例えばこんな1日があったら(1) 投稿者: 本間ゆーじ
浩平「ん………」

寝返りをしようとしてふと、目が覚めた。

今…何時だ?

時計を見る…と、4時半だった。

浩平「そ…そんな馬鹿な!」

もう1度見なおす。

やはり時計の針は4時半を指していた。

浩平「まさかこんなに早く起きてしまうなんて…」

思わずぼやいてしまう。

浩平「寝なおすか………」

そう考え俺は再び枕に顔をうめる。

………

………寝れない。

残念な事に眠気君は空の彼方にバイバイしてしまったようだ。

浩平「あ、確か数学2の宿題があったな」

思い出した。今日は宿題をしていかなくてはならんのだ。

俺は渋々起きあがると椅子に腰掛け、机に向かった。


〜20分経過〜


浩平「何ということだ…」

終わってしまったのだ。

俺の人生じゃなく宿題が。

今日は異様に頭が冴えていてちょっと問題を見ただけでスラスラ解けてしまったのだ。

どうしようか。まだ5時だぞ…。

普段は時間が無くて困っていたのだが、こうも時間があるとかえって困ってしまうのだった。

とりあえず一階のリビングに降りてみる。

まだこの時間だと由起子さんは起きてきていないのか…って当たり前か。

とりあえず腹ごしらえをしようとキッチンの上の棚を開ける。

食パンが3枚入っていた。

仕方ない。これでも食うか。

1枚を牛乳とともにさらっと喉に流し込む。

そして後の2枚をバックの中に押し込む。

これで今日の昼食代は浮いたな…。

そんな事を考えていると6時になった。

テレビをつける…と、『茜ちゃんの今日の天気予報』というコーナーがやっていた。

この時間帯はこんなのばっかりだな…。

そう考えながらテレビを見た。今日の天気は晴れらしい。

茜ちゃんがどう考えても茜に見えるのは俺だけだろうか…?


7時半。する事も無くなったので学校に行くか…っと、その前に長森に伝言を残しておかないとな。

俺は手ごろな紙にさらさらと用件を書くと、それをドアに貼り付けて家を出た。




外は綺麗に晴れていた。

ゆっくりといつも通りの歩道を歩いていると、後ろから声がかかった。

声「…浩平。おはようございます」

茜だ。俺は振り返ると、「おう茜。おはよう」と返事をする。

どう見てもテレビに出ている茜ちゃんだった。

その後は2人であたりさわりのない会話をしながら学校への道を歩いた。




ロッカーの所まで来たとき後ろから荒い息が聞こえた。

長森「はぁ、はぁ…浩平…先に行くなんてひどいよ」

浩平「なにっ!ちゃんとドアに張り紙をしておいたじゃないか!!!」

長森「ドアって…どこのドア?」

浩平「トイレのドア」

長森「そんなの分かるわけないよっ!!!せめてお風呂場にしておいてよっ!!!」

浩平「ああ。今度から気をつけるよ…ってお風呂場?」

長森「うん。お風呂場は覗いたよ」

俺は驚いた。まさか長森がここまで勇敢な奴に育っていたなんて。

浩平「……」

俺達3人は靴を履き替えて、教室に向かった。



教室では異変が起きていた。

なんと、あの住井が勉強をしているのだ。

これを異変と呼ばずに何を異変と呼べば良いのだろうか。

長森「住井君。おはよ」

しかし長森は驚いた様子も見せずに住井にあいさつをする。

住井「長森さんおはよう。折原君も」

お…折原君!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

浩平「住井……昨日悪いものでも拾って食ったな。そうだろ!」

住井「何を言っているんだい。浩平君」

浩平「頼むっ!そうだと言ってくれええええっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!」

長森「だっ、大丈夫?浩平???」

もう俺には何がなんだかさっぱりだ。

ああ、きっとこれはみんなで俺を驚かそうとしてるんだな。うん。そうに違いない!!!


浩平「大丈夫だ。それじゃ」

俺は驚きを出来る限り隠しながら席についた。

浩平「何か…何かがおかしい」

七瀬「おかしいのはあんたの頭でしょ」

前の席の七瀬が素早くつっこみをいれてきた…。




その日の午前中は俺の頭の中を大パニックにするには十分な内容だった。

まず、あの住井が授業中一度も寝なかった事。

そして、あの南が完全な芸人になってしまっていたことだ。

いきなり鼻から花を出すわ、耳から水を出すわ、目からレーザーを…というのはいきすぎだが、とにかく(いろんな意味で)恐ろしい男になってしまっていたのだ。

しかしそれでも誰一人として変だと言う奴はいなかった。

俺だけなのか?変なのは????



--------------------後書き------------------------
どうも。本間です。
今現在『これもまた日常…になる?』の2を書いています。
それでその合間に何となく思いつきましたんで、
この作品を書き込みました。

時間が欲しい………。


いろんなタクSS作家の方から感想書いていただいてます〜。どうも有り難うございます。
そのうち感想をまとめて書ければ…と思っているのですが…駄目?

それじゃ今回はこの辺で…。

http://www.geocities.co.jp/Playtown/9618/