ピーターパン  投稿者:はにゃまろ


<登場人物>
ピーターパン:ちびこうへい
ティンカーベル:ちびみずか
フック船長:七瀬留美
ワニ(着ぐるみ):椎名繭

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前回のあらすじです。
ピーターパンたちはフック船長を海賊にするために海にやってきました。
そこにはひぽぽたますがいました。
でもフック船長はギャフンって言わずにぷらいべえとびーちバカンスです。
ワニはふぁすなーが欲しかったのでピーターパンにワニチョップです。
怒ったピーターパンはひぽぽたますにシュポンッと八つ当りしました。
そのせいでティンカーベルはうにゃーーーーーーっのボッシャーーーンでした。
以上!!



≪第4話 ピーターパン、海へ行く(中編)≫

青い空、白い雲、空には南国の太陽がさんさんと輝いています。
ここはネバーランドのどこかにある海岸。
ピーターパンたちは海にやってきたのです。
「う、う、うー」
「泣くなよー」
「みゅぅ、だいじょーぶ?」
「ひ、ひどいよ、わたしが乗ってたのにー」
「知らなかったって言ってるだろお」
「でも、でも待ってても誰も来ないし、いきなりシュポンッてなるし・・・すん、ひどいすぎだよー」
「だから知らなかったんだってばあ」
ワニ(着ぐるみ)が泣いているティンカーベルの背中をさすってあげています。
その横ではピーターパンがちょっときまり悪そうに頭を掻いてます。
「おまえが乗ってたなんて、ほんとに知らなかったんだからな」
実はティンカーベルが泣いているのは全部ピーターパンの所為なのです。
ピーターパンがティンカーベルの乗っていた船をいきなり消してしまったため、ティンカーベルはボッシャーーーンって海に落ちてしまいました。
ティンカーベルは泳げなかったのでもう大変です。
ネバーランドの海がちょっと特別な海でなかったら(息ができるのです)溺れてしまうところでした。
「ぼくのせいじゃないぞー。勝手に船に乗ってたティンカーベルがいけないんだ」
「うーーー」
「みゅぅ・・・」
ピーターパンにそう言われてティンカーベルはもう本泣き寸前です。
ワニもどうしたらいいのかわからず困ってます。
「みんな、団体行動はしっかり守ろうぜ」
きらーんっ
ピーターパンはにかっと眩しい笑顔を見せました。
うらめしそうな視線と困ったような視線がピーターパンにふりそそがれます。
「こらっ!」
こつん!
「あうっ!?」
いきなり何者かがピーターパンをこつきました。
ピーターパンがびっくりして振りかえると、背後にはいつのまにか忍び寄っていたフック船長がどーんと仁王立ちしていました。
「あんたねえ、今度は何やったのよ?」
「フ、フック船長かあ、びっくりしたじゃないか。言っとくけどぼくは悪くないぞお。ティンカーベルが船に乗ってるなんて知らなかったんだ。わざとじゃないんだからな」
「ううーーー」
ティンカーベルが抗議します。もういつでも本泣きおっけーのスタンバイ状態です。
「うみゅぅ」
ワニもだいぶ困っておろおろしてます。
みんなの様子を少し観察してからフック船長は言いました。
「あのね、なにがあったか知らないけど、わざとじゃないんだったら何してもいいってわけじゃないのよ。本当に少しも悪くないと思ってるの?」
「・・・そりゃあ、ちょこっとはぼくも悪かったかもしれないけどさ、でもティンカーベルだって、」
「はい、ストーップ。そのちょこっとのところ、よく考えてみて」
「ちょこっとのとこを?」
「そう、ちょこっとのところ」
「うーーん」
フック船長にそう言われて、ピーターパンは考え込みました。
ティンカーベルはスタンバイしながらもこっそり様子を伺っています。
「どお?」
フック船長が尋ねました。
「うん・・・ちょこっとひどかったかもしんないかな」
「だったら、何か言うことがあるんじゃない?」
そう言ってフック船長はティンカーベルの方を見ました。
ティンカーベルがあわててスタンバイします。
ピーターパンはどうしようか迷ってるようです。
「ほらっ」
「う、うん」
フック船長に後押しされてピーターパンはティンカーベルに謝りました。
「あ、あのさ、ぼくの方がちょこっと悪かったよ。その・・・ごめんな」
「・・・もうあんなことしない?」
「だから知らなかったって言ってるだろお。悪かったと思ってるからさ、おまえも勝手にぼくのそばを離れたりするなよ」
「・・・うん」
どうやらティンカーベルのご機嫌も直ったようです。
「うう、こーへーと一緒にいるといつもこんなのばっかりだよ」
ビシッ
ピーターパンチョップがクリティカルヒットです。
「ぼくはピーターパンだっ!! ・・・いいかげんにしないとほんとに怒るぞっ」
ピーターパンに言われてティンカーベルは、はっと口を押さえました。
「まったくどうしてわからないんだ。おまえ、もしかしてわざとやってるのか?」
「あ、あの・・・ごめんね、つい・・・。わざとじゃないんだよ、ほんとだよ」
「フック船長、ワニ、ぼくはピーターパンだからな」
「そ、そうなんだ」
「ほえー」
なんだか怒っています。
立場が逆転してしまったのでフック船長とワニはちょっと呆気にとられました。
「まあいいや、今回は勘弁してやるから今度からは気をつけろよ」
「・・・ほんとにごめんね。今度からはほんとに気をつけるよ」



なんとなくみんなが集まったのでピーターパンは主役として次の指令を下しました。
「泳ぐぞ!!」
「あっ、ちょっと待って」
フック船長がピーターパンを呼びとめました。
「どうしたんだ?、そういえばぷらいべーとびーちバカンスだったんじゃなかったっけ」
「あ、あのね、その事なんだけど・・・さっきは冷たくしてごめんね。別に船に乗るのがいやだったわけじゃないの。ただ、ちょっと目先のプライベートビーチに目が眩んじゃって・・・てへっ、いけない私。ほんとにごめんなさい」
ちょっと不自然なぶりっ子口調で謝ってます。
「・・・フック船長、なまこでも食ったのか?」
ピーターパンはフック船長の様子が変なので心配そうに尋ねました。
フック船長の顔が少し引きつります。
「えーーー、だめだよお。色がついてるのには毒があるって聞いた気がするよ」
「や、やっだぁ、私はなまこなんか食べてないわよお。心の底から反省してるの」
「・・・うみうしか?」
「まさか、いそぎんちゃくじゃぁ・・・だめだよー」
「みゅっ、かつおのえぼし?」
ピーターパンの両肩にガシィと手をおいてフック船長があやまります。
「ね、反省してるから許して」
「う、うん。別に気にしてなんかないぞ」
なんか様子が違うのでピーターパンは気圧されしてます。
「そう、よかったあ。ちょっと態度が素っ気無かったかなって心配してたの。別に気にしてないのね。よかったよかった」
「みゅー、よかったよかった」
「なあティンカーベル、なんかよかったのか?」
「うーん、よかったんじゃないかな?」
なんだかよくわかりませんが、とりあえずよかったようです。
フック船長はにこにこしながピーターパンの肩を突つきました。
「と言う事で水着だして」
ピーターパンの顔がふにゃっとなりました。
そういう事だったんですね。
「・・・みずぎ?」
「ほら、水着よ、水着。さすがに海賊服のままじゃ泳げないでしょ。お願い!」
「みずぎ、みずぎー・・・あー、うんうん。水着、水着かあ。そういえばそんなものもあったな」
「それよ、それ!、水着ーーー」
「フック船長、ぼくたち以外は誰もいないから気にせずにヌー・・・」
ピーターパンの両肩がミシミシっと音をたてました。
「みずぎ、ちょーだい。お・ね・が・い」
フック船長はとびきりの笑顔でピーターパンに頼みます。
ピーターパンは怖かったので首をかくかくと縦に振りました。
「うわー、うれしい。さすがはピーターパンね、話がわかるわ」
「ううー、肩がミシミシするー。・・・フック船長、ぼくのばつぐんのセンスで素晴らしい水着をプレゼントしてやるからな」
ピーターパンはそう言って、
「ストップ!」
「ん、どうしたんだ?」
「あのね、ひとつだけ言っておくけど、私ってふんどしとかだされて笑っていられるほど心が広くないから、ちょっと痛いかも。それだけよ」
フック船長はにっこり微笑んでいます。
「あ、あはははは。そ、そんなベタなギャグかましたりするわけないだろ」
空からヒラヒラと何かが落ちてきましたが、なんだかわからないうちに消えてしまいました。
フック船長が気付く前だったのでピーターパンは大助かりです。
「さあ、水着を!」
「わかったよお。・・・もしかしてワニもいるか?」
ワニは当然のごとく頷きました。
「じゃあ、やっぱり着ぐるみは脱いじゃうのか?」
「暑いもぅん」
ピーターパンはちょっとがっかりです。
「ティンカーベルはいつもどおりのだよな」
「ふぇ?」
「すっぽんぽんだよな」
ピーターパンはにかっと笑いながらそう言いました。
「えっ、あんた達っていつもそうなの?。・・・まあ子供同士だし、別にいいんだけどね」
「うわーっ、うそ、うそだよ、わたしそんなことしてないもん!。わたしの水着もいるよお」
「うう、みんな素直じゃないな。ぼくは全然おっけーなのに」
「水着」
「みゅー、ちょーだい」
「ごめんね、でもわたしも水着いるよお」
「もういいよ、ぼくは孤独だあ」

ばばんっ

大中小、三つのスクール水着が出現です。
「・・・スクール?」
「みゅっ、水着!」
「ありがとーだよ」
ワニとティンカーベルは喜んで水着を手にしましたが、フック船長はなんだか不満げです。
「ねえ、なんでスクールなの」
「へ?、水着ってそれのことだろ」
「確かにこれも水着だけど・・・もっと他のこう、いろいろあるでしょ」
「いろいろって言われてもさ、ぼくそれ以外のやつはよく覚えてないんだ」
「マジなの?」
「他にどんなのがあるんだ?、ぼくは知らないものは作れないぞ。フック船長、説明してくれよ」
「えーと・・・」
フック船長は地面に絵を描いたり身振り手振りを駆使したりして、もてる力すべてを注ぎ込んでピーターパンに説明しました。
・・・・・・
どっちゃり
水着らしきものの山があります。
「さあ、どれでも好きなのを選んでくれ!!」
ピーターパンの独創性が芸術は爆発です。
「・・・ごめん、期待した私がアホだったわ」
結局フック船長が選んだのは一番最初のスクール水着でした。



「はあ、海はいいわねえ、これが南国の海なのね」
「うみだよお」
「みゅー、うみー」
ばしゃばしゃ
「なんかパンフレットそのままって感じがするけど、でも海だわー」
フック船長は南国の海を堪能してます。
「ほんとのうみだよお」
ぷかぷか
泳げないティンカーベルは浮き輪を使用中です。
「うみー、うみー」
ばしゃばしゃばしゃ
「みんなー、大変だーー!」
みんなが海をじっくり味わっていると、ピーターパンがなんだか慌てた様子でやってきました。
なんだかよくわからないものを浮き輪がわりにしています。
「どうしたの?」
「ワニが行方不明なんだ!!」
「みゅ?」
ピーターパンはなんだか妙な事を言っています。
「ワニならここにいるよお」
「どこだ?」
ピーターパンはきょろきょろと辺りを見渡しました
「みゅー、わにー」
ワニがピーターパンの腕を突っつきます。
「どこにもいないではないか。ワニ、いったいどこへ行ってしまったんだ」
「ほえ?」
「あんた、なに言ってるの?、ここにいるでしょ」
「ピーターパン、だいじょーぶ?」
「なんだってえ、ワニはここにいるっていうのか!?」
なんだかわざとらしいほど大げさに驚いています。
「ほら、ここにいるじゃないの」
フック船長がワニの頭をぽこんぽこんと軽くたたきました。
「みゅ、わにーわにー」
「どれどれ・・・おお!?」
ピーターパンは自分が乗っていたものをがばあっと掲げました。
「こ、こんなところにワニの抜け殻があぁぁぁっ」
なんと!!
ピーターパンがぷかーっと浮き輪がわりにしていたのはワニの抜け殻(着ぐるみ)だったのです。
「な、なんてことだあ。ワニがこんな変わり果てた姿に・・・」
ピーターパンはワニの抜け殻にすがりつきました。
「・・・あんた、なにやってんの?」
「みゅぅぅぅ、わにだもぅん」
ワニが自己主張します。
「ワニー、なんでだよお。こんなぺらぺらになってしまうなんて・・・いったい何があったって言うんだあ」
復讐です!、ピーターパンはあのワニチョップのことを忘れていなかったのです!!
「ワニーーーー、きっと立派なはくせいにしてやるからなあ」
「うっ・・・うぐっ・・・わにぃ」
「こんなふぁすなーまで付いてしまって・・・お墓代わりに、でっっかいテリヤキバーガー山を作ってやるからなあ。ワニよぉーーーーー」
「こらーーーーー!!」
がっつーん
「あぐはぁぁぁっ」
「ふわっ、痛そうだよ・・・」
フック船長の鉄拳制裁です。
「な、なにするんだよお」
頭を抱えながらピーターパンは文句をいいました。
あまりの激痛に涙ぐんでます。
「あんたが何やってんのよ!!。見なさいっ、ワニ泣きかけじゃないの」
「ううー、ぼくはただ、こんなになってしまったワニが可哀想だったんで・・・」
ピーターパンはワニの抜け殻を抱きしめました。
「あんた、ほんっきで言ってんの」
フック船長が手をパキパキ鳴らします。
「ううー、ごめんなさい」
ピーターパンは怯えながら謝りました。
「私に謝ってどーすんのよ。相手が違うでしょ」
「う、うー・・・ワニ、ごめんな」
「うぐ、みゅぅぅぅ」
ワニはワニの抜け殻をひったくると中に潜り込もうとしました。
とーぜんそれを浮き輪がわりにしていたピーターパンは引っくり返りました。
「ちょっとワニ、どうしたのよ?」
「ぐはっ、ごほっごほっ・・・ワ、ワニー、ごめんよお」
「・・・わにだもぅん」
ワニだそうです。
きっとワニになりたいのでしょう。
「たぶんワニだってわかるように、えーと・・・ワニ皮を着ようとしてるんだよ」
「そ、そうなの?」
「わにだもん!」
ワニはフック船長の質問にきっぱりと答えました。
やっぱりワニだからワニになろうとしているようです。
「無茶だよお。びしょびしょのしわくちゃだし、海の中だし・・・」
「ちょっとピーターパンなんとかしなさいよ」
「ぐぅ、ちょっとした受け狙いのつもりだったんだぞ」
まだズキズキする頭をさすりながらピーターパンも気まずそうです。
「あれはちょっときついよ」
「さっきの事といい・・・あんた学習性ってあるの?」
「だって、だってさあ、あれを脱いじゃったらワニだってわからないじゃないかあ」
「あのね、私だって今は海賊服着てないじゃないのよ」
「わっ、そんなこと聞いちゃだめだよ」
「・・・フック船長、ぼくの口からそれを聞きたいのか?」
フック船長のこめかみがピクピクっとしました。
「もう二、三発かましとこっか?」
「フック船長、今はワニだよ」
ティンカーベルが助け舟をだします。
「はっ、そうだったわ。あんたっ、どうするつもりなのよ。なんとかしなさい」
「悪かったよお。ごめんって言ってるだろ」
ビシャン!ビシャン!
ワニがなかなか着れないワニの着ぐるみに苛立ってかんしゃくを起こしています。
「みゅぅぅっ」
ビッシャーーン
「ほら、なんとかしなさいよ」
「うーん、なんとかって言ってもなあ」
「ねえ、てりやきばーがーじゃだめかな?」
「ダメよ、濡れちゃうでしょ」
「みゅぅぅぅぅ!!」
ビッシャンシャーーーン
ワニの抜け殻が振り回されています。
「なあ、フック船長がワニをなだめてくれよ」
「・・・ごめんなさい。私には、それはできないのよ」
「えっ、なんでだ?」
「知らないの?、フック船長はワニが苦手なのよ!!」
「ぐ、ぐはぁ・・・まさかその手でくるとは・・・」
「あ、あの、あのね。今は・・・」
「さすがはフック船長だな」
「ふっ、私だって伊達や酔狂で乙女やってわけじゃないのよ」
「くぅ、今回はぼくの完敗だ。いさぎよく負けをみとめるよ」
「あんたもまだまだ修行が足りないわね」
「ねえっ、またなんか違っちゃってるよ!。今はワニだよお」
「あっ・・・そ、そうだったわ」
「そうだったじゃないだろ!、フック船長、本当に頼むよお」
自分ものってたくせして、ピーターパンは知らんぷりで頼みました。
「そうね・・・まずは自分でがんばりなさい。だめだったら手伝うわ」
「そんなあ、ずるいぞお」
「ほら、諸悪の根源、なんとかしてきなさい」
全部ピーターパンに押し付けられてしまいました。
ピーターパンは考え込んでます。
「うーーーーん・・・おお!?」
一瞬、ピーターパンの頭の上に電球がペカッと光りました。
「なんかいいアイデアでも見つかった?」
「うん、まあな。目には目を、ワニにはワニだあ」
「・・・ワニには、ワニ?」
「なんだかよくわかんないね」
「ふっふっふ、まあ見てろ」
そう言ってピーターパンは、まだ暴れているワニに声をかけました。
「おーい、ワニーーー」
「・・・まだ、わにじゃないもぅん」
ワニ拗ねてます。
「まあまあ、さっきは悪かったよ。お詫びのしるしにこれを受け取ってくれい」
「みゅ?」
てれれてっててーーー
「ワニぼうしー」
「みゅみゅっ!?、わにぼーし!!」
ワニ帽子。
それは、ワニ(本物)の頭部をでふぉるめした帽子です。
これさえかぶれば着ぐるみを着ることなくワニになれるといった優れものなのです。
「これでどこからどう見ても立派なワニだぞ」
ピーターパンはワニ帽子をワニの頭にかぶせました。
「みゅうーーー、わにー」
どうやら気に入ったようです。
ワニ大喜びです。
機嫌が直るのも早いですね。
「ワニぃ、ほんとにごめんな」
「みゅー、もう気にしてないから・・・」
「・・・ワニ」
「ピーターパン・・・」
ざばざばざば
「ワニよぉーーーーー」
「みゅーーーーーーー」
ガシィ
ピーターパンとワニは飽きもせずに、またもやガシィと抱き合いました。
これで二人の友情はさらに深いものとなったことでしょう。
「またこれかいっ!!」
「よかったあ、めでたしめでたしだよ」
よかったよかった、これにて一件落着ですね。
めでたしめでたし、どっとはらい






「帰り道・・・」

「へ・・・?」

「帰り道は悲しいよな」

「いきなりどうしたのよ」

「フック船長、帰り道って悲しいと思わないか?」

「うーん、それはシチュエーションにもよるわね。どこからの帰り道?」

「えっとだな・・・今、海で遊んでるだろ。その帰り道とかだ」

「遊び終わって、自分の家に帰る時ってことね」

「・・・うん、そんなところだな」

「そういう時は悲しいって言うより残念な気分かな。もっと遊びたいけど、もう遊べない。それが残念ね」

「フック船長、そうじゃないんだ」

「なんか違った?」

「明日も明後日も、その次もその次もずっとずっと遊んでいられるんだよ。いつまでだって遊んでいられるんだ。でも、なんだか・・・悲しいんだ」

「そうなの・・・」

「ぼくはなんで悲しいのかわかっていたんだ。それがどうしてなのか、知っていたんだ・・・」

「・・・・・・ねえ、あなたは、」

「でもっ・・・でも、そんなのずっと昔に忘れちゃったよ」

「・・・・・・」

「忘れちゃったほうが、悲しくないからな」

「ピーターパン・・・」


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ども〜、はにゃまろです。
うわっ、3週間ぶりだあ。

言い訳です。
1:だって仕事が・・・
2:書き溜めてたSSが尽きちゃって・・・
3:実はスランプで・・・
以上!!

うーん、前後編の予定だったんですが・・・
なんかのびちゃった。
えーと・・・後編(たぶん)に続く!!