帰り道、いつものように茜を誘って商店街を歩いていた。 「着きました」 茜が足を止める。 「本当に挑戦するのか?」 「はい」 「止めるつもりは?」 「ないです」 「はぁ・・・」 茜のことだ、俺が止めても止めないだろう。今日はこの店で、新作のワッフルが発売される。それも、以前の改良版として超甘党用のワッフルがあるらしい。 その事を、何処からか聞きつけた茜は、ぜひ食べてみたいといって俺を誘った。 「いらっしゃいませ」 店員が挨拶をする。最近よく出入りするし、頼むものがあれなので、完全に顔を覚えられている。こちらに気づくと、一瞬変な顔をして、何も言わないのに商品を取り出そうとする。 「四つお願いします」 「はい。ありがとうございます」 茜も、数しかいわない。 「さていきましょう」 会計を済ませて店を後にする。 「いつもの公園で良いか?」 「はい」 少し歩いて、公園に着く。最近は暖かいから、色々な人がいる。 「はいどうぞ」 箱から一つ、茜が極甘ワッフルを取り出す。 「これって、何が入ってるんだ?」 「とにかく、甘いもの。何でも、先に発売された極甘ワッフルを平気で食べる人がいるから、料理人さんが意地になってもっと甘いものを開発したそうです」 「それって・・・」 (多分茜のことだろう。以前、長森とここに来たときに、いつもの彼女はあれを食べてなんといいているのか聞かれたことがある。おいしいと言って、平気で食べていると言ったら、店の人はかなり意外そうな顔をした。最も、そうするとこの極甘ワッフルを作った人は何を考えていたのか解らない) 「食べましょ」 茜は、一つ目を口に運んでいる。 「おいしい・・・」 茜は本当においしそうにものを食べる。だから、俺もそう信じて食べる。 「・・・、やっぱり甘すぎるぞ・・・これ」 「そんなことはありません」 「・・・・」 「食べないのなら、残りもらいます」 そう言って茜は俺が一つをようやく食べ終わるまでに、三つ全部食べてしまった。 「さ、帰りましょ」 「よく平気で、動けるな・・・」 「鍛え方が違います」 「茜に、甘くて食べられないものあるのか?」 「一つだけ、甘いけど苦手なものがありますもっとも、最近は嫌いじゃありませんけど」 「それは知らなかった。何だ?」 「それは・・・」 茜は、辺りを見回して、警戒している。 「何だ?」 「これです」 そう言いながら、不意にキスをしてきた。 「いきましょ」 「あぁ・・・」 あまりにも甘いものを食べて、気分が悪くなりかけたけど、最後にもらった甘いキスのおかげで、気分良く家路につけた。 @@@@@@@@@@@@ 始めまして、パルというものです。以後よろしくお願いします。取り合えず、茜のSSを書いてみました。 もうすぐ、小説ONEの2巻がでるらしいです。今度のヒロインは茜と言うことなのでどんな出来になるか楽しみです。ではまた・・・