遠い空の向こうから 雨の日 投稿者:  パル
  雨の日は嫌い・・・
 外で遊ぶことが出来ないから・・・
  雨の日は嫌い・・・
 何となく、気分が暗くなるから・・・
  雨の日は嫌い・・・
 あの時の、私を思い出すから・・・

 雨の中で行われた、私のお葬式。お兄ちゃんが、抜け殻のように立っていた光景を、私は遠くから見ていた・・・。だから、よけい雨の日は嫌いになった。

 何だろう?空き地の真ん中に、ピンクの物体が見える。今日は雨の日。だから、傘だと思う。でも、さっきから少しも動かなかった。
 私は気になって、そのピンクの傘に近づいた。綺麗な人だった。長い栗色の髪を三つ編みにした、お人形さんのようなお姉さんが、寂しそうに立っていた。とても、悲しそうだった。
 「雨の日は、嫌い?」
 私は、思わず聞いてしまった。
 「だれ?」
 その人は、私の方を静かに振り向いた。
 「えーと、えと、えーと・・・」
 私は、自分のことをどう説明していいか悩んでしまった。
 「濡れますよ」
 そのお姉さんは、私の頭の上に、ピンクの傘をさしだしてくれた。
 「あ、大丈夫です。私幽霊ですから・・・」
 「幽霊?」
 「はい」
 「・・・、それでも気持ちの問題です・・・」
 「はぁ・・・」
 そのお姉さんと私は、しばらく無言で立ちつくした。幽霊といっても、それほど驚いた様子はない。もしかして、私の言った事を信じていないのだろうか?
 「驚かないの?」
 「驚いてます・・・」
 「本当に?」
 「本当です・・・」
 再び、二人で立ちつくしている。ただ、雨の音だけが聞こえてくる。
 「雨の日は、好きではないです・・・」
 少しして、静かにお姉さんが話し出した。
 「あいつが私をおいて、消えたのも、雨の日でした」
 「じゃぁ、嫌いなの?」
 「嫌いでもないです。こうして、あの時と同じ場所で待っていれば、あいつが戻ってくるかもしれないから・・・」
 「戻ってこなかったら?」
 「解りません・・・。今は、待つことしかできませんから・・・」
 「難しいのね」
 「そうかもしれません・・・。あなたは、雨の日は嫌いですか?」
 「大っ嫌い!」
 「どうしてですか?」
 「だって、悲しいことがあったから・・・」
 「悲しいことだけですか?」
 「?」
 「私は、雨の日でも楽しいことがありました。あなたには、ありませんでしたか?」
 雨の日の思いで・・・。お兄ちゃんが、外に遊びに行けないからと言って、色々遊んでくれた。
 雨の日の思いで・・・。新しく買ってもらった傘を、お兄ちゃんが乱暴に振り回したので、すぐに壊れてしまった。
 雨の日の思いで・・・。凄く、たくさんの雨が降っていたので、お兄ちゃんと震えながら、雨が早く止むように神様にお願いした。
 「少しは、楽しいこともあったみたい・・・」
 「それでも、雨の日は、嫌いですか?」
 「・・・少しだけ・・・」
 「そうですか・・・」
 何となく、忘れていた。その事をこのお姉さんは思い出させてくれた。
 「ありがとう・・・」
 私は、お姉さんにお礼を言って。静かに消えた。後に残ったお姉さんが、一言
 「誰かに、似てました・・・」
 と呟いたのが聞こえた。

 雨の日は、嫌い。嫌いだった・・・。今は、少しだけ、嫌いになった。あのお姉さんが、早く元気になるといいな。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 皆さんこんばんは。今回も、みさおSSです。先に一つ、断っておきます。何故茜がみさおのことを見えたのかというと、ご都合主義と言うことで、勘弁して下さい。ちなみに、茜の言ったあいつは、浩平のことではないです。
 元々、この話は単発の予定でしたが、感想用ということで、第二弾を作ってみました。
 というわけで、感想です。

 > 変身動物ポン太様 忘却者達への鎮魂歌2
 みゅーが使えない。確かにあのキャラの場合、苦労します。今制作中のSSで、出そうと思っているんですが、成長した場合、みゅーが使いにくいので、別人となっています。
 それにしても、まだ世界観が今ひとつ解りません。今後の展開に期待します。

 >まねき猫様 感想でーす
 感想、ありがとうございます。今回、感想SSを急造した理由は、二つあります。一つは、自分の感想の、空色のクレヨンである意味の矛盾というのが気になって、聞きたかったからです。自分で、今ひとつ解らないので、出来れば教えて下さい。参考にしたいと思います。
 もう一つ、やっぱりあの二人というのが気になって・・・。葉っぱ系とは接点がないとい事なので、そこで思いついたのは、天〇ですか?彼は、主役なはずなのに脇役並の扱いを受けているキャラなので・・・。おまけにサブキャラ主役の別番組まで出来てるし・・・。それくらいしか思いつきませんでした。違ったらごめんなさい。

 >天王寺澪様  NEURO−ONE15
 まず、感想ありがとうございます。それにしても、相変わらず、世界観が渋くて好きです!残された、澪達も気になりますが、黒髪の女の存在も、気になります。そして、さりげない浩平と茜のやりとりもグーでした。

 > いけだもの様 SS書けよ!つっこみ茜ちゃん
 感想ありがとうございます。空色の・・・は、澪の思いでの少年話です。マルチシナリオで、浩平がやり残した事。一応、それが主題のつもりです。

 >天ノ月紘姫様 川の流れに その5
 いきなり、シュンがでてますね。でも、これって、気がつかない方が幸せな現実のような気がしました。茜が、どちらかを選ぶというのは、ただ待っているより、辛いことのように思えます。

 >YOSHI様 はぐれ三匹(番外編)
 もうじき、センターですか?頑張って下さいね。それにしても、住井には時間が残されていないのですか?厳しいですね。
 それでも、幸せになってもらいたいものです。

 >WILYOW様 ちびちび(1)
 浩平が・・・外道になってる・・・。長森も、相変わらず浩平止めないし・・・。でも、面白いから、好きです。それにしても、ちびちびな茜・・・、見てみたいです。続き、気になります。

 >てやくの様
  映画部作品「ONE&MONN===NUKE」 3/2
 なんか澪、もの凄くあっさり口を割っていますね。さりげなく手に浮かぶ青筋。これがよほど怖かったのでしょうか?
 それと、4姉妹の料理。これは長女の作ったものですね?ご愁傷様です・・・。

 >ニュー偽善者R様 戦慄のテレホンコール
 浩平君。悪戯電話は、やめましょう。それにしても、乙女を目指す、七瀬が、牛殺しの特訓を何故しているのか?凄く気になりました。あと、ダヨモンディ、誰かやってくれないかな・・・(他力本願な自分)
   ONE猫 第6幕
 ごめんなさい。またタイトル略してます。これからも、ONE猫で通していいですか?駄目なら、駄目といって下さい。
 澪が、仲間に加わりましたね。行きすぎた、愛情がすれ違いを生んで、悲劇になる・・・。悲しいお話です。それにしても、妖怪が仲間になると、げげげの茜ちゃんとか、目玉の詩子とかがあってもいいような気がしました。それと、次回予告、地蔵通り。なんか怖いタイトルですね。

 >火消しの風様 ハプニング文化祭 NO3
 鰈ライス・・・。やっぱり、詩子と浩平って、どこか似ていますね。それにしても、浩平、まだパジャマのままだったんですか?度胸ありますね。
 それと、感想ありがとうございます。ありがたいお言葉。何とか、頑張って行くつもりです。

 >ばやん様 愚かな者達
 あの賭、こう言った理由だったんですね。てっきり、野球チームかサッカーチームを作って勝負するといった賭だと思っていました。
 それに、感想ありがとうございます。忠告、あまり感想をためない方が良いということ、身に染みています。ちなみに、自分もはじめ感想が苦手でしたが挑戦しているのは、自分の感想があると嬉しいからです。

 >雫様 髭の困惑(中編)
 髭って、実はとっても侮れない人だったんですね?生徒に手を出すとは・・・。後、茜のワッフルに手を出さないみさき先輩。こう言った細かい演出好きです。
 それにしても茜、幼なじみの詩子に対して、あまりにも酷い仕打ち・・・。よほど主への執着が強いんですね。怖いです・・・。

 「今日はここまでです。ちなみに私は、後書きアシスタントを勤めることになった、みさおです」
 でも、今日の出番は、この挨拶だけです。
 「本当・・・?」
 本当だよ。それでは、今日の所は、これにて失礼します。
 「・・・さようなら・・・」