【123】 奇跡の少年、第三章・・・みさき |
『時々、自分の立っている場所が、ひどくあやふやなものに思えることはないかい?』 『そんなとき、自分という存在そのものすら、希薄に感じることはない?』 『そう感じたら、目を閉じてみよう。風の音がいつもよりよく聞こえるはずだ』 『暗闇が怖くなったら目を開いて、自分に触れる全てのものに感覚を向けてみよう』 『頬を撫でる風に、肌に当たる陽光に、手を滑り落ちる水に・・・』 『寂しくなんかないよね?だって、君達はこんなにも色々なものに包まれているんだから』 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、 空を見ていた。 いや、その表現が正しいのかどうかは分からない。なぜなら、彼女は目が見えないのだから。 だけど、目が見えないからといって空が見えないとは限らない。人は、必ずしも視覚だけで 空を見るのではないのだから。 今、闇の中を生きる少女の心の中には、一体どんな空が広がっているのだろう。 ・・・不意に、鳥の羽ばたきが聞こえた。 「・・・鳩、かな?」 特に理由もなく、何となくそう感じた。そして、そんな風に感じるときの彼女の予想は、大抵 当たる。 「うん、真っ白な鳩だよ」 「え・・・?」 単純にびっくりした声で、彼女は声のした方へ振り返った。閉ざされた光の代わりに、彼女は 人の気配には敏感だった。 その彼女が、声をかけられるまでその人物に気付かなかった。 「誰・・・?」 驚いてはいるが、彼女の声に警戒や怯えは少ない。やはり、分かるのだろうか。 自分の目の前にいる人物が、何なのか。 「はじめまして。僕の名前は浅野雪彦」 いつもと変わらない、美少年と言うよりは美少女と言った方がしっくりくる美しい外見に、 処女雪のように白い肌と白髪。華奢な体を覆う真っ白なケープ。 無論、彼女には見えないが。 「川名みさきさん、だよね?」 優しげな声。なぜか、どこかで聞いたような気分になる。 「そうだよ」 にっこり笑って、彼女・・・みさきも頷いた。当人曰く、「人を見る目はある」つもりだ。 「えーと・・・浅野君?」 「雪彦でいいよ。いっそ「雪」って呼んでくれてもいいし」 「雪・・・?じゃあ、「雪ちゃん」だね」 「いいね、嬉しいな」 さも当然に「ちゃん」付けするみさきに、なんと雪彦は喜んで笑って見せた。なかなか凄い 感性の持ち主のようだ。 「でも、私の友達にも「雪ちゃん」がいるから、ダメだね」 「そっか、残念だな」 本当に残念そうに答える雪彦。彼の足下では、数羽の鳩が羽を休めていた。普段は人間に 対して警戒心の強い動物や鳥も、彼の側なら安心するらしい。 「・・・よく、ここに来るの?」 ここは、高台にある小さな公園である。それほどメジャーな場所ではないが、みさきは ここに吹く風が大好きだった。 一年前にいた、学校の屋上の風に似ているから。 「僕は初めて、かな。君は、ここが好き?」 「うん、私はここが好き。特に、ここに吹く風が好きかな」 そう言って、みさきは風に凪がされる黒髪を手で押さえた。雪彦は、髪もケープも、風に 凪がされるままにしている。 「・・・いい風だね」 「そうだね、八十点くらいかな」 「今日は八十点か、普段は何点くらいなの?」 「いつもは・・・六十点から七十五点くらいかな、今日は高得点だよ」 そう答えるみさきの笑顔は、本当に嬉しそうだ。 不意に、雪彦はみさきの顔に手を伸ばしてみた。 「光を持たないことが、つらい?」 漆黒の髪にふれ、雪彦の純白の指がみさきの光を持たぬ瞳をなでる。 「・・・知ってたの?」 「うん、僕には分かるんだ」 「そうなんだ」 深く追求せずに、みさきは再び笑みを浮かべた。何となく、雪彦なら分かるだろう、くらいに しか感じない。 「つらくない、っていえば、やっぱり嘘になるよ」 みさきの声は、言葉の内容とは不釣り合いなくらい穏やかだった。 「けどね、私は自分が不幸だなんて思わないよ」 何かが欠けていない人間なんてきっといない。本当に不幸なのは、満たされている自分に気が 付かないこと。 「私は本当に色々なものに満たされているからね」 微笑みは喜びを、吹き抜ける風は・・・奇跡を運んできた。 「・・・寂しくなんかないよね?君を包むこの風は、彼との『絆』なんだから」 「え・・・」 みさきが何かを言う前に、瞼の上から暖かい感触を感じた。陽光のように優しく、風のように さりげない暖かみ・・・。 「・・・大丈夫、君の光は失われてなんかいない。今はちょっと眠っているだけなんだ」 瞼をなでた暖かみが、今度はこめかみをかすめて離れた。 まるで、この公園に吹く風が自分の中に流れ込んでくるような感覚。 「今、君の中には『奇跡』の欠片が生まれた」 「欠片・・・?」 「そう、そしてその欠片の片割れは、君が常に心に思い描いている『彼』が持っているよ」 少年は微笑んでいた。彼女が、常にそうであったように。 「君と彼が共に願うとき、『奇跡』は起こる。僕が起こすんじゃない、君達自身が起こす、本当の 『奇跡』だよ」 どこまでも優しい笑みと声、この少年そのものが、この公園の風に似ていた。 「僕の役目は『奇跡』のお手伝いをすること。人と人との「絆」が起こす本当の『奇跡』を実現させる ために、僕(F/S・奇跡)はあるんだ」 「私と・・・浩平君の、『絆』?」 一瞬の困惑・・・そして、みさきは微笑む。 「・・・それなら、自信があるよ」 青空のような笑みだと、雪彦は思った。どこまでも広く、透明で、暖かい微笑み。 「浩平君は、きっと帰ってきてくれるよ。だって、約束したからね」 不安がないわけはない、誰かを信じるのと、寂しくないのとは別なのだから。みさきにだって、 彼に二度と会えないんじゃないかと思って涙を流したことはある。 けど・・・それでも止めなかった、信じることだけは。 彼を信じることができるから、自分もがんばってみようと思えた。 「私ね、浩平君が帰ってきたら、いっぱい自慢してあげるつもりなんだ。この一年で、色んなところへ 一人で行けるようになったよ、って。浩平君がいなくても、私がんばったよ、って」 青空も夕焼けも、みさきの心の中にあった。彼と同じものを見るために、彼が帰ってきたとき、 一番最初に「おかえり」と言ってあげるために。 だから、暗闇で泣いてなどいられない。彼を信じて、精一杯笑っていなければ。 「・・・明日」 「え?」 「・・・明日は、彼の卒業式だね」 「うん、きっと誰も覚えていないんだろうけど、ね」 寂しげに頷くみさき。今あの学校には、この世界から消えた彼の存在を覚えているものはいない。 ・・・だが、雪彦は、 「送ってあげてね」 微笑みと共に、春の風に似た声で言った。 「うん、もちろんだよ。私以外には誰にも送ってもらえない、かわいそうな卒業生だからね」 光を持たないはずの瞳が、輝いて見えるのはなぜだろう? 人知れず失われていった「彼」の心を救った、たった一人の、陽光のような女性。 「卒業式も誕生日も全部、いつか浩平君が帰ってきたときに、まとめてお祝いしてあげるんだ。だから、 私は浩平君の分まで、この世界の色んなものを感じていたいんだよ」 「・・・彼は、幸せだね。君のような人に、待っていてもらえるんだから」 浩平は帰ってくるだろう。一番大切な人を、これ以上待たせないために。 愛する人に、卒業を祝ってもらうために。 そして何よりも、この陽光のような女性の微笑みを再び見るために。 『本当の『奇跡』は、君と彼が起こしてくれる・・・』 『・・・信じてあげて』 『彼はこの空の向こう側で、きっと君と同じものを見ているから』 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、 「・・・ふぅ」 みさきが去った後の公園で、雪彦は疲れたように吐息を吐き出した。 おぼつかない足取りでベンチへと座り、額に浮かんだ汗を拭う。 雪彦の肌は普段から雪のように白いが、それでもいつもはその白さにはっきりとした生命の息吹が 見て取れた。だが、今の彼はまるで病人だ。 「真夏の雪が・・・解け始めたのか・・・」 自意識を持つ『奇跡』・・・F/S(フェアリー・スノゥ)。 だが、いくら彼といえども、本来いるべきでない空間で奇跡を起こし続けるには限界があった。 「彼との『絆』を持つ女性は彼女で最後・・・だけど、まだだ」 呟いて、雪彦は空を仰いだ。日が陰り始め、夕焼けが現れつつある空を。 「行かなきゃ・・・永遠に囚われているのは、彼だけじゃないんだ」 夕焼けの向こう側にある、もう一つの世界。彼はそこで約束した、いくつもの「if」の世界で、 あの世界を終わらせるための「答え」を見つけてくると。 「約束を違えることはできない・・・だって、僕はF/Sなんだから」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、 あとがき 今回の『奇跡』って、どれだ? 雪「うーん、今回は前回・前々回と違って、直接「彼」が登場するようなシーンがなかったからね。 そういう意味では今回は『奇跡』を起こしていないことになるかな」 一応みさき先輩の中に生まれた「奇跡の欠片」が、今回の『奇跡』なんだろう? 雪「うん、一応補足しておくと、あれは『奇跡』が入った鍵付きの「箱」なんだよ。もちろん「鍵」 は「永遠」にいる浩平君」 二人が再び出会ったとき、奇跡が起こる、か。 雪「正確には、二人が同じことを同じくらい強く願ったときに『奇跡』が起こるっていう設定なんだ けどね。どんな『奇跡』かは読んだ人の想像に任せるよ」 一応作者の中では、浩平が帰ってきてから一年くらい後に先輩の目が治せるようになって、その 手術中に奇跡が起こる、とか考えてたんだけど。 雪「それも一つの可能性・・・if(もしも)だね」 ああ、しかし一つ心配なのは、具体的に『奇跡』を起こすシーンを入れなかったから、盛り上がり に欠けるんじゃないかってことなんだが・・・。 雪「本当は、僕に「真昼の夕焼け」っていう奇跡を起こさせるパターンもあったしね」 ああ、ちなみに「澪編」があったときは、ラストで澪のスケッチブック(古い方)に、浩平の メッセージが浮かび上がる、っていう「奇跡」が用意してあったんだが。 雪「結局「澪編」はなくなっちゃったけどね」 ・・・どうしても、文章としては地味でな。 雪「七瀬さんや繭ちゃんは?」 七瀬編はともかく、繭編は全くと言っていいほどネタが出なかったな。一応第六章まであった ときは、長森、茜、澪の三人に奇跡を起こして、残り三人には起こさないつもりだったんだが。 ところで、今回はゲストを呼ばないのか?確かまだ繭と澪が残ってるだろう? 雪「ふっふっふ、実はもう呼んであるんだよ」 繭「みゅー」 澪『なの』 ・・・一気にやかましくなったな。まあ、覚悟はしていたが。 雪「さて、ゲストも来たところで感想+お礼にいこうか」 そうだな。今回は前回の座談会もどきの感想ももらってるし。 雪「それじゃあ・・・」 澪『感想+お礼、なの!』 繭「みゅー!」 >スライム様 ・勿忘草色の瞳4 前半のシリアスさと、後半の酒乱ネタが面白かったです。俺もキャラに酒飲ませてみようかな。 雪「先に言っておくけど、僕はお酒強いからね。意外かも知れないけど」 ・勿忘草色の瞳5 回想シーンが中心ですね。文章が綺麗にまとまっていて、うらやましいです。 澪『澪の昔の話なの?』 雪「そうみたいだね」 ・勿忘草な座談会 座談会ですね。ところで、榴ちゃんや来夢ちゃんのイラストって、自分で描いたんですか? 凄いですね。 雪「うらやましいなぁ、僕にもイラスト欲しいなぁ」 イラストなんか描いてもらったら、おまえ余計に女だと思われるぞ。 雪「うう、それも嫌だよ」 >丸作様 ・SWEET LIFE 06 メイド服・・・はだかえぷろん・・・。 雪「想像力が豊かすぎる人には凶器だよね」 ・・・ちなみに雪彦、おまえも曲がりなりとも男ならこの「浪漫」ってやつが分かるのか? 雪「う、うーん・・・服装そのものよりも、僕の好きな人が僕のためにこんなカッコをしてるれるなら、 やっぱり嬉しい、かな(真っ赤)」 模範解答だなぁ。 ・SWEET LIFE 07 ふぁいとっ、か・・・。 雪「名雪さんだね」 澪『やってやったの(ニヤリ)』 (ニヤリ)の部分は、やっぱりスケッチブックに書いたのか? 雪「けど、みんなが好きな人と一緒にいられる世界って、すてきだよね」 繭「みゅー」 お気楽だな、おまえら。 ・SWEET LIFE 08 誰か、SS作家集めて「「SWEET LIFE」の浩平暗殺委員会」作りませんか? 雪「作ってどうするのさ」 いや、だって、なあ。 とりあえず、血の雨が降らなくて良かったな、浩平。 雪「けど、一人一回としても、さすがに一対六じゃ体が保たないよね」 ・・・おまえ、たまに凄いことさらっと言うよな。 繭「みゅー?」 いや、繭は分からなくてもいいから。 >みのりふ様 ・脇役達の挽歌 幸島さん初登場。けど俺には元ネタが分からなかった。ごめんね、幸島さん。 澪『後でみのりふさんにメールで教えてもらったの』 繭「みゅー」 雪「小説版の登場キャラか、さすがに分からなかったね」 ・恋人達の午後 お花見編 澪『澪がヒロインなの』 幸島さんの名前決定。上から読んでも下から読んでも・・・。 雪「幸島幸さん、だね。けど、人の名前を笑うのは失礼だよ」 そうだな、すまん。 雪「僕じゃなくて、幸島さんに謝るの」 繭「みゅー・・・(お母さんみたい)」 ・花も団子も わーい、みさき先輩のSSだ。 澪『作者さんが雪彦君になってるの』 雪「ぼ、僕って普段あんなのなの?」 繭「みゅー」 こらこら、そこ、勝手なこと言ってるんじゃない。しかし、俺は散った花びらもそれはそれで 風流だと思うけどな。 雪「そうだね」 しかし、「DJみのりふに聞けっ!!」では災難だったな、雪彦。 雪「よく言うよ。メールでしっかりと許可しておいて・・・」 ははは、まあそう拗ねるな。人生何事も勉強だ。 雪「そっくりそのまま返すよ、その言葉」 >変身動物ポン太様 ・浩平の人生で一番長い日 前・後 深山先輩のSSかぁ、俺、初めて見たかも。 雪「僕と同じ「雪ちゃん」だね」 ・・・おまえ、密かにその呼ばれ方気に入ってるだろ。 ・温泉ばとるろいやる 17 本当に「卓球ばとるろいやる」と化しつつある(汗) 雪「僕も温泉行きたいな。ねえ、「奇跡の少年」が完結したらみんなで温泉へ行こうよ」 澪『澪も?』 雪「もちろんだよ」 繭「みゅー!」 雪「もちろん繭ちゃんも一緒だよ」 勝手に話を進めるな!・・・しかし、いいかもな。 ところで「すず歌」のキャラが出てますね。オカダって卓球強そうだな。 雪「あの時あそこにいたってことは、すずちゃん達も温泉に来てたのかな」 >宵羽虹様 ・初投稿で替え歌って・・・ 感想ありがとうございます。 雪「オリキャラ好きな人なんだ、嬉しいな」 替え歌かぁ、俺音楽とかほとんど聞かないしな。 雪「聞いたとしてもアニメソングだしね」 うーん、「水の星より愛を込めて」とかで替え歌作ってる人、いないかな。 (※、「水の星より愛を込めて」は、「機動戦士Zガンダム」の後半の主題歌です) >ひさ様 ・感想だけで失礼します(4) 感想ありがとうございます。やっぱり感想もらえると嬉しいですね。 ところで、ひささんも同じような話を考えていたんですか? 雪「そうみたいだね。そう言えば、僕と氷上君ってそんなに似てるかな?」 まあ外見はともかくとして、やっぱりしゃべり方が似てるからかな。 ・感想だけで失礼します(5) またまた感想ありがとうございます。第二章と・・・座談会の感想までもらってしまって、 とても嬉しいです。 >怪しい人さん ・長森家の猫 足が七本で、目が三つで、角が生えてて、翼・・・? 繭「みゅー・・・(怯えている)」 雪「僕もそんな猫、いやだなぁ」 澪『ホラーSSなの』 ほ、ホラーなのか?このSSって。 >たかひろ(Tire)猫様 ・永遠の世界の秘密 茜、一体何者? 雪「たかひろ(Tire)猫さんも、司君を出したいのかな?」 澪『けど、しゃべれるのに見えないなんて、ひどいの』 ま、まあ気持ちは分かるけどな。 繭「みゅー?」 雪「繭ちゃんは体が入れ替わっても変わらなかったね」 まあ、繭だしな。 ・『ONE』の裏舞台だよ ははは、本当にひどいこと書いてますねぇ。 ・・・さて、こんなものかな。 雪「澪ちゃん、繭ちゃん、お疲れさま」 澪『おつかれさまなの』 繭「みゅー」 うんうん、これでもうゲストはいないな。深山先輩とか住井とか沢口とか出せって 言われても、俺には無理だぞ。 雪「そうだね」 これでヒロイン編は最後・・・次回「奇跡の少年、最終章・・・折原浩平」でまた お会いしましょう! 雪「またねー」 ・・・楽屋裏 ところで、みのりふさんのところではずいぶんひどい目にあったな、雪彦。 雪「うーん、さすがに他の人のあとがきで奇跡を起こすのは無理みたいだね」 「奇跡を起こすのに必要な条件」ってのも最終話で出てくる予定だしな。ちなみに一つ聞いて いいか? 雪「何?」 おまえ本当に男なのか? 雪「君までそんなこと言うの?」 いや、だって外見は完璧に女(しかも美少女)だしな。なんかみのりふさんの気持ちも分かるわ。 雪「分からないでよ。言っておくけど、僕はれっきとした立派な男の子なんだからね」 原作では女装させられてるけどな(新事実)。 雪「うう、僕は嫌なのに・・・」 赤珊瑚の髪飾りにルージュの口紅、パーティドレスにルビーの指輪・・・似合いすぎて怖かった もんな。 雪「僕は普段の白いケープの方がいいよ」 体つきも華奢だし、脱いだくらいでよくみのりふさんが男だと納得してくれたな。 雪「全裸にされれば誰だって納得するよ」 そうかなぁ(疑問)。ところで、他の人のあとがきだろうが自分の作品だろうが、おまえは 自衛のために「奇跡」を起こすことはできないぞ。 雪「あ、そっか。僕の奇跡はあくまで「誰かのため」であって、自分のために奇跡を起こすことは できないんだ」 考えたこともなかった、って顔だな。 雪「僕はいつも幸せだったからね、他の人を幸せにしたいとは思うけど、自分がこれ以上幸せに なるなんて考えもしなかったよ」 損な性格だな、そんなことだからみのりふさんに押し倒されるんだぞ。 雪「押し倒されたわけじゃないよー(泣)」 「奇跡の少年」はいよいよクライマックスですが、これとは別の連載SSがらすのうさんのHPに 置いてあります。 雪「僕のお話とは一風変わったコメディタッチのSSだよ」 題して『欠け月と雪の間で』、興味があれば読んでみてください。 らすのうさんのページは http://www1.ocn.ne.jp/~lasnow/ です。 |