「長森、恋はしているか」
俺は、高校生の定番の話題恋の話を長森にしてみた。
ぷっ!
長森はミルクティーを逆流させていた。
「うわ、おまえ汚いなぁ」
そ、そんな、浩平がおかしなこというからだよ」
長森が文句を言う。唐突すぎると文句を言った後で律儀に質問に答えてくれた。
「してないよ」
長森が言うには、「誰かさんの」せいらしい。その誰かさんから言わせて貰うなら、こっちの方が心配だった。
「浩平さえ自立してくれれば、わたしだって自分のことに気を回すよ」
と、言い訳する。昔からのつきあいだが、俺ってそんなに信用ないのだろうか? まぁ、俺達には普通の話題は合わないのかな。結局、お互い気取らない話題の方のが楽しいと思う。長森だって、俺と居る以外で、声をあげて騒ぐようなことをしないだろう。やっぱろ、俺達はこんな関係の方が良いのかもしれない。
しかし、その後でお互いの立場が変わってしまった。気取らない幼なじみから恋人へと移り変わったと思う。少しのすれ違いもあったけど、お互い一歩進んだ関係へとなった。と思いたい。
永遠の世界から戻ってきた俺は、今まで悲しい思いをさせた分、瑞佳を大切にしようと強く思っていた。そして、今までの分を含めて、瑞佳を幸せにしたいと強く思った。
「瑞佳、恋はしているか?」
あの時と同じ質問を同じ場所でしてみた。でも、あの時と今では、状況が変わっている。
ぷっ!
あの時と同じ様に、瑞佳は飲んでいたミルクティーを吹き出した。
「うわ、おまえ汚いなぁ」
「そ、そんな、浩平がおかしなこというからだよ」
「おかしな事か?」
俺は、真剣な表情で瑞佳を見つめる。お互いの気持ちを確かめ合った日から、瑞佳が俺のことをどんな風に考えているのか、知りたかった。
「・・・・」
瑞佳は何故か、少し考えているようだった。俺はそんな瑞佳を見るとつい考えてしまう。少しは成長したと思うけど、まだ瑞佳に心配される存在なのだろうか?あのころと、変わっていないのかと。
「してないよ」
瑞佳の返事。顔を真っ赤にして、うつむきながらそう言った。俺は、その言葉を聞いてショックを受けたけど、次の言葉を聞いて、安心した。と言うか、こっちまで照れてしまうほど、次の言葉は強烈だった。
「だって今は、愛してるもん」
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こんばんは、パルです。なんか変なSSを書き上げてしまいました(笑)
ちなみに、タイトルの「恋愛の才能」は、あるOVAのエンディングの名前です。この歌の内容に似ているような気がしたので、タイトルに付けてみました。
では、失礼しますね。