最初に、このSSは鈴うがうたう日のSSで、ネタバレ内容を含んでいます(^^;;
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「オオカミ少年」
それは、私にとって忌まわしい言葉・・・。あの頃、少しだけ憧れていたクラスメイト・・・。
その彼が、言いだした言葉だった。
その言葉に、私は散々傷ついた。言った本人はからかっただけかもしれないけど、私の心は傷ついて、抱いていた淡い思いも消えてしまった・・・。
それは、苦い思い出となって、今も私の心の中に根付いている。
「オオカミ少年」
ふとしたはずみで、私があいつに教えた言葉。隣にいたこの人なら、何となく解ってもらえるかもしれない。そんな期待があったのかもしれない。
でも、無神経なこの男は、あっさりと笑い飛ばした。頭に来た私は、いつもの様に平手打ちを喰らわそうとしたけど、出来なかった。
心の傷は深くて、しっかりと根付いたいた。今ここにいるこいつが、中学時代のクラスメイトとダブって見えて、私が、この男の事を意識していると言うことに気づいてしまった。
「オオカミ少年」
懲りずに暴言を吐いていたこの男に、私は今制裁を加えようとしている。
「覚悟はいい・・・」
ふるふると、振るえる拳に魂を込め、私は怒りの鉄拳を思いっ切り突きつける。
「ぎゃぁぁっぁ!!」
情けない声を出している割には、反省の色がない。それは仕方ないと思う。この男は、鈍感で、馬鹿だけど、悪意がない良い奴だった。
オオカミ少年という言葉も、彼奴らと違って、悪意があるわけじゃない。
純粋に私のことをからかっているだけなんだ。それはそれで腹が立つけど、この前みたい辛くはない。鈴原 祐児という男は、どうしようもない馬鹿な男なんだ。
「もう言わない?」
「うぅぅ。解った、絶対にオオカミ少年とは言わない」
「本当?」
「あぁ。これからは、オオカミ少女と呼ぶことに、ぐひゃ!!」
最後まで言い終わらないうちに、私の鉄拳が飛んだ。
「何か言うことは?」
「無いです・・・」
「よし」
オオカミ少女か・・・。そうかもしれないかな?
「・・・」
「どうかしたのか?」
「何でもない。あんた仕事中でしょ?こんな所でさぼっていても良いの?」
「お前が原因だろ!」
「そうだったかな?」
冷ややかに、鈴原のことを睨む。
「・・・私が、悪かったです」
「素直が一番」
「・・・」
何か釈然としない表情で、鈴原はコンビニの中に戻っていった。
一人になった私は、家に向かって歩き出した。
「私は、オオカミ少女になろう。あいつこと、好きみたいだけど、絶対に素直にならない。嘘をついて、ずっとそれを貫こう。私はオオカミ少女だから・・・」
そんな事を考えながら・・・。
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と言うわけで、再び訳の分からない、鈴うたのSSを書いてみました(^^;;
七海の、オオカミ少年と言うあだ名に対して、オオカミ少女で、何か書いてみたいと思い、こんな話書いてみました(^^;;
では、これで失礼するです(^^/~~
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