お・か・し戦記4 投稿者: はにゃまろ
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<主なキャスト!>
まぼろしの鯛焼き、鯛焼き浩平(こし餡):折原浩平
「超伝説の傭兵です。この話の主役!のはずです。今回も出番なし」
パタポ連合軍総司令にしてパタポ王国の王、ふつーのクレープの髭王:髭
「とりあえず髭です。ずっと出番なし」
パタポ連合軍総司令代行にしてパタポ王国王女トリプルフルーツミックスクレープみすか姫:長森瑞佳
「肩書き長すぎ。ヒロイン!のはずです。今回も出番なし」
パタポ王国筆頭執事バナナクレープのバナ爺:住井護
「ぜんぜん住井じゃないです。ほとんど後書き専門。だけど出番あり」
カツカレー私兵団団長:川名みさき
「みさき団長です。私兵団壊滅してて大変。今のところ出番なし」
カツカレー私兵団副団長:深山雪見
「同じく大変です。今のところ出番なし」
照り焼きバーガー傭兵団八番隊隊長、照り焼きバガー:繭の父
「外人?。死んでます。出番あり」
その妻、照り焼き華穂:椎名華穂
「繭ママです。もちろん出番あり」
その娘、照り焼き繭:椎名繭
「名字ぴったしっぽい?。今回主役!のつもり」
そのペット、ミルフィーユのミュー:ミュー
「生きてます。とーぜん出番あり。みゅー」
パタポ連合軍の傭兵、雷光の特大チョコパフェ澪:上月澪
「伝説の傭兵です。とっても強いんだよ。スペシャルワッフル戦で負傷?。出番あります」
パタポ連合軍の傭兵、魔剣士大盛りにんにくキムチラーメン留美:七瀬留美
「伝説の傭兵です。名前長すぎ。スペシャルワッフル戦で負傷?。現在入院中です。出番あり」
山葉堂帝国の謎の戦士、死を呼ぶくりーむ色の堕天使スペシャルワッフル:?
「謎です。出番なし」
山葉堂帝国皇女、ワッフルフル茜:里村茜
「名前変だったんで後ろに茜って付けました。出番なし」
謎のベルギーワッフル、ベルギー詩子:柚木詩子
「謎です。Jリーグみたい。出番なし」
山葉堂帝国前皇帝、おーそどっくすワッフルの店長:山葉堂の店長
「とりあえず店長です。ずっと出番なし」
仮面の缶ジュース:氷上シュン
「謎です。出番なし」
パタポ連合軍分析班、苺クレープ南:南明義
「三人称で解説してくれます。出番あり」
団子屋のみなさん:広瀬真希とその取り巻き
「今回だけのキャラです。出番あり」

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<あらすじ>
ここはおかしたちが住むおかしの国です。
えっ、おかし以外のも居るじゃないかって?。
よーく思い出してください。
彼らはみんな傭兵なのです。
基本的にはおかしの国なんですよ。
むかしはせんそーしてたんだけど、今はみんなへーわに暮らしていました。
でも大変、いきなり悪の山葉堂帝国がせんせんふこくしたんです。
それも、みんなにですよ。
みんな驚きましたが、しょうがないので力を合わせて悪の山葉堂帝国に立ち向かいました。
一番おっきかったパタポ王国を中心に、パタポ連合軍を結成したのです。
そして、山葉堂帝国の精鋭ホイップ&カスタードワッフル部隊を、
季節限定マロンマロンデラックストッピング砲でぶっとばしたんですって。
でも、季節限定だったんで結局相打ちっぽかったんです。
それから、和平交渉に行ったパタポ王国のふつーのクレープの髭王が帰り道でぶっ倒れたり、
照り焼きバーガー傭兵団とカツカレー私兵団が激突してどっちもほとんど全滅したり、
突然戦場にあめやあられやみぞれシロップとか雪見大福とかまで降ってきてみんなびっくりしたり、
だんご3兄弟ネタを使おうと思ったけど、三人組って言ったらあいつらしかいないしなあ。
でも予約入ってるしと思ってたら、ブームはもう過ぎ去った感じだったり、
ともかく戦いはてんやわんやだったそうです。
そして!、戦局が膠着状態に陥り始めた頃、突如それは現われました。
砂糖をふんだんに使い、練乳を練り込んだ蜂蜜を惜しむことなくふり注いだ、忌むべき悪魔が。
山葉堂帝国の切り札、死を呼ぶくりーむ色の堕天使 スペシャルワッフルが戦場に降臨したのです!
と言うわけで、

≪お・か・し戦記4 ちゅーもんが多いかもしんない団子店≫

「ねえ、おとーさん」
「なんだい?」
「おとーさんってつおい?」
「ははは、そうだな。父さんは傭兵仲間の間ではかなりのもんだぞ」
「やっぱり、おとーさんってかっこいい」
「んんー、そうかあ」
「あのね、おとーさん。お願いがあるの」
「いいぞお、なんでも言いなさい」
「わたしね、おっきくなったら、おとーさんのね」
「うん、うん」
「ドンブリがほしいの!」
「え゛?」
「わたし、おっきくなったらりっぱなにんにくキムチラーメンになる!」


がばあっ。
「ゆ、ゆめ?」
朝です。ここはパタポ病院の一室。
大盛りにんにくキムチラーメン留美はスペシャルワッフル戦で手傷を負い現在入院中なのです。
「ふう、またあの夢を見てしまった」
カシャー
大盛りにんにくキムチラーメン留美は頭上のラーメンドンブリの位置を直すと
病院のカーテンを開けました。
「今日は退院の日。ついにあの雪辱を晴らす時が来たわ」
外は良い天気です。今日も一日、晴れることでしょう。
「くうー、長かった。待ってなさいよお、私が必ずこの手でっ」
大盛りにんにくキムチラーメン留美は太陽に向かってビシィッと誓いました。
コンコン。
その時、ノックの音がしました。
誰かがお見舞いに来たのでしょうか?。
「はーい、どうぞ」
ガチャ
「みゅ、こんにちは・・・」
「げっ!」
ドアが開き、可愛らしい女の子がおずおずと入ってきました。
どうやらお見舞いとは少し違うようです。
(お、落ち着きなさい留美。この子とは初対面なのよ。前に会ったことがあるような気がするのは・・・
そうデ・ジャヴュ!、デ・ジャヴュよ。なにも心配する事なんかないわ)
「えっとお、どちらさまでしょうかあ?」
大盛りにんにくキムチラーメン留美はなぜかブリッコ言葉で話しかけました。
じーーーー
どうやら相手は大盛りにんにくキムチラーメン留美を観察しているようです。
ピーン!
(はああっ、乙女の直感が!。まずいっ、まずいわ、このままだとおー)
「あ、あのー、どんな用事かな?」
今度はにっこり微笑んでみました。少し引きつって見えるのはきっと気のせいでしょう。
じーーーー
観察しています。
「お、落ち着いて話し合いましょう。ねっ」
今度は首を横にかしげます。そのため、おさげがふわっと動きました。
「みゅーーーっ」
「わー、やっぱりーーー」
その女の子は勢いよく大盛りにんにくキムチラーメン留美のおさげに跳び付きました。
お約束ですね。
「ギャーーーーーッ!」
そして、バランスをくずした大盛りにんにくキムチラーメン留美の上に、案の定というか当然のごとく
大盛りにんにくキムチラーメンがぶちまけられてしまいした。
ばっしゃーーーーん!
「ギニャーーーーーッ。熱いんじゃい、ぼけーーーーーーーっ!」
どうやら女の子の方にはかからなかったようです。よかったですね。
「うぐっ、にんにくキムチくさい」
「涙ぐむなああああっ!」


<大盛りにんにくキムチラーメン留美の乙女のひみつ>
そのいちっ:ラーメンドンブリから下は普通の七瀬留美とまったく同じだ。
ただし、少しにんにくキムチくさいかもしれないぞ。このことは本人には絶対内緒だ!。
そのにっ:大盛りにんにくキムチラーメンはいつでもあっつあつだぞ。謎を解く鍵は乙女の力だ!
そのさんっ:なんと!、2週間もの間ラーメンがのびることはないぞ。その秘密は乙女の力・・・
じゃなくてドンブリにあるんだ。特殊製法によって生み出されたこのドンブリのおかげで、
いつでもどこでも出来立ての味!。おいしいにんにくキムチラーメンをいただくことが
できるぞ。安心と信頼のFALGO印だ。
そのよんっ:大盛りにんにくキムチラーメン留美が愛用しているのは小吉ラーメンの大盛りにんにく
キムチラーメンだ。出前を頼むといつでもどこでもわずか3分で届けてくれるんだ。
これでもうカップラーメンとはお別れだね。大量のにんにくとキムチがおいしさの
決め手だ!。


「先に行ってしまわれたですじゃとーーーー」
「もがもが」
久しぶりの叫んでいるのはパタポ王国のみずか姫筆頭執事バナナクレープのバナ爺です。
どうやら大盛りにんにくキムチラーメン留美のお見舞いに来たのではないようですね。
「なんと言うことですじゃあ。照り焼き繭殿はまだ幼い身、武芸の心得などないのですぞ。
もし彼女の身になにかあったら御両親に会わせる顔がないですじゃあ。万が一の時にはこの腹
かっさばいてお詫びをするしかないですじゃ。その時は留美殿にも付き合ってもらいますぞ」
「もががぁ、もがもが」
どうやら、最初から説明しなさいよと言っているようです。包帯が邪魔で喋りにくそうですね。
「話せば長くなる事なのですじゃが、繭殿のお父上は照り焼きバーガー傭兵団八番隊隊長、照り焼き
バガー殿なのですじゃ。知ってのとおり照り焼きバーガー傭兵団は先のカレバガの戦で全滅ですじゃ。
繭殿のお父上もその戦いで・・・。繭殿はお父上の仇を討とうというあっぱれな心意気で馳せ参じた
という訳ですじゃ」
「もがぁ、もがもが」
どうやら、あほかあ、無理に決まってるでしょうがと言っているようですね。
「しかしいくら心意気は高くともそれは無謀というものですじゃ。思いとどまるように説得したのです
じゃが、どうも何を言ってるのかよくわからな・・・いやいや、繭殿の決意は固く、どうしても仇を
討つと言っておられるのですじゃ。そこで、傭兵の中でも名高い留美殿に護衛も兼ねて、道中で説得
してもらおうと思ったのですじゃが・・・どうやらそれも無理のようですじゃ」
そうです、大盛りにんにくキムチラーメン留美は大盛りにんにくキムチラーメンを頭から浴びてしまい
現在入院中なのです。ぐるぐる巻きの包帯が痛痛しいですね。
「もがぁがぁ」
どうやら、なんでミイラみたいな状態なのよ!と言っているようです。
にんにくキムチ臭いのを遮断するためには仕方がない事なのです。
臭いが抜けるまでは我慢してくださいね。
「こうしてはおれませんですじゃ!。急いで繭殿を探さないと・・・」
バナ爺はあわてて帰っていきました。
病室には大盛りにんにくキムチラーメン留美が一人、ぽつんと横たわっています。
「もがあ」
どうやら、もうこんな役いやと言っているようです。
大丈夫、いつかきっとにんにくキムチ臭くなくなる日が来ることでしょう。
それまではがんばってくださいね。


あっぷる街道。
パタポ王国から北へと向かう街道です。
昔は主要交易街道として栄え多くの商人達が行き来していましたが、今やこの街道を行き来する人々
の目的はまったく別種のものとなっていました。
この街道の遥か先でパタポ連合軍と山葉堂帝国の両陣営が睨み合っているのです。
そんな物騒な街道を一人の少女と一匹のミルフィーユが歩いています。
「ミュー、お腹空いたね」
「ミュー!」
照り焼き繭とそのペットのミューです。
どちらも元気いっぱいですが、そろそろお腹が空いてきたようです。
「ミュー、何かないかな?」
「ミューー!」
ミューは勢いよく街道沿いの野原を探し始めました。
ミルフィーユはとっても嗅覚が鋭いのです。
でも今の季節はきのこ、たけのこ、すぎのこの時期ではありません。
しばらく辺りを駆けずり回ったミューですが、残念ながら小枝1本しか見つけられませんでした。
「ミュゥ」
「みゅ!、半分こだね」
ミューの小枝を仲良く半分こしましたが、さすがに小枝半分だけでは足りないみたいです。
「みゅー、お腹空いた・・・」
「ミュゥー」
「ミュー、そろそろ帰ろっか」
「ミュミュッ」
二人がきびすを返そうとしたその時です!。
突然、ざわざわざわと強い風が吹きました。
「みゅーーーっ!」
「ミューーーッ!」
そして、なんと街道のすぐ脇にお団子屋さんが現れたのです。
その看板には高級団子店HIROSEと書かれていました。
「ほえー」
「ミュー」
あからさまに怪しい現れかたですね。
「テリヤキバーガー!」
「ミュー?」
しかし、照り焼き繭は躊躇せずお団子屋さんに入ってしまいました。
カランカラン
「いらっしゃいませー」
「ようこそ当店へ!」
「当店は注文の多い団子店ですのでなにぶんご了承下さい」
店に入るとどこからともなく声が聞こえてきました。
そこは小部屋になっていて正面にドア、脇に籠が置いてあります。
言ってる事も怪しさ大爆発ですね。
「みゅ、テリヤキバーガー」
「まずは武器の類を脇にある籠にお預けください」
「テリヤキバーガー・・・」
「当店は団子屋です。武器の類を脇にある籠にお預けください」
「みゅう、テリヤキバーガー」
「団子、嫌いですか」
「テリヤキバーガーが好き」
「それじゃあ、テリヤキ団子なんていかがでしょうか?」
「みゅみゅ!、テリヤキ団子!」
「おいしいですよー。みたらし団子の10倍はおいしいですよ」
「テリヤキ団子ほしい!」
「ミュゥ、ミュゥ」
どうやらミューはこの店の怪しさに気付いたようです。
「どうしたの、ミュー?」
「ミュミュミュゥ!、ミューッ」
「ミューもテリヤキ団子ほしいって」
残念、ミューの意志は伝わりませんでした。
「おまかせ下さい。まずは武器の類を脇の籠へ」
「みゅ?、武器もってない」
「ミュッ、ミュッ、ミュッ!」
「そうですか!、それは結構な事です。いえ、武器を持ったままの食事などマナーに反しますから。
なにぶん当店は高級団子店ですので、どうかご了承ください。それではドアを開けて次の部屋へお進
みください」
照り焼き繭は次の部屋に入っていきました。
次の部屋も小さな部屋で正面にドア、脇に籠と前の部屋と同じ構成です。
「みゅー、テリヤキ団子」
「それでは上に着ている鎧の類を脱いで脇の籠に入れて下さい」
「テリヤキ団子」
「いえ、当店は高級団子店ですから、鎧の類を着たままの食事などと言うマナーに反する事を
していただく訳にはまいりませんので。どうかご了承ください」
「みゅぅ、鎧着てないー」
「そうですか!、それは結構な事です。では次の部屋へどうぞ」
「お腹空いた・・・」
「もう少しでございますので、どうかご辛抱願います」
「ミュー、大丈夫かな?」
「ミューーー、ミュミュー」
「うん!」
しかし、ミューの必死の問いかけも虚しく照り焼き繭は次の部屋に入っていってしまいました。
次の部屋も前の部屋と同じ構成ですが、籠のかわりに金庫が置いてあります。
「それでは貴重品を金庫の中へお預けください」
「テリヤキ団子ーーー」
「もう次の部屋ですので、どうか後少しご辛抱願います」
「みゅう・・・貴重品ってなに?」
「えっ?、き、貴重品分からないんですか?」
「みゅうー、テリヤキ団子まだ?」
「ど、どうしましょうか、貴重品分からないそうですよ」
「なんですってえ、よっぽどの田舎者ね。ちょっとマイク貸しなさい」
「えっ、大丈夫ですか?」
「大丈夫に決まってるでしょ。ほらっ」
「は、はい」
「いい、貴重品って言うのは大切なものの事よ。さっさとあんたの大切なもの金庫に入れなさい」
「わっ、だめですよ、そんな言い方しちゃ」
「うっさいわね、大丈夫よ」
「みゅう、大切なものを入れるの?」
「そうよ、さっさと入れなさい」
「ミュー、ちょっと我慢してね」
「ミューーーーーー、ミュウ、ミュウ、ミューーーーーーッ!」
カシャン
ああ、無情にも金庫の扉は閉じられてしまいました。
「ミュゥ、ミューーー」
どうやら息はできるようです。よかったですね。
「貴重品入れたよ」
「あっそ、そんじゃあ・・・」
ゴスッ
「ご、ご迷惑御掛けいたしました。それでは次の部屋へどうぞー」
そして、照り焼き繭は次の部屋に入っていってしまいました。
部屋の中では数人のマヌケな男達が団子を食べていました。
「いやー、こんな所に高級団子店があるとは知らなかったよ」
「このもちっとした歯ごたえがいいじゃん」
「このタレなんか最高ですよ!」
「南はお皿の上を観察した。なんとそこには団子が3本あった。どうやら草団子のようだ」
一応団子を食べさせてくれるようです。
「いらっしゃいませ。メニューでございますう」
「テリヤキ団子!」
「へっ?」
「みゅー、テリヤキ団子」
「テ、テリヤキ団子ですか?」
「うん」
「申し訳ございません。メニューにあるものをお願いします」
「うぐっ、テリヤキ団子〜」
「あっ、あっ、ちょっとお待ちください」
女子店員Aはあわてて奥に駆け込んで行きました。


「ちょっとお、なんであんな子供がいるんですかあ」
「えっ、子供」
「あんな小さな子まで・・・いくらなんでも、やり過ぎですよ」
「もしかして、みゅーって言ってなかった?」
「言ってましたけど、なにか?」
「隊長、さっきの人、やっぱり子供だったみたいですよ。だからカメラも付けようって言ったんですよ」
「・・・」
「あら?、ちょっと強すぎたかしら」
「ともかく、あんなちいさな女の子まで連れていくのは私反対ですよお」
「あーもう、わかったから取り敢えずなんか食わしといて」
「でも、テリヤキ団子って言ってるんですよお。どうしろっていうんですか?」
「あら、そう言えばそんな事言ったわね」
「無責任な事言わないでくださいよお。どうするんですか」
「んー、みたらし団子出しときなさい」
「そんなあ」
カランカラン
「あっ、誰か来ましたよお」
「わかってるわよ、私にまかせといて。それより早く団子出してあげなさいよ」
「でもお」
・・・みゅ〜、テリヤキ団子〜・・・
「ほら、催促してるわよ」
「もうっ、知りませんからね」
「はあ、地味な仕事・・・さてと。いらっしゃいませー、ようこそ当店へ!」
「当店は注文の多い団子店ですのでなにぶんご了承下さい(あほくさ〜、もっとましな計画
考えられないのかしら)」
・・・
「あら?、もしもし、お客様?」
・ ・・
「お客様?、おられないのですか?」
・ ・・
「お客様!」
・ ・・
「風かしら?、だからカメラ付けろって言ってるのよ、もう」


奥から女子店員Aが戻ってきました。
「はーい、いますぐテリヤキ団子作りますからね〜。何個ほしいんですか?」
「いっぱい」
「い、いっぱいですか」
「テリヤキ団子、いっぱい!」
「はーい、かしこまりましたあ」
しばらくして照り焼き繭の前にはみたらし団子が山のように積まれました。
「わあっ」
「全部こちらでお召し上がりでしょうかあ?」
「うん!」
「そ、そうですかあ」
もう、夢中でみたらし団子にかぶりついています。
よっぽどお腹が空いていたんでしょうね。
「あのー、テリヤキ団子おいしいですかあ?」
女子店員Aが話しかけてきました。
「うん!、みたらし団子よりおいしい」
「あはっ、そうですかあ・・・えっと、あのですね」
「みゅ?」
「お客様、お名前はなんて言うんですかあ?」
「照り焼き繭!」
急に女子店員Aが声をひそめました。
「繭ちゃん、このお団子お持ち帰り用に包んであげるから、あそこにある裏口から帰りなさい」
「?」
「あ、あのですね、この店はあんまりいい店じゃないんですよ」
「みゅみゅ?」
「ほら、あのお客さん達を見てください」
女子店員Aが指差した方を見るとさっきまでお団子を食べていた客達がなにか喋ってます。
「うまい、うまい、うまいぞーーー。思わず巨大化してしまいそうだー」
「うまいよお、ほんとにうまいよ。団長にも食べさせてあげたいよお」
「お持ち帰り100個だあ。いや200個だあ」
「団子の攻撃、ズバシャシャーン。改心に一撃。南は改心してしまった。・・・うーん、うまい」
なんか様子が変です。
「す、好きだったんです。始めて会った時からずっと・・・」
「ぼく、実は10歳までお母さんと一緒に寝てたんだ。お母さーん、ぼく元気にしてるよー」
「だからよー、軍なんてもんはよー、信用できねーんだよ。用済みになったらポイなんだよ。
傭兵なんて所詮は捨て駒なんだよ。くそー、俺達はがんばったじゃねーかよ。えっ、あの扱いは
ねーだろ、こら」
「か、か、解説しよう。戦況を分析すると現在山葉堂帝国が8:2の割合で優勢である。しかし諸国も
後がないと言う事を悟りパタポ連合軍への兵力、資金、兵糧、最新の軍事研究等の出し惜しみを中止
したもよう。今後の戦況はあれに頼る山葉堂帝国にとっては分が悪いと言えるだろう」
どうにも変ですね。
「あのね、ここのお団子には自白剤とか幻覚剤とかが入ってるんですよお。あっ、繭ちゃんのお団子に
は入ってないから安心してね。それでああやって、いろいろ情報を引き出してから洗脳しちゃうですよ。
実はですね、ここは山葉堂帝国の工作部隊が運営してるお店なんです。だからおトイレ行くふりでも
して早く逃げてください」
『そうだったの!』
「えっ?」
「みゅっ!」
なんと!、そこには何時の間にかスケッチブックを持った女の子がいました。
伝説の傭兵、雷光の特大チョコパフェ澪です。
「えっ?、えっ?、お客様?。何時からそこにいらしたんですか!」
『さっきからずっといたの』
「うそ、ぜんぜんわかんなかったですよお」
『気配を消していたの』
「す、すごいんですね」
『でも、知らなかったの』
不思議な事にスケッチブックが自然にめくれて文字が勝手に浮びあがってきています。
『普通のお団子屋さんだと思っていたの』
「あのお、お客様はどちら様でしょうか?」
『パタポ軍の傭兵なの』
「い、今の話、聞いてました、よね」
『聞いてたの!』
「お、お団子いかがでしょうか」
『遠慮しておきますの』
「み、見逃してくださいー。私、下っ端なんですう。偉い人は奥にいるんですう」
ちょっと不甲斐ないですね。
『いい人みたいだから許すの』
そう言って特大チョコパフェ澪は奥の部屋に入っていきました。
バリバリバリー
「キャーー」
ビリビリビリー
「えっ何?、何?ってギャーーー」
さすがに伝説、あっと言う間です。
『片が付いたの』
奥の部屋から特大チョコパフェ澪が出てきました。
ドアの隙間から覗くと、焦げた足がピクピク動いているのが見えます。
『お団子下さいなの』
「えっ?、あはっ、えーと・・・どれにいたしましょうかあ」
『その子が食べているのがいいの』
「テ、テリヤキ団子ですね。しばらくお待ち下さい〜」
ほえ〜
『珍しいの』
特大チョコパフェ澪は感心しています。
「みゅーー、お団子おいしい」
照り焼き繭は、ずっとお団子を食べていたようです。
そして、
「ミュー、ミューー、ミューーー(涙)」


「あら、おかえりなさい繭」
「みゅ、ただいま」
「あらあら、おっきな荷物ね。どうしたの?」
「お団子。お母さんにお土産・・・」
「まあ!、繭、ありがとう。でも、お金はどうしたの?」
「バナナのお爺さんに貰った」
「繭、えらいわ!。自分で稼げるようになったらもう大人よ」
「みゅう、繭もう子供じゃないもん」
「うう、きっと天国のお父さんも草葉の陰で喜んでいるわよ」
「お父さんにお供え物あげる」
「おーい」
「そうね、お父さんにお供え物あげなきゃ。繭、そこまで気が回るなんて母さんほんとにうれしいわ」
「ちーんって鳴らすんだよ」
「おーーーい」
チーン
「あなた、繭は立派に育ってます。あなたが残してくれた保険金できっと親子二人幸せになります。
だから迷わず成仏して下さいね」
「みゅ、お団子」
「うう、まゆぅ、お団子おいしいなあ。おいしくって父さん涙が止まらないよ」
「お父さん、大人なのに泣いてるよ」
「きっと繭が立派に育ってくれて嬉しいのよ。嬉しいときは大人でも泣いていいのよ、繭」
「うん!」
「ミュー」
ペロペロ
「ミュー、わかってくれるのはおまえだけだあ」
ガシィッ
「ミューーーーーーー」

おわり
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はにゃまろ「はあ、繭難しい」
バナ爺(住井)「なんかいいかげんな話だな」
はにゃまろ「うーん、そろそろネタが尽きてきちゃって」
バナ爺「それにずいぶん久しぶりだな」
はにゃまろ「そ、それは弁解のしようがないですう」
バナ爺「まあ次はがんばれよ」
はにゃまろ「えっ、もしかして出番があって嬉しいの?」
バナ爺「ば、ばか言うな。こんなもん出ても嬉しかねーよ」
はにゃまろ「そっか、嬉しくないんだ。じゃあいいや」
バナ爺「て、てめー」
はにゃまろ「いや、最近ペース落ちてきてるもんで。忙しいのもあるんだけどね」
バナ爺「おいおい、いっちょまえにスランプかよ」
はにゃまろ「ほんと書けないんだよね。バイオリズムの低下かな?」
バナ爺「やる気がねえだけじゃねえのか」
はにゃまろ「それはないよSS書くの楽しいから。ただうまく書けないんだよね」
バナ爺「それは元々だろ」
はにゃまろ「ぐはあっ、そ、そうだけど」
バナ爺「でもペースが遅いのは問題だな」
はにゃまろ「うーん」
バナ爺「どうにもなんねーのか?」
はにゃまろ「うーん、こればっかしは」
バナ爺「そうか」
はにゃまろ「うん」
バナ爺「・・・」
はにゃまろ「それでは、忘れた頃にまたおかしを〜(たぶん)」