これもまた日常…になる?(2) 投稿者: 本間ゆーじ
-----------前回の簡単なあらすじです---------------
日に日に強くなっていく長森。

浩平はそんな長森を見て…二人の立場が変わってしまうような…
焦りのようなものを感じていた。

そしてついに浩平は長森に(完全)敗北してしまう…。

そのとばっちりを受け重傷を負った住井。

彼(ら)は再び長森と対等…いや、それ以上の地位に立つ事が出来るのか!?
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ここは家から少し離れた所にある病院。

俺と住井はこの病院の3階に入院していた。

俺は全身打撲。住井は頭に強い衝撃を受けたので様子見の入院だ。

そして2人で天井のシミを数えるという退屈な時間を過ごしていた。

「なあ…折原」
住井がぽつりと言う。

「なんだ?」
俺は返した。

「長森さんって…あんなだったか?」

あんなとは、多分あの恐ろしいまでの攻撃力の事を指しているのだろう。

「全然。走るのも遅かったし。…あんなに強くはなかった。あれじゃまるで七………いや何でもない」

「そうだよなぁ……」

それきり黙りこむ。

俺も何も言わない。




夕方。長森が見舞いにきた。

住井は何故か寝たふりをしていた。

「でね…七瀬さんがね!授業の妨害工作を……」

楽しそうに話す長森。

「…長森」

「ん?」

「お前はいつから男2人を入院させることができるほどに、凶悪な奴になったんだ」

「ひどいよ〜浩平」

いつものような返答。しかし、

「七瀬さんが鍛えてくれたんだよ。『折原よりも強くなりなさい!』って、言うから……」

七瀬か…。

確かにあいつに鍛えてもらえば強くなるな…。

俺は納得した。隣のベッドでは住井がかすかに頷いていた。

「でも本当に強くなっちゃったね〜浩平よりも」

何気ない一言だったのかもしれない。だが俺は…悔しかった。

「いつかこのお返しはするからなっ!!!」

「うん。楽しみにしてるよ…あっ、もうこんな時間!」

長森が腕時計を見た。

「今何時だ?」

「7時だよっ。もう帰らないと」

「ああ。悪かったな、わざわざ」

「いいよ。じゃあまたね」

そう言って長森は病室から出ていった。後に残されたのは俺と住井、あと同じ病室の人達だけだ。

「住井…俺は強くなりたいよ。長森よりも」
俺はぽつりと呟いた。

「お前の性格からしてそう言うと思ったよ。…しかしどうするんだ。相手はあの長森さんだぞ。ちょっとどころの訓練じゃ……。」

そこまでいって住井は口を閉じる。

「折原…まさか…!?」

「俺は”FARGO宗団”に入団する」

「正気か!?あんな怪しげなところに…」
反対する住井。しかし俺は考えを変えるつもりはない。

「そうでもしないと長森には勝てないような気がする。…というか俺にはもうこれに賭けるしか道はない」

俺は言いきった。そしてゆっくりとベッドから立ち上がる。

「今から行くよ。由起子さんと…長森によろしくな」

しかしその前に住井が立ちはだかる。

「待て。俺を置いていく気か」
いつにないその真剣な様子に俺はたじろいだ。

「しかし…住井、お前は」

「この戦いには関係ない…って言うのか?だったらもう手遅れだぜ。すでに俺は巻き込まれてしまっているんだ」

そう言いながらほうきをかまされた頭を指す。

「頭が…悪くなったのか?」

「違うっ!!!」

お約束のボケをかます俺。しかし心の中では嬉しかった。

「よし…行くぞ住井。看護婦さんに見つからないようにな」

「それはこっちの台詞だ。折原こそ気を付けろよ」


俺達は病室から飛び出した。走っているととても気持ちが良かった。


病院の外に出た。

夜の空気が優しく俺達を包んでいた。

それはまるで…旅立ちを祝福する……母の優しさの様だった。


-----------------後書き---------------------
お、お久しぶりっす〜、本間です。
しばらくSS書く暇が無かったんで…遅くなりました。この作品。

続く…んだろうな?(弱気)

それじゃ…。

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