第一話 −閉じこめられた7人−
「ふわぁ−−」
どうやら授業は終わったようだった。気がつくと、みんな帰り支度をしている。
「長森、どこかよって帰らないか?」
「ごめんね浩平。今日は繭と一緒に約束があるの」
「そうか・・・」
仕方ないので、近くにいた茜に声をかけた。
「嫌です・・・」
だが、速攻で断られてしまった。どうやら、先約があるらしい。
「仕方ない。七瀬、一緒に帰ろう」
「何で私が、あんたと一緒に帰らないといけないのよ!!」
「いいじゃないか。俺とお前の仲だろ?」
「ふん!!」
七瀬は、半分あきれたようにして教室から出ていった。
「仕方ない。一人で帰るかな・・・」
鞄を持って、教室を出た。それにしても、さっきから何かが変だった。何がへんか具体的に解らないけど、何かおかしい・・・。
「さて、これからどうしようかな・・・???」
いつの間に、壁が出来たのだろうか?玄関からでられない。見えない壁があり、それが俺の邪魔をしている。
「馬鹿な!!」
俺は、体当たりしたり、殴ってみたりしたが、外にでることは出来なかった。それなのに、他の生徒は、簡単に外にでている。
「というより、俺のことに、全く気づいていないな・・・」
一人で、色々試している姿は多分間抜けだと思う。それなのに、誰も俺のことを気にしていなかった。
「一体どうしたんだ!!」
俺は訳が分からず、その場所を離れて、外にでれるところを探した。窓も開かない。ガラスを割ろうとしても、割れなかった。
「・・・」
俺は疲れていた。試したこと全てが無駄に終わり、さんざん歩きまわったので、疲れた。気がつくと、玄関に戻っていた。
「・・・、お前達もでれないのか?」
そこには知った顔があった。
「うん・・・」
繭を抱きかかえるようにして、落ち着かせている長森。
「・・・どうしてですか?」
「俺が知るはず無いだろ?」
「・・・そうですよね」
澪と茜が一緒にいる。どうやら先約というのは、澪のことだったようだ。
「これは、乙女に対する挑戦だわ!!」
訳の分からないこと言って一番混乱している七瀬。
「一体何が起きたんだ・・・」
俺達が、そこで悩んでいると、スピーカーから声が聞こえた。
「現在、校舎に残っている人達は、食堂に集まって下さい」
どこかで聞いたような声。とても幼い声で、懐かしい声だった。でも、それが誰の声だか、どうしても思い出せない。
「どうします?」
「行くしかないだろ?せっかく、招待してくれるんだ」
とにかく、ここにいても仕方ない。俺達は、食堂へと向かった。
「あ、やっと誰か来たね」
食堂にはみさき先輩が座っていて、俺達のことを待っていた。
第一話 −完−
皆さん、こんばんわ。今回は続き物に挑戦してみました。かなり、矛盾した話になるかもしれませんが、その時は笑って許して下さい。
一応、自分なりに考えてみたみさおの話です。もしかしたらありがちな展開になるかもしれませんので、先に断っておきます。(自分は小心者ですから・・・)
最後に、感想を書いてくた皆様、ありがとうございます。自分も、読んでいるだけで、手一杯なのに、本当にありがとうございます。
特にばやん様、今回はあまりほのぼのしてないです。すいません。では、また近い内に続きを書くつもりです。