俺のかわいい先輩さま 投稿者:  パル
 「遅いよ、浩平君」
 「悪い、悪い」
 「遅刻だよ」
 今日は、1月1日。俺は、今からみさき先輩と初日の出を見に行く約束だった。
 「早くしないと、見れないよ・・・」
 「それは、大丈夫。とっておきの場所を確保してある」
 俺は、先輩の家まで迎えに来ている。俺が、用意した場所は、ここから少しの距離にある。
 「本当?」
 「じゃぁ、行こう!」
 俺は先輩の手を取り、その場所に向かった。
 「ここ、入ってもいいのかな?」
 「大丈夫。先生の許可はもらっている。先輩のことを話したら、快く、承知してくれたぞ」
 今の俺の担任の先生は、先輩が3年の時の担任だったらしい。
 「そう言えば、浩平君、学校は楽しい?」
 「・・・・」
 階段を上りながら、先輩は楽しそうに話す。
 「澪ちゃんと、同じクラスなんだよね?」
 「その話、何度目だ?」
 「だって、せっかく人が、卒業のお祝いを言ったのに、留年なんかするから・・・」
 「仕方ないだろ・・・」
 先輩は、楽しそうだった。まぁ、先輩が楽しいなら、それでもいいかな。
 「この辺りなんだよね・・・」
 「そうだな」
 階段の途中で、先輩が足を止める。
 「まだ、二回目の時のおかえしが残っているからね」
 「まだあるのか・・・」
 この場所で、二回ほど先輩と衝突した。思い出の場所だ。
 「ついたぞ」
 「ここ?」
 俺達がついた場所。ここも、思い出の場所、学校の屋上だった。
 「夕焼け・・・」
 「?」
 「いつか、本当の夕焼けを、浩平君と一緒に見たいなって・・・」
 「・・・そうだな・・・」
 少しの間、沈黙が続いた。
 「まだ、太陽は見えないの?」
 「あぁ、まだ暗いぞ」
 「綺麗に見えるといいね」
 「そうだな」
 しかし、屋上は寒い。時間が早いので、いつもより寒い。
 「浩平君、寒くない?」
 「何で解る?」
 「声が震えてるよ」
 「寒いから仕方ないだろ。先輩は?」
 「私は、ちゃんとたくさん服を着てきたしね」
 「先輩、暖めてくれ」
 「どうやって?」
 「それは、色々とだ」
 「うーん、いいよ」
 「ほんとか?」
 「ちょっといいかな?」
 そう言って、先輩は俺の横に来て、抱きついてきた。
 「暖かい?」
 「あぁ・・・。ありがとな先輩」
 すると、先輩は、少し不満そうな表情になった。
 「ねぇ、私、もう卒業したんだよ」
 「知ってる」
 「なら、先輩って呼ばなくてもいいんだよ」
 「でも・・・」
 「みさきって、呼んでくれた方が、嬉しいんだよ」
 「いや・・・」
 「じゃないと、今度から、浩平ちゃんって、呼ぼうかな・・・」
 「解った。ちゃんと言う」
 「本当?」
 「え、えーと・・・」
 何故か、思いっ切り緊張してしまう。
 「みさき先輩!」
   げし!!
 先輩の鋭い攻撃が、直撃した。
 「・・・・、悪かった・・・みさき・・・」
 「うん、合格」
 「・・・」
 「どうしたの?」
 俺は、横にいるみさきの肩を抱きしめた。太陽が昇ってきたことを、伝えるために・・・。
 「開けましておめでとう、浩平」
 そう言えば、まだ新年の挨拶をしていなかった。
 「おめでとう、みさき。今年もよろしくな」

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 皆さん、新年あけまして、おめでとうございます。
 今回は、みさき先輩のED後のお話です。タイトルは某4コマ漫画のパクリです。ごめんなさい。

 感想下さった方々、大変ありがとうございます。また後で、まとめて感想を書こうと思っています。本当は、この話を日の出と一緒に書き込もうと思っていたんですけど、寝過ごしてしまいました・・・。
 それでは、また・・・