…気が付くとそこは、最後に見た風景だった。
ただ、あの日と違うのは雨上がりの空と、そして…茜がいない……。
『茜…ボクは帰ってきたよ…。』
あれからもうどれぐらい月日が流れてしまったのだろうか。
あの日言えなかった言葉を茜に伝えたくて、町中を探し回る。
二人で通った通学路を…、
春…
「今日からまた一緒のクラスですね」
『ああ、そうだな…。』
茜が好きだった甘味所を…
夏…
「また、あそこに行きませんか?」
『また、『アレ』をたべるのか?!』
「ええ♪」
秋…
冬…
楽しかった思い出が見慣れた風景と共に蘇える。
そして、見つけた!商店街を歩く、見慣れた後ろ姿。
『ただいま…茜……』
------------------------- 中略 ------------------------------
それから二人でいろんな事を話し合った。
詩子は相変わらずの性格だ…とか、
最後のクリスマスの話……。
居なくなってた間の事……。
…そして……茜が付き合ってる、彼氏の事………。
「さようなら、また明日…」
『ああ、さよなら、またな。』
夕方頃になって、そう言い合って茜と別れた。
『またな』なんて嘘だった。
自分の存在が急速に希薄になって行くのが分かる。
(この世界との最後の絆が切れてしまったのかもな…)
いや、切れたのではなく切ったのは自分かも知れない。
(今となってはどっちでもいい事だよな)
『結局、あの日言えなかった言葉は最後まで言えなかったな…』
(好きだよ、茜…)
その一言が…。
……雨が降っている、あの日と同じ、冷たい雨が……。
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どうも〜、初心者SS書きの水樹十夜です。
今回のSSが初めて考えたSSなのですが、内容はある意味
ものすごいネタバレ&反則ワザかもしれない『あの人』SSです。(^^;;
おかしい、私はみさき先輩命のはずなのに、一発目が茜関係なんて、
よっぽどあの人が気になったようです(^^;;
中略まで読んで(茜がまだ浩平と出会う前に帰ってきたと考えて)幸せなその後を想像するも可、
それとも最後まで読んでちょっと暗くなるも可です(笑)<オイオイ
タイトルの『・・・・』はそれによって決まるでしょうね(^^;http://www.lares.dti.ne.jp/~t-mizuki/index.html