「なぁ、澪?」
ある日の午後、澪と一緒にいて疑問に思ったことがあるので聞いてみた。
「お前、使い終わったスケッチブックどうしてるんだ?」
そう、あの時からずっとスケッチブックを利用している澪。自分の使った言葉に出来ない想いが沢山つまったスケッチブック。それを澪はどうしているのか?その事が何となく気になっていた。
『あのね・・・』
少し、考える澪。
「あぁ」
『しまってあるの』
「全部か?」
うん
大きく頷く。あの時からずっと使い続けていると思うと、膨大な量になっているような気がするが、澪の生活の全てが記録(?)してあると思うと、何となく見てみたいような気もした。
「じゃぁ、機会があったら見せてくれ」
そう言うと、少し考えてから、
『わかったの』
と、少し照れながら言ってくれた。
その後、頑張っている澪の姿を見て、自分も頑張りたいと思った。でも、俺には時間がなかった・・・。だから、頑張っている澪の手助けをして、昔の足かせを取ってやって、それで終わりになるはずだった。
でも、俺は、澪の側にいたくて、辛い思いをさせるかもしれないけど、自分の心の内を正直に伝えた。澪に先を越されたのは悔しいけど、お互いの気持ちが分かって、俺は幸せだった・・・。
「で、これを全部読めと・・・」
辛い別れをしたあと、再び再会できた。お互いの気持ちが繋がったことが、俺をこの世界に引き戻してくれたのかもしれない。
『約束したの』
まぁ、確かに見せてくれと言ったけど・・・。
大量のスケッチブックの山。澪の部屋の半分ぐらいは、それで埋め尽くされていた。そして、
『信じてたの』
そう言いながら、ざっと100冊近いノートブックを俺にくれた。全部澪の日記で、俺のいない間の出来事が書かれているみたいだった。
「そうだな、約束だからな」
スケッチブックの澪の想い。日記の中の澪の想い。言葉にすることの出来なかった澪の想い。その全てがつまっている宝物。だから、俺はその全てを知りたかったのかもしれない。
『ちゃんと、見るの』
ちょっと照れながら澪が言う。俺が、こいつのことをもっと知りたいと思うように、自分の事を知って欲しいと思っているのかな?なんて事を考えてると、
『お話、聞きたいの』
さらに照れた表情で、言ってくれた。同じ事を、考えていたと思うと、なんだか嬉しかった。
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これは、澪がスケッチブックをどうしているのかな?と言う想いからうまれたSSです。
でも、あまりその事と関係ないSSになってしまいました・・・。
少ないですが、感想です。
>WILYOUさん 空白(4)
空き巣を捕まえたときの感想?みたいな出来事が、悲しく思えました。自分の存在に、疑問と言うか、辛い物を感じて悩む彼の姿が切なかったです・・・。浩平本人が戻ったことで、彼がどうなってしまうのか、心配です。
>火消しの風さん 剣技修行 NO.1
なんか、続きが気になる終わり方・・・。男というのはシュンのことでしょうか?それにしても、七瀬の地位と言うのも気になります。
>ニュー偽善者Rさん ONE猫 第8幕
敵対していた二人が、茜のために協力する、そこまでの成り行きが笑えました。それに、お互いを出し抜こうとする二人の姿もおかしかったです。ただ、それ以上に、けだものの行動が、可笑しかったです。
それでは、この辺で失礼します!