今回も、すずが歌う日のSSです(^^;;
ネタバレ度は低いと思います(^^;;
「うーーー」
今日は、朝から雨が降り続いていた。
「うーーー」
窓の外を恨めしそうに見つめながら、すずが唸っている。
「たいくつなんだよ」
「雨だからな」
この天気のせいで、外に行けずに、退屈しているらしかった。
「ゆうちゃん、はれるといいね」
「なんだ、すずは雨が嫌いか?」
「う?・・・きらいなんだよ」
「どうして?」
「おそとであそべないから」
「そうか・・・」
いつもは、オレが予備校、またはバイトしている間、すずはこの近所を遊び回っているようだった。
もっとも、一日中昼寝とか、食後に昼寝とか、朝御飯食べて二度寝という羨ましい生活をしているのも事実だけど。
「よし、すずに良いものを作ってやる」
俺は、すずの為にテルテル坊主を作ることにした。
「う?」
俺がテルテル坊主を作るのを、すずは隣で真剣に見ていた。
「出来た!」
少しして、少し形が歪なテルテル坊主が完成した。
「ゆうちゃん、これに?」
「これは、テルテル坊主と言うやつだ」
「てるてるぼうず?」
「そう。歌にもあるだろ?」
「う?」
「なんだ、知らないのか?テルテル坊主、テル坊主、明日天気にしておくれっていうのが?」
「・・・しらないんだよ。それに、あしたまでまてないんだよ」
「贅沢なやつだな・・・。じゃあ、テルテル坊主、テル坊主、今すぐ天気にしておくれ」
「ゆうちゃん、さっきゆうちゃんあしたっていったんだよ」
どうやら、すずは一度言ったことをすぐ変えてはいけないと言って抗議しているみたいだった。
「仕方ない・・・」
ここは、男の意地というのを見せよう。
「・・・出来た!」
「う!!」
「どうだ、ねこ猫坊だぞ」
それは、テルテル坊主を少し改造して急造したねこ坊主(命名桑原祐児)だった。
「これなら、今すぐにでも、晴れにしてくれるぞ」
「う?」
「まぁ、今すぐというのは無理かもしれないけど、それまで気長に待つしかないな」
「まつんだよ」
すずは、嬉しそうにねこ坊主を受け取ると、それを見つめていた。
「ねぇねぇ、ゆうちゃん」
「なんだ?」
「もっとたくさんつくったら、おてんきすぐよくなるかな?」
「さぁな」
「すず、もっとたくさんほしい」
「仕方ない、作り方教えるから、こっちに来い」
部屋中が、ねこ坊主で占領されるぐらい沢山のねこ坊主をすずと一緒に作った。気がつけばもう晩御飯の支度をしないといけない時間だった。
「すず、これ片づけてくれ」
「う?」
「もう夜だからな。遊びに行くのはまた明日だ」
「わかったんだよ」
すずは、大量のねこ坊主を嬉しそうに抱えていた。結局雨は降り続いたいる。
「ねぇねぇ、ゆうちゃん」
「なんだ?」
「あめのひもすきなんだよ」
「お前、さっきと言ってること、違うぞ」
「だってゆうちゃんが、あそんでくれたんだよ」
「別に、雨の日じゃなくても、遊んでるだろ?」
「でも、あそんでくれてうれしいんだよ」
沢山のねこ坊主を、抱きかかえながら笑うすずの姿を見て、いつもあまり相手をしていなかったこと思いだた。そしてこれからは、もう少し一緒に遊んでやろうかなと、そう思った。
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また、鈴うたSS書いてます(^^;;
今回のSSは、HPを巡回中に見つけたイラスト元にして作ってしまいました(^^;;
で、その人に了承を得て、ここに投稿しました(^^;
すずとの何気ない日常というのが伝わればいいかな?と思ってます(^^;
感想、下さった方ありがとうです(^^
今回も、感想書けなかったの申し訳ないです(^^;;
今回の元になったエド・ポップさんのイラストのあるHPです
↓↓http://www.diana.dti.ne.jp/~edpop/