-----------前回の簡単なあらすじです--------------- 日に日に強くなっていく長森。 浩平はそんな長森を見て…二人の立場が変わってしまうような… 焦りのようなものを感じていた。 そしてついに浩平は長森に(完全)敗北してしまう…。 そのとばっちりを受け重傷を負った住井。 彼(ら)は再び長森と対等…いや、それ以上の地位に立つ事が出来るのか!? ----------------------------------------------- ここは家から少し離れた所にある病院。 俺と住井はこの病院の3階に入院していた。 俺は全身打撲。住井は頭に強い衝撃を受けたので様子見の入院だ。 そして2人で天井のシミを数えるという退屈な時間を過ごしていた。 「なあ…折原」 住井がぽつりと言う。 「なんだ?」 俺は返した。 「長森さんって…あんなだったか?」 あんなとは、多分あの恐ろしいまでの攻撃力の事を指しているのだろう。 「全然。走るのも遅かったし。…あんなに強くはなかった。あれじゃまるで七………いや何でもない」 「そうだよなぁ……」 それきり黙りこむ。 俺も何も言わない。 夕方。長森が見舞いにきた。 住井は何故か寝たふりをしていた。 「でね…七瀬さんがね!授業の妨害工作を……」 楽しそうに話す長森。 「…長森」 「ん?」 「お前はいつから男2人を入院させることができるほどに、凶悪な奴になったんだ」 「ひどいよ〜浩平」 いつものような返答。しかし、 「七瀬さんが鍛えてくれたんだよ。『折原よりも強くなりなさい!』って、言うから……」 七瀬か…。 確かにあいつに鍛えてもらえば強くなるな…。 俺は納得した。隣のベッドでは住井がかすかに頷いていた。 「でも本当に強くなっちゃったね〜浩平よりも」 何気ない一言だったのかもしれない。だが俺は…悔しかった。 「いつかこのお返しはするからなっ!!!」 「うん。楽しみにしてるよ…あっ、もうこんな時間!」 長森が腕時計を見た。 「今何時だ?」 「7時だよっ。もう帰らないと」 「ああ。悪かったな、わざわざ」 「いいよ。じゃあまたね」 そう言って長森は病室から出ていった。後に残されたのは俺と住井、あと同じ病室の人達だけだ。 「住井…俺は強くなりたいよ。長森よりも」 俺はぽつりと呟いた。 「お前の性格からしてそう言うと思ったよ。…しかしどうするんだ。相手はあの長森さんだぞ。ちょっとどころの訓練じゃ……。」 そこまでいって住井は口を閉じる。 「折原…まさか…!?」 「俺は”FARGO宗団”に入団する」 「正気か!?あんな怪しげなところに…」 反対する住井。しかし俺は考えを変えるつもりはない。 「そうでもしないと長森には勝てないような気がする。…というか俺にはもうこれに賭けるしか道はない」 俺は言いきった。そしてゆっくりとベッドから立ち上がる。 「今から行くよ。由起子さんと…長森によろしくな」 しかしその前に住井が立ちはだかる。 「待て。俺を置いていく気か」 いつにないその真剣な様子に俺はたじろいだ。 「しかし…住井、お前は」 「この戦いには関係ない…って言うのか?だったらもう手遅れだぜ。すでに俺は巻き込まれてしまっているんだ」 そう言いながらほうきをかまされた頭を指す。 「頭が…悪くなったのか?」 「違うっ!!!」 お約束のボケをかます俺。しかし心の中では嬉しかった。 「よし…行くぞ住井。看護婦さんに見つからないようにな」 「それはこっちの台詞だ。折原こそ気を付けろよ」 俺達は病室から飛び出した。走っているととても気持ちが良かった。 病院の外に出た。 夜の空気が優しく俺達を包んでいた。 それはまるで…旅立ちを祝福する……母の優しさの様だった。 -----------------後書き--------------------- お、お久しぶりっす〜、本間です。 しばらくSS書く暇が無かったんで…遅くなりました。この作品。 続く…んだろうな?(弱気) それじゃ…。http://www.geocities.co.jp/Playtown/9618/