安らぎがある・・・
　幸せがある・・・
　僕の望んだ全てのものがここにある・・・
　ここは、そう言う所なんだ・・・
　そのはずなんだ・・・
　でも・・・

　「ずっと、一緒だよね」
　側にいる小さな女の子は、僕の手を繋ぎながらそう微笑む
　「うん」
　そう答えるのが、毎日の日課だった・・・
　この幸せな場所の中に、いつまでもいたい
　そう永遠に、この場所に留まりたい
　ずっとそれを願っていたはずなんだ・・・

　「待ってるから・・・」
　誰を？
　時々届いてくる想い
　切なくて、悲しくて、それでも暖かな想い
　「誰だろう」
　そんな気持ちが僕の中で徐々に増えていく
　「何処にも、行かないよね？」
　小さな女の子は、僕の心の中を見透かしたように聞いてくる
　「大丈夫だよ」
　そう言った僕の心の中に、別の答えが生まれ始めていた・・・

　「永遠はあるよ・・・」
　そうだな
　「ずっと一緒だよ」
　・・・・
　「？」
　それは違う
　「何で？」
　気づいたから
　「何を？」
　待っている人がいる
　逢いたい人がいる
　好きな人がいる
　そう、その事に気づいてしまった
　もう、永遠なんていらない
　必要なのは、愛しい人のぬくもり
　たとえ、別れが来ると知っていても
　必要なのは、永遠なんかじゃない

　「私は、どうなるの？」
　え？
　「また、ここで待たないといけないのかな？」
　・・・
　「また来てくれるかな？」
　もうここに来ることは、二度とないよ
　「どうして？」
　この世界は、もう消えてしまう・・・
　オレが、この世界をもう望んでいないから・・・
　「私も、消えちゃうの？」
　大丈夫
　そう言いながら、手を差し伸べる
　長い間、オレのことを見守ってくれた存在
　弱いオレが産み出した、小さな幻のような女の子
　「え？」
　悲しいことから、もう逃げ出すことはしない
　つらい現実も、ちゃんと受け入れる
　そのためにも、必要なんだよ、君の存在は
　「本当？」
　あぁ、君をここに残すことは、結局逃げている事になる
　あいつがオレを必要としているみたいに
　オレもあいつのことが必要だ
　それと同じぐらい、過去である君も必要なんだ
　未来に進むためには
　「うん」
　小さな女の子は、その小さな手を差し出してくれた
　「今度は、ずっと一緒だよね？」
　勿論、一緒だよ・・・

　そして、暖かな光が世界を包んでいく
　穏やかな光・・・
　オレは、未来へと歩いていく
　ようやく受け入れることが出来た、過去と一緒に・・・

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
　こんばんは、パルという者です。
　ＯＮＥ１周年という事で、記念ＳＳなる物を書いてみました。
　今回は、初挑戦の永遠の世界の出来事です。
　このＳＳは、いけだものさんと相談して「永遠の世界から帰る浩平」をテーマに書いてみると言う事で書いてみました。
　同じテーマで書いたＳＳなんですけど、いけだものさんのと全くの別物です（＾＾；；
　人それぞれで捉え方が違うというのは、なんか面白いです。
　
　ＯＮＥと言うゲームに出会えて、本当に良かったと思います。
　では、これで失礼させて貰います。

http://www2u.biglobe.ne.jp/~palu2/