【22】 おなかの虫
 投稿者: はにゃまろ <interweb@blk.mmtr.or.jp> ( 男 ) 2000/3/13(月)00:59

飢えていた。

ひどく飢えていた。

ひどく、ひどく、ひどく飢えていて、あまりにも深く飢えていて・・・底さえも見えない程、ひどく飢えていた。

どこまでも、どこまでも、どこまでも飢えていて、

いつまでも、いつまでも、いつまでも飢えていて、

このまま、永遠に連なってしまうかのように・・・

果てしなく、果てしなく、果てしなく飢えていた。







ぐぅぅ〜〜〜〜〜〜〜

ぽかっ

「いたいよ〜」

「あんたねえ・・・何杯食ったと思ってるのよ。ねえ、何杯?」

「えっと、9杯かな?」

「10!!、10杯食ったのよ、10杯っ」

「おいしかったよね」

「食べ終わった時、満足したって言ってたわよね?」

「そうだったかな?」

「言ったわ!、確かにもう満足だって言った。なのに、なのにぐぅ〜って・・・、人のおごりで10杯も食っといて、ぐぅぅ〜〜〜って、それはないんじゃないの、それは・・・」

「雪ちゃん・・・もしかして泣いてる?」

「ばかぁっ、こんな事で私が泣くわけないでしょ、こんな事で、こんな・・・」

「ごめんね雪ちゃん。でもね、わざとじゃないんだよ。ほんとだよ」

「うぅ、わかってるわよ。あんたにわざと腹の虫鳴らされたら世界は終しまいよ。ハルマゲドンだわ」

「悪い虫さんだよね」

「はぁぁ・・・ほんとだわ。ほんとに、悪い虫よね」

「ほんとに、悪い虫さんだよね・・・」






ぐぅぅ〜〜〜〜〜〜〜

おなかの虫さんがないてる。

ぐぅぅ〜〜ってないているよ。

きっと、おなかが空いたんだね。

わたしもおなかがぺこぺこだよ。

このままじゃ、おなかとせなかがくっついちゃうよね。

ねえ、もう一度お母さんにたのんでみよっか。

ぐぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜

あはは、やっぱり君もおなかが空いてるんだ。

うん、もう一度だけ、お母さんにたのんでみるよ。

いっしょうけんめいたのめば、きっとごはんを食べさせてくれると思うんだ。

だって、お母さんすっごくやさしいんだから・・・

パジャマにきがえるのも、おふろに入るのも、歯をみがくのも、ぜーんぶお母さんがやってくれるんだよ。

ちょっとひなたぼっこがしたいなってときはだっこしてお外へ連れていってくれるし、お花のにおいがかぎたいなってときにはすぐにお花をつんできてくれるし、ねるときはいっしょのおふとんでねてくれるし、・・・ごはんだって、お母さんが食べさせてくれるんだから・・・

だから、もう一度、お母さんにたのんでみるよ。

このベルを鳴らせばお母さんはいつだってすぐにとんできてくれるんだ。

うん、きっと本当にとんできてるんじゃないかな?

すっごくはやくきてくれるもんね。

はじめてベルを鳴らしたときはびっくりしたんだよお。

だって、だだだだだだだだだ〜〜って音がして、

それから、どっしーんって音がして、

どうしたのかなって思ってたら、お母さんがはあはあしながら「み、みさき、だいじょうぶ?、どこか痛いところでもあるの?」って、なんだかとっても痛そうに言うんだもん。

なんとなくだよって言ったらお母さんがっくりしてたおれちゃったんだから。

ほんとにびっくりだったよね。

このベルはまほうのベル。

どんなときでもたちどころにお母さんがあらわれてくれるまほうのベルだよ。

なんだかハクションなだいまおうが入ってるつぼみたいだよね。

しらないかなあ。そのまおうはね、ハンバーグが大好きなんだよ。

ハンバーグならどれだけでも食べられるんだから。

うふふ、山もりのハンバーグ、食べてみたいよね。

ぐぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜

君も食べたいんだね。

はぁ〜〜、おなか空いたよお。

やっぱりお母さんにたのんでみるよ。

だって、おなかの虫さんもぐぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜って言ってるんだもん。

だいじょうぶ、きっとごはん食べさせてくれるよ。

お母さんとってもやさしいんだから・・・

チリンチリン、チリンチリン、チリンチリン

チリンチリン、チリンチリン、チリンチリン・・・・






うそじゃないよ。

ほんとに、ほんとに、おなかが空いてるんだよ。

おなかの虫さん、ぐぅぅ〜〜〜ってないてるもん。

ぐぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ってないてるんだよお。

どうしておこるの?

ねえ、お母さん、どうしておこるのかな。

わからないよ。

ほんとにおなかが空いてるんだよ。

ぐぅ〜〜ってないてるもん。

これっておなかが空いてるってことだよね。

わたしのかんちがいじゃないよね。

ぐぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ほら、おなかの虫さんもおなかがへったって言ってる。

きっと、りょうてにおはしをもっておちゃわんをトンテンカンテンしてるよ。

はらへった〜〜、メシまだかあ〜〜〜って言ってるよお。

あは、あはは、ちょっと想像したちゃった。

あのね、おなかの虫さん。

じつは君は出べそなのだ。

まるまるっとしたおなかにぽこんっておへそがとびでてるんだよ。

おくちはなみなみ〜ってなってて、目はねむたそうにまぶたを半分とじてて、このまぶたもなみなみ〜ってなってるの。

かみの毛はぼさぼさで、そこからにょきっとしょっかくがつきでてるんだよ。

それで、どこかにくめない表情をしてるんだ。

おなか空いたよ〜がくちぐせ。

う〜ん、くちで言ってもわかりにくいよね。

絵をかくことができたら、君に見せてあげられるんだけどなあ・・・

あっ、でもだめだよね。

おなかの虫さんはおなかの中にいるんだから、もし絵をかくことができたとしても見せられないよ。

わたしがその絵を食べちゃえば、おなかの虫さんはその絵を見ることができるかな?

ううん、きっとだめだよ。

だって、おなかの虫さんだもん。

たべものがはいってきた〜〜ってかんちがいしてむしゃむしゃ食べちゃうよ。

なんだかくろやぎさんとしろやぎさんみたいだよね。

おなかの虫さんがおへんじかいても、きっとわたしもむしゃむしゃ食べちゃうような気がするなあ。

わたしもおなかの虫さんとおんなじで食いしん坊だし、

それに・・・・・・おてがみがきても、もう読むことできないしね。

ねえ、わたしと君のどっちのほうがおなか空いてると思う?

わたしのほうかな?

それとも君のほうかな?

わたしはとってもおなかが空いてるんだよ。

もうほんとにぺっこぺこでおなかとせなかがくっつくぞ〜なんだから。

あっっ、たいへんだよ〜

おなかとせなかがくっついちゃったら、おなかの虫さんぺっちゃんこになっちゃうよ。

うわ、これはたいへん、いちだいじだよ〜〜

はやくなにか食べなきゃぺっちゃんこになっちゃう。

う〜ん、どうしよう。

こっそりたべちゃおっか?

お母さんに気付かれないように、ぬき足さし足しのび足でこっそりと、ねっ。

ないしょにしてればきっとわからないと思うんだ。

ぐぅぅぅ〜〜〜〜〜

だいじょうぶだよ、今たすけてあげるから。

ちょっとこわいけど、きっとだいじょうぶだよ。

だってここはわたしの家なんだからね。

かいだんやれいぞうこのばしょぐらいちゃんとおぼえてるんだから。

目をつむっててもだいじょうぶなほどなんだよ。

ほんとだよ。

きっとだいじょうぶだよ。

いっこくもはやく君をたすけてあげなきゃ。

それにね、ほんとうはわたしもおなかがぺこぺこでなにか食べたいなあって思ってたところなんだ。

まさしくいっちょうにせきだよね。

うん、だいじょうぶだよ。

しっかりおぼえているんだから・・・






ぐぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜

おなか空いたね。

ぐぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

わたしもおなか空いたよお。

びょういんのごはん、おいしくないよお〜

それにすっごく少ないんだよお。

きっとじごくってここのことを言うんだね。

ここはハラヘリじごくでございますよお。

・・・・・・

どうして、みんな食べちゃだめって言うのかな?

おなかが空いてるのに食べちゃいけないなんてへんてこだよね。

せんせいが言うにはね、いっぺんにたくさん食べるとおなかがこわれたちゃうんだって。

でね、わたしはおなかが空いてるのはおなかの中がからっぽだからじゃないかな?って聞いてみたの。

それは気のせいです。おなかがへってるような気がするだけでほんとうは君のおなかはぽんぽこりんなのです。それいじょう食べつづけるとおなかがはれつしちゃいますよ。

だって。

ほんとに気のせいなのかな?

だって、ぐぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜ってないてるよね。

おなかの虫さんはほんとうにおなかがへってるんだよね、

わたしも・・・ほんとうにおなかがぺこぺこなんだよね。

わたしはうそつきじゃないよ。

ただ、おなかが空いてるだけなんだよ・・・・・・






ないしょだよ。

このくっきーはないしょなんだよ。

おふとんのしたのくっきーはないしょのくっきー。

誰にもはなしちゃいけない、ないしょのくっきーだよ。

雪ちゃんからのさしいれなの。

ランドセルにぎりぎりいっぱいつめてきたんだって。

うれしよお〜

もつべきものは雪ちゃんだよね。

あんなにおこってたちょびひげのこともゆるしてくれたし、雪ちゃんさまさまだよ〜

もうこれはかんしゃかんげきあめあられだね。

ねえおなかの虫さん。わたしね、くっきーのお礼に雪ちゃんのうたをつくろうと思うんだ。

ゆーきやこんこんってうたあるよね。

あれをかいぞうして雪ちゃんのうたにしちゃうのだ。

雪ちゃん、きっとかんげきして今度はおせんべいをもってきてくれるよ。

そしたら、またまたお返しに雪ちゃんの似顔絵をかいてあげるんだ。

だいじょうぶだよ、心さえこもっていればはなかみで作ったへちゃへちゃのかみひこーきでもうれしいはずだって誰かが言っていたような気がするからね。

雪ちゃんもっともっとかんげきして今度はばーむくーへんをもってきてくれるよ。

わぎりになってるのじゃなくって、切るまえの丸太んぼうみたいなばーむくーへんだよ。

あのばーむくーへん、ずぅっとまえから食べたいと思っていたんだあ。

こう、はしっこからむしゃむしゃむしゃって丸かじりするのが夢だったんだよ。

雪ちゃんありがと〜。わたしがんばって雪ちゃんの似顔絵かくよ。

それで、それで、ばーむくーへんの次は凍らしみかんがいいなあ〜

しゃくしゃくしゃくってシャーベットみたいでおいしいよね。

いそいで食べると頭がきーーんとするけどわたし負けずにがんばるからね。

その次は屋台のやきそばがいいなあ、あっ、たこやきでもいいと思うよ。

それから、カレーライスにやきおにぎりに、つきたてのおもちもいいよね。

雪ちゃ〜ん、まってるよお。

ぐぐぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜

あは、おなかの虫さんないてる。

ちょっとだけないしょのくっきー食べようっか。

うん、ちょっとだけだよ、ちょっとだけ。

だっておなかがふうせんみたいにはれつしちゃったら困っちゃうもん。

少しずつ食べようね。次に雪ちゃんがきてくれるまで少しずつ食べよう。

おいしいね。

このくっきーおいしい。

雪ちゃん、おいしいよ。

このくっきー、すっごくおいしいよ。

おいしい。

おいしい。

おいしいよ〜

ぐぅ〜〜

ちょっと足りないかな?

もう一枚。

おいしいねえ、もう一枚だけ、いいよね?

ぐぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜

おなかの虫さんがいいって言ってるし、いいよね。

うーん、うまいぞおってかんじだよお。

あと一枚だけ

一枚・・・

ぐぅぅ〜〜

最後にもう一枚だけ・・・







ぐぅぅ〜〜〜〜〜〜〜

おなか、空いたの?

おなかいたいのに、おなか空いたの?

先生が言うにはね、

無理やりつめこまれたから、いぶくろがびっくりしたんだって。

無理やりじゃないよね。おなかが空いたからだよ。

だって、ぐぅぅ〜〜〜〜〜ってないてたもんね。

どうしておなかはへるのかな?

そんなうた、あったよね。

ねえ、どうしておなかはへるのかな?

ぜんぜん動いてないんだよ。

ふつうは体を動かしたりするとおなかがへるんじゃないのかな。

しばらくごはんを食べていないとおなかがへるよね。

他にはどんなときにおなかがへるのかな?

たいていこのふたつのうちのどっちかがげんいんだと思うんだけどな。

わたしはあんまり体をうごかしてなかったよね。

ごはんも毎日朝ごはん、昼ごはん、夕ごはんの三回食べてたよね。

おかわりもしてたし、おやつだって10時のおやつと3時のおやつの2回食べてたんだよ。

それなのに、どうしておなかはへるのかなあ?

ねえおなかの虫さん、もしかして君のせい?

君がわたしの食べたものをぜんぶ食べちゃうからわたしのおなかは空きっぱなしなのかな?

君は悪い虫さんだったの?

もしもそうなら、追い出さないといけないよ。

雪ちゃんね、雪ちゃんのお母さんにすごくすっごくおこられたんだって。

もうしばらくの間、これないって言ってた。

少しずつ食べればよかったんだよ。

そうすれば、雪ちゃん毎日きてくれたのに・・・・・・

どうしておなかはへるのかな?

きっと、おなかの虫さんのせいだね。

おなかの虫さんがぜんぶ食べちゃうんだよ。そのせいでおなかがへるんだ。

君は悪い虫さんだったんだね。

ねえ、悪くない虫さんならわたしをくるしめないで。

じゃないと、もう・・・さよならしちゃうよ。

・・・・・

・・・・・

・・・・・

ぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜

あは、

あははははは・・・・・・おかしいよね、こんなにかなしいのに・・・

ねえ、わたし、泣いているんだよ。

・・・・・

おなか・・・空いたね。

ばいばい






ぐぐぐぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

先生が言うにはね、

ぐぅ〜〜

おなかの虫さんはおなかの中にはいないんだって。

ぐぐぅ〜〜

おなかの虫さんはほんとうはわたしの心の中にいるんだって。

ぐぅ〜〜〜〜〜〜

おなかの音は気のせいなんだって。

ぐぅぅぅ

おなかの音はいぶくろが空っぽのときにガスがぬける音なんだって。

ぐぐぐぅ

だからね、おなかが空っぽじゃないときにはおなかの虫さんはなかないんだよ。

ぐぅ・・・・・・・

君はおなかの虫さんじゃなくって、心の虫さんだったんだね。

心の中にいるんじゃ、いくら吐こうとしても出てくるわけないよ。

あんなにくるしかったのに、ほねおりぞんのくたびれもうけだよ〜

あのね、少しずつ食べていいって。

少しずつ増やしていけばいっぱい食べれるようになるんだって。

だから、今はがまんしなさいって。

そうだよね。

あのとき、ないしょのくっきーを少しずつ食べていれば、今ごろずっとずっとたくさん食べることができたのにね。

わたしががまんできなかったのがいけないんだよ。

ごめんね、虫さん。

でもね、たくさん食べても満腹にはならないんだよ。

おなかが空くのはおさまっても、満腹にはならないよって言われちゃった。

だいしょーこういって言うそうだよ。

わたしはね、きれいな花や、ずっと向こうまで続いている海や、真っ赤にそまった夕焼けを見られないから、さみしいんだって。

さみしいから世界のいろんなものを見るかわりにいっぱいいっぱい食べてたくなっちゃうらしいの。

見るかわりに食べちゃえ〜ってことなんだよ。

けっこう単純だよね。

・・・・ねえ、君はさみしいの?

わたしはさみしくなんかないよ。ほんとだよ。

お母さんもお父さんも、雪ちゃんも、みんなみんな、見ることはできないけどわたしのそばにいてくれるもん。

わたしのこと、心配してくれるよ。

優しくしてくれるよ。

大切にしてくれる。

だから、さみしいことなんかあるはずないよ。

わたしは、さみしくないよ。

みんなが大事にしてくれるから、わたしはさみしくない・・・

もしも、さみしいかなってときがあったとしても、それはきっと君のさみしさ。

わたしがさみしいんじゃなくて、君がさみしいんだよ。

わたしの心の中にいる誰かさんがさみしいだけだよ。

わたしはさみしくない。

いつまでもこんな風じゃ、きっとみんな心配してるからね。

わたしはさみしくない。わたしはだいじょうぶだよ。

それでもさみしいような気がするときは・・・

きっとおなかが空いてるだけなんだよ。

ぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

おなかの虫さんがぐぅ〜〜〜ってないたよ。

今のはほんものかな?

それとも、君がないたのかな?

どっちでもいいよね。

ほんとうにおなかが空いてるのも、心の中のおなかが空いているのも、おんなじようなものだからね・・・

きっと、さみしいのっておなかが空いてるのと似てるんだよ。

わたしね、少しずつ食べるよ。

少しずつ少しずつ食べて、いっぱいいっぱい食べられるようになって、みんなをびっくりさせちゃうんだ。

雪ちゃんがびっくりぎょうてんしてあきれはてて、世界の終わりだわーって言うほど食べるよお。

それぐらい食べればきっとおなかの虫さんもさみしくなくなるよ。

ずっとずっと満腹にはならないけど・・・でも、さみしくないならそれでいいんじゃないかな。

ぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜

・・・おなか空いたね






飢えていた。

ひどく飢えていた。

ひどく、ひどく、ひどく飢えていて、あまりにも深く飢えていて・・・底さえも見えない程、ひどく飢えていた。

どこまでも、どこまでも、どこまでも飢えていて、

いつまでも、いつまでも、いつまでも飢えていて、

このまま、永遠に連なってしまうかのように・・・

果てしなく、果てしなく、果てしなく飢えていた。

底の抜けたバケツには水は溜まらないと思っていた。

埋まらない穴は決して埋まらないと思っていた。

でも・・・



「もうお腹いっぱいだよ」

「うそだろ!?、まだ3杯目だぞ」

「ほんとだよ〜。まんぷくぷくぷくな感じだね」

「熱でもあるんじゃないのか?」

「ちがうよ〜」

「なんか悪いもんでも拾い食いしたとか」

「ひどいよ、私は浩平君とは違うよ」

「なにー、俺は拾い食いなんかせんぞ。半年前のパンなら食ったことはあるがな」

「へー、だからそんな風なんだね」

「今、すっごくひどいこと言わなかったか?」

「きっと気のせいだよ」

「でも、ほんとに?」

「うん、お腹いっぱい」

「むむ、さてはっ、カレーライスはお腹が一杯だから次はラーメンってことだな」

「ほんとにほんとに満腹なんだってば〜」

「うそだな。俺の目はごまかせんぞ」

「ほんとにほんとにほんとだってば」

「ほんとにほんとにほんとにほんとか?」

「ほんとだよ」

「ぐあ、こういうのは続けるのがお約束だろ」

「ほんとに、お腹いっぱいだよ」

「ほんとにほんとか?」

「ほんとにほんとにほんとだよ」

「ほんとにほんとにほんとにほんとか!!」

「浩平君、なんだかうれしそうだね」



今は満ち足りていて・・・

心の中までお腹いっぱいだよ、浩平君。


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ども〜、ひさびさのはにゃまろです。
ふとSSのネタが浮かんだので突発的発作的に書いてしまいました。
なんだか前にも似たようなパターンがありましたが・・・
SSはいい。
仕事は修羅場だけど、
SSが書きたいなあ。
そんな思いが私にSSを書かせるのでしょう。
どんなにやばい状況でもっ
SSよい。
仕事わるい。
個人的にこんな公式が成り立ちますね。
ああ、SS書きたいよ〜
ネタが腐っていくのが悲しい。

では〜


なんだか後書きの後書きみたいなのを書かせてもらってます。
     
【刑事版】↓
http://www67.tcup.com/6717/denju.html