ばしっばしっばしっ!
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
「……よけい、うるさいです」
「くそ、いつもなら。これくらいでとまるのにっ」
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
「こうなったら、たたきつけて壊すしかない
さらば、長い間世話になった。
マイ目覚まし、やすらかに、アーメン……」
俺は目覚ましを片手に振りかぶって……
「……電池、抜かないんですか?」
振りかぶって……
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
「……」
「……」
「そうだな、電池を抜けば……」
「……これで止まらなかったら、怖いです」
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
俺は時計を裏返して電池を抜……
「……どうしたんですか」
俺は凍り付いた……
電池のカバーの部分が6つのネジでしっかり固定されていたのだ。
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
「や、やっぱり。たたき壊すしか……」
「……ドライバーか何かないんですか?」
「ないことは、ないだろうけどどこに置いてあるか……」
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
「……う、うるさいです。わたしもう帰ります」
ああ、そんな。待ってくれ。
ここで帰られたら、エッチイベントができないじゃないか
……是が非でもなんとかしないと……
「待ってくれ、茜。ドライバーはたしか、俺の机の引き出しにあるはずだ」
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
茜は俺の机の1番下の引き出しを開け……
「……最低です」
し、しまった。1番下の引き出しには
住井に借りたマル秘のエロ本がいれてあったんだ。
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
「上から2番目の引き出しだ……」
俺はひきつりながら言った。
茜がその引き出しを開け……
「……書き置きがあります」
はあ? と思いながら、その紙を受け取る。
『仕事で必要なので
ドライバーセットを借りてゆきます 由紀子より』
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
由紀子さん、俺にうらみでも……?
「……やっぱり、帰ります」
「ああ、待ってくれ。茜のためだったらこんなの壊すからさぁ……」
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
「……わたしのため? 正当化しないでください」
「違うよ、ただ……」
「ただ……、わたしとエッチしたいだけなんでしょ」
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
「……最低です」
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
じりりりりりりりりりりりりりりりりりっ!
辺りに響くのは目覚まし時計の音と……

ばたん……

茜が扉を閉める音だけだった……


その瞬間、かれの絆は切れ……

遠い永遠の世界へと旅立っていった……(了)



あとがき
どうもー、新参者のまてつやと申すものです。
以後、皆様よろしくおねがいしますね。

>GOMIMUSIさん
はじめてのわたしの作品に感想をいただきありがとうです。
ただひとつの願い、読ませていただきました。
わたしは茜好きなので『茜すぺしゃるWeek』
いい感じです、誰もが気になる
消えてしまった幼なじみのネタ。うまいです。

>天ノ月紘姫さん
続き物ですか、最後のおちがよかったので一発ものかなとおもってました
がんばって、続きを書いてください。

それでは……