例えばこんな1日があったら(終) 投稿者: 本間ゆーじ
------前回までのあらすじ----------------------------------------------

1月20日。

俺の知らない所で何かが起きている…。
午前中の授業を受けて
俺、折原浩平ははっきりとそれを自覚した。
変わってしまったクラスメート。変わってしまっている日常。
しかし皆は…それが当たり前だったかのようにすごしている。
一体どういう事なんだ???
俺の頭の中はますます混乱していくのだった。
-------------------------------------------------------------------------------


キーンコーンカーンコーン


4時間目終了のチャイムが鳴り響く。
「終わった…」
俺はぐったりと机にもたれかかりながら言った。

これから楽しい昼食の時間だ。

今日は誰と食べようか…そんな事を考えていると、教室を出ようとしている茜を発見した。
そうだな。茜と一緒に食べるか。

俺は茜を追いかけて、言った。
「茜っ!一緒に食べようぜ」
「いいですけど…食堂ですよ」
「食堂?珍しいな。弁当でも忘れたのか?」
「いいえ。持ってます。」
そう言いながらピンクの弁当箱を俺に見せる茜。そして…
「食堂は…人が多くて楽しいですから…」
茜は確かにそう言った。



茜と食堂で弁当を食べる・・・。

絶対に何かがおかしい…。

そんな事を考えながら食べるやきそばパン。おいしかったが少し寂しい味がした。

結局俺は「どうして急にこんな所で弁当を食べるなんて言ったんだ」と問いただす事は出来なかった。言った所で「ただ…何となくです」と返されるだけだろう…。



あいかわらず昼休みなど昼食をとってしまえばやる事が無い。
俺は机を高く積み上げ、その上で弁当を食べている南を見ながらぼーっとしていた。

七瀬は…本を読んでいる。よし、ここは1つからかってみるか。
「七瀬ぇ〜〜。そんな本なんてどうでもいいからいつもの様に豪快に電話帳でも裂いて見せてくれよ〜」
と、俺が言うと七瀬は「分かったわ」と言った。

…えっ?

いつの間にか七瀬が電話帳を手にしていた。そしてそれを…
バリバリバリバリイイイイイイイイッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!と、裂いた。


「!?」

驚く俺。そんな俺の様子を七瀬は見ていった。

「どう?満足??」

俺は感動したので
「じゃ次はここから飛び降りてみてくれ!!!」
と、窓の外を指しながら言った。すると七瀬は「分かったわ」と言うやいなや、バッ!と窓から飛び降りた。


おい…ここは3階だぞ。七瀬。


俺が青くなって窓の下を覗きこむと芝生に華麗に着地する七瀬の姿があった。
とりあえずは大丈夫のようだ。人間か?あいつは?

…しかしその横からは髭が歩いてきていた。

叱られる!と俺が七瀬を見たとき、髭が意外な台詞を口にした。

「んあ〜、七瀬。なに3階から飛び降りてるんだ。お前なら屋上が基本だろ」

「な、なにいっ!!!!!!!!!!!!」
再び驚く俺。しかし七瀬は平然とした顔で、「はい。分かりました」と言っている。

長森がいきなり後ろからやってきて言う。
「七瀬さんってすごいよね〜こんな所から降りてもケガしないし…」


いや。これはすでにすごいとかそういう次元の問題じゃないと思う。

そう思ったが口には出来なかった。




5・6時間目が終わり、これで楽しい放課後だ。


俺が玄関へと向かっていると
「浩平君」
と、お声がかかった。みさき先輩だった。

「みさき先輩も今から帰るのか?」
俺が尋ねるとみさき先輩は
「うん。そうだよ。…でもこれじゃ靴も履き替えられないね」と答えた。


確かに…。この渋滞じゃなぁ………。
俺は下駄箱の所を見て納得した。

下駄箱の所では人が押し合いへし合いしていて、とてもじゃないが靴を履き替えるような状況じゃなかった。

俺はその人ごみの中で見知った顔を見つけた。


澪だ。


澪も俺達に気付いたようで、人ごみをかき分け俺達の方に向かってくる。

ドン。

誰かとぶつかったようだ。ぺこぺことお辞儀をしている…からまたぶつかる。


見事な不器用ぶりだった。


「大変そうだね。澪ちゃん」
やんわりとみさき先輩が言う。何故分かったのだろうか。澪だと。


「浩平君。そろそろ逃げる準備しないと…巻き込まれるよ」
またまたみさき先輩が言う。


「何のこ…」
俺の言葉はそこで中断した。

澪の様子がおかしい事に気付いたからだ。

スケッチブックになにやら書きこんでいる。

そして掲げる…そこに書いてあった言葉は…


『ふざけんじゃねぇ!…なの』だった…。



ドン。また男子生徒がぶつかった。
その瞬間


ぶんっ!!!!!!


澪がスケッチブックを振るった。よく見ると、スケッチブックの角の所が鉄になっている。


ごすうっ!!!!!!!!!!!!


横っ面を叩かれ(というか…もはや殴られ)吹っ飛ぶ男子生徒。

そのままぐるりと辺りを見まわす澪。

ドン。またまた男子生徒がぶつかった。
その瞬間

ぶんっ!!!!!!

ごすうっ!!!!!!!!!!!!

さっきのリプレイ映像が再び目の前に広がる。


「うおお・・・。すげえ…」
俺は呟いた。久しぶりにすばらしい戦闘シーンを目撃したからだ。


「浩平君〜逃げようよ〜〜〜」
みさき先輩が言う。


確かにここは逃げたほうが賢明かもしれない。


澪はというと、よほど腹を立てたのか無関係の奴まで殴り始めた。

ぶんっ!!!!!!

ごすうっ!!!!!!!!!!!!

ぶんっ!!!!!!

ごすうっ!!!!!!!!!!!!

ぶんっ!!!!!!

ごすうっ!!!!!!!!!!!!

どんどん増え、積み重なってゆく屍の山。
そのなかでギラリと輝くスケッチブックを振り回す澪は、さながら…戦女神の様だった……
と、解説しているのもやばい状況になってきたので俺とみさき先輩は逃げ出した。


………


…………


……………

「はぁ、はぁ、はぁ…何とか…逃げきったな………」
「はぁ、はぁ、はぁ…そ…そうだね…………」

俺達2人はお互いに荒い息をつきながら屋上に座り込んでいた。


「みさき先輩。澪って…前からあんなのだったっけ?」
俺が疑問を口にする。しかし先輩はおだやかに
「うん。そうだよ」と、返してきた。


「そうか…」
予想がついていた答えなので俺は別に動じなかった。


「それがどうかしたの?」
「いや。なんでもない」
「変な浩平君」

やっぱり俺が変なのか…。みんなは普段通りだもんな…。

その後はいつもの通りに、校門の前でみさき先輩と別れ、俺は帰途についた。




「とんでもない1日だったな………」
俺は自室で呟いた。

何か今日はおかしかった。…いや、やっぱり俺がおかしいのかも…。
一体どっちなんだ。
謎はそう簡単に解けそうには無い。
思考しているうちにいつのまにか俺は眠りについていた……。



じりりりりりりりりり!!!!!!!!!!!


どすん!


「ぐわあああああっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ベットから落ち、強烈に腰を打った。

動けない。痛すぎる。

俺はベットから落ちたまんまの格好で長森救助隊(隊員1名のみ)の到着を待つ事にした。



8時。いつもの時間に長森はやってきた。

「わ、浩平、こんな所で寝てる…」
「誰も寝たくて寝てるわけじゃない。腰を打った。助けてくれ長森」
「浩平…おじいさんみたいだよ…」

そう言いながら俺に肩を貸す長森。
俺はなんとか起き上がる事が出来た。


そして見たカレンダー。

何故か日付が1日ずれている。

「おい長森。今日は何日だ?」
「こ…浩平。ついにぼけちゃったの?」
「ばか。そんなわけ無いだろ。早く答えろ」
「1月20日だけど…それがどうかしたの?」
「1月…20日?」
という事は…あれは…

「どうしたの?浩平?何か変だよ???」
心配そうに俺の顔を覗きこむ長森。

俺はそんな長森に
「もし俺が今日先に学校に行ってたらどうした?」
と聞いてみた。

「え?いつも通りに学校に来るけど…」
「お風呂場は覗かないんだな?」
「覗くわけないよっ!」

いつも通りの返答。そんなささやかな事でも俺は嬉しくなった。
「浩平…なんかニコニコしてて気味悪いよ…」
「悪かったな…って時間は大丈夫なのか?」

長森が腕時計を見る…とその顔がどんどん青くなってきた。

「じ、時間ないよっ!!!急いでっ!!!!!!」
「分かったっ!!!!」

いつも通りの騒がしい日常の始まり。
俺はあれが夢であって良かったと心から思った…。


--------------後書き----------------------
どうも。本間です〜〜。
支離滅裂。稚拙な文章になってしまいました(涙)
まだまだまだまだ修業が必要だなぁ。
とりあえずは他のSS作家さんの作品を見て勉強したいです…。

あ、「ここをこうしたらもっと良くなるのでは?」…とか思いましたら教えてください〜。
お願いします〜。

ではこの辺で…それじゃ……

http://www.geocities.co.jp/Playtown/9618/