お・か・し戦記 投稿者: はにゃまろ
第2次ワッフルクレープ戦役は熾烈を極めた。
山葉堂帝国とパタポ連合軍の戦力はほぼ互角であり、戦いはしだいに泥沼化していった。
山葉堂帝国の精鋭ホイップ&カスタードワッフル部隊の進軍に、対するパタポ連合軍は脅威の
季節限定マロンマロンデラックストッピング砲で反撃を行い。双方共に壊滅的な打撃を被った。
両軍の死者は2000ワッフル、3500クレープ、負傷者は23000ワッフル、18000クレープにも上り、
戦場となった土地は半年の間、クリームの匂いが消える事はなかったという。
両軍の抱える傭兵陣も、いずれ名の知られた猛者ぞろいで、数々の伝説が生まれた。
中でもお客様感謝デー半額セール照り焼きバーガー傭兵団と、毎月7の日大サービス特盛り
カツカレー福神漬け取り放題!私兵団の最終決戦は凄まじく、照り焼きバーガー傭兵団は全滅、
カツカレー私兵団も団長以下数人がかろうじて生き残っただけであった。
しかし、戦局が膠着状態に陥り始めた頃、突如それは現われた。
砂糖をふんだんに使い、練乳を練り込んだ蜂蜜を惜しむことなくふり注いだ、忌むべき悪魔が。
山葉堂帝国の切り札、死を呼ぶくりーむ色の堕天使 スペシャルワッフルが戦場に降臨したのだ。

ここはパタポ城城内。
パタポ連合軍総司令にしてパタポ王国の王、ふつーのクレープの髭王は病床にあり、
現在はトリプルフルーツミックスクレープのみすか姫が総司令代行を務めていました。
「姫様、姫様」
おや、どうやら執事のバナナクレープ住井爺。通称バナ爺が何か報告に来たようです。
「ここにおられましたか。姫様、悲報でございますじゃ。わが軍の精鋭第三チョコクレープ団が壊滅
いたしました」
「えーっ、そんな、あの第三チョコクレープ団が壊滅だなんて。彼らのチョコレートソースにかなう
相手なんて、そんなにいないはずだよ。バナ爺、相手は何者なの?」
「姫様も薄々気付いていらっしゃると思いますが、あの悪魔、スペシャルワッフルめの仕業に
ございますじゃ」
「やっぱりそうなんだあ。バナ爺、なんとかならないの。あの悪魔の所為でわが軍は押されっぱなしだよ」
「そうはもうされましても。例え全軍率いて立ち向かっても奴に勝てるかどうか」
「はうー、どーしよー。ねえバナ爺、マロンマロンデラックストッピング砲の修理はまだ終わらないの?。マロンマロンデラックストッピング砲ならあいつを倒す事ができるはずだよ」
「姫様、申し訳ございません。何分、季節限定なものでして・・・。
後三ヶ月はかかるものと思われますじゃ」
「三ヶ月も待ってたら本当に全滅しちゃうよ。バナ爺、あいつをなんとか方法はないの?」
「姫様、奴の強さは並大抵のものではありませんですじゃ。あの伝説の傭兵、雷光の特大チョコパフェ殿と魔剣士大盛りにんにくキムチラーメン(乙女)殿が、二人がかりで立ち向かったにも関わらず、
5分と持たなかったのですぞ」
「そんな事はわかってるよ。だけど、奴だって同じお菓子なんだからなにか弱点があるはずだよ」
「姫様、この事に関してはそんな常識は当てはまりませんぞ。分析班が決死の特攻を行って調べた
所、なんと、奴の体から通常の100倍もの糖分が検出されたのという話ですじゃ」
「通常の100倍!。うそだよ、そんな状態で生きていけるはずないもん」
「本当の事でございますじゃ。あれはもうお菓子と呼べるしろものではございません。
奴はまさしく悪魔そのものですじゃ」
「はうー。バナ爺、どうしよー。このままじゃ負けちゃうよー」
「も、申し訳ございません、姫様。髭王から姫様の事を任されている身でありながら、すべて私が
不甲斐ない所為ですじゃ。」
「はあ、こんな時、浩平がいてくれたら」
「こっ、浩平ですとっ!。それはもしかして、その拳は大地を砕き、その体は鋼の如くいかなる攻撃も
跳ね返し、しっぽまで餡が詰まっていてとってもおいしいという、あのまぼろしの鯛焼き、鯛焼き浩平殿の事でございますか?」
「うん、鯛焼き浩平の事だよ。知らなかったあ。浩平ってそんなに有名だったんだ」
「有名もなにも戦いの中に身を置く者で、彼の事を知らない者などおりませんですじゃ。
まさか姫様が鯛焼き浩平殿とお知り合いだったとは・・・」
「バナ爺っ、浩平だったらスペシャルワッフルを倒せるよね」
「はっ、鯛焼き浩平殿ならば、奴ごとき紅茶と一緒に三時のおやつにしてくれる違いありませんです
じゃ」
「じゃあ、さっそく浩平に会いにいこうよ」
「あ、あの姫様。大変申し上げにくいのですじゃが、鯛焼き浩平殿は仕官先を定めぬ流浪の身でありまして、どこにいるのかわからないのですじゃ」
「そっか、浩平ってプー太郎なんだ。はあー、やっぱり浩平にはしっかりした人が必要だよ。
私が付いていてあげなきゃだめなのかなあ」
「姫様?」
「あっ、えっと違うんだよ。そうじゃなくて、その。バ、バナ爺、なんとか浩平の居所はわからないの?」
「はっ、さっそく国中に通達いたしますじゃ」
こうして鯛焼き浩平捜索指令が国中に伝わる事となりました。

数日後
パタポ城中庭
みずか姫は三時のおやつのカスタードクレープをほおばっています。
「にゃー、にゃー」
その足元では猫達が、みずか姫の飲むさんてんごぎうにうをねだっているようです。
カスタードクレープを食べ終えたみずか姫。おもむろに立ち上がりました。
ごきゅごきゅ。
手を腰に当てると一気にさんてんごぎうにう1パックを飲み干してしまいました。
「ぷはー。やっぱり、クレープにはさんてんごぎうにうだよ」
ぎうにうは栄養たっぷりでとっても健康にいいのです。
「姫様―。姫様―」
どうやら、バナ爺がまた何かを報告に来たようです。
「姫様、少々お耳に入れたい事がございますじゃ」
「はあー、もしかしてまた浩平が見つかったの?」
「はっ、それがその・・・」
「もうっ、バナ爺。いいかげんうんざりだよ。バナ爺が浩平が見つかったて言うたんびに確かめに
行ってみるけど、大判焼きや人形焼きばかりなんだもん」
「もっ申し訳ありませんですじゃ、姫様。何分、鯛焼きについての情報が不足しておりますもので。
しっぽがあると言う事わかっておるのですじゃが。しかし、今回のは少々違いまして」
「バナ爺、今度のはどんな浩平なの」
「それが・・・。先日、城下で食い逃げした男を見回りの兵が捕まえたのです。今朝になって
その男が鯛焼き浩平を名乗り、だよもんを連れて来いと言っておるのですじゃ」
「ええーーーっ!」
「よく聞いてみるとどうやら姫様の事を言っているようなのですじゃが。姫様、何かお心当たりは
ございませぬか?」
「はあー。それ、浩平だよ」
「ほっ本当ですございますか姫様。今すぐお連れしますじゃー」
バナ爺は疾風のように走っていきました。
「はあーーー。よりによって食い逃げなんて。やっぱり私が付いていてあげなきゃだめだよ」
そうつぶやくと、みずか姫も鯛焼き浩平をもてなすために走っていきました。

「・・・と言う訳で浩平、お願いだよ。世界の平和のために手を貸してほしいんだよ」
すでに自分の分のクレープを食べ終え、みずか姫のクレープをうかがっていた鯛焼き浩平は、
さんてんごぎうにうを一息に飲み干しキッパリと言いました。
「めんどいっ」
どーん!

完っ!
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はにゃまろ「終わってしまったではないかーーーーー」
・・・
はにゃまろ「あれ?。おーい、後書きだぞー」
・・・
はにゃまろ「しかたないなあ、代わりを用意するか。これ、バナ爺、バナ爺はおらんか」
チリンチリン
バナ爺「はっ、姫様ただいま。っておい、なんだよバナ爺って」
はにゃまろ「君の事」
バナ爺「な・ん・で、俺がバナ爺なんだ」
はにゃまろ「いやー、他に適当なのがいなくて。でも、みずか姫の執事だよ。いい役だと思うんだけど」
バナ爺「っていうか、この話自体なんなんだよ」
はにゃまろ「ふっ、シリアスを書いているとギャグが書きたくなると言う伝説を知らないのかい」
バナ爺「おまえなあ、それよりなんであそこで終わるんだ」
はにゃまろ「えーと、最初、おおざっぱなストーリーとあの終わり方があったんだけど、なんか書いてる間に話の方が膨らんじゃって」
バナ爺「それで無理矢理押し通したって言うんだな」
はにゃまろ「うう、こんな話、連続物にするわけにはいかないよー。ただでさえ大変なのに」
バナ爺「まあ、確かにそうだがなあ」
はにゃまろ「そう思うでしょ。あっ、ちなみにこれ配役ね」

<キャスト>
まぼろしの鯛焼き、鯛焼き浩平(こし餡):折原浩平、
パタポ連合軍総司令にしてパタポ王国の王、ふつーのクレープの髭王:髭
パタポ連合軍総司令代行にしてパタポ王国王女トリプルフルーツミックスクレープみすか姫:長森瑞佳
パタポ王国筆頭執事バナナクレープの住井爺(通称バナ爺):住井護
カツカレー私兵団団長:川名みさき
カツカレー私兵団参謀:深山雪見
照り焼きバーガー傭兵団八番隊隊長の妻:椎名華穂
その娘:椎名繭
雷光の特大チョコパフェ:上月澪
魔剣士大盛りにんにくキムチラーメン:七瀬留美
死を呼ぶくりーむ色の堕天使スペシャルワッフル:?
山葉堂帝国皇女ワッフルフル:里村茜
謎のベルギーワッフル:柚木詩子
仮面の缶ジュース:氷上シュン
分析班、苺クレープ:南

バナ爺「・・・おい。なんだよこれ、俺と長森さんと折原以外誰も出てねーんだぞ」
はにゃまろ「いや、これは別に深い意味はないんだよ。あった方が話が作り易いだろ」
バナ爺「なんか、名前すら出てないキャラが結構いるんだけど」
はにゃまろ「そこは裏設定と言うやつだよ君」
バナ爺「・・・じゃあな」
はにゃまろ「えっ、もう帰っちゃうの」
バナ爺「付き合ってらんねー」
はにゃまろ「あの、ストーリーが一発でわかるセリフ集もあるんだけど」
バナ爺「勝手にやってろ」
はにゃまろ「おーい、・・・帰っちゃった」
上から落ちてくるおかりな。
ごちっ。
はにゃまろ「これ、だめかな?」
ちゃんちゃん