リレーSS第8話 「澪を探して三千里」 投稿者: バブルスライム
茜と鹿沼先輩の情報によると・・・
・・・リボンを付けた元気な女の子か。
「リボン、リボンと・・・」
由依という女の子を探すオレと長森。
「あっ! 浩平、あの子じゃない?」
見れば、確かにリボンを付けた元気そうな女の子が、一人お寿司を食べていた。
「澪ちゃんはいないようだよ」
「長森・・・・・」
「何? どうしたの?」
「あいつ・・・・・由依とか言ったな。あれ、どう思う?」
「え!? ・・・・・あ、少し変かも・・・」
怒りがふつふつと湧き上がってくる。
「おいっ! おまえっ!!」
オレは初対面であることを忘れ、怒鳴りつけた。
「はい? 私ですかぁ?」
「その食い方はなんだ! 寿司のネタだけ先に食べやがって・・・刺身じゃないんだぞ!」
「こ、浩平。声、大きいよ」
長森が制止するが、オレは構わず続ける。
当の怒鳴られている本人は、状況が掴めていないようだ。
「それから、しゃりをカレーに付けて食うとは言語道断! てめぇ、寿司をなめてるなっ!!」
「えっ、もしかして私に声をかけてるんですかぁ?」
「ああ」
こいつ・・・・全く、責任者出て来い!って気分だ・・・
「あのぉ〜、私好きな人がいるんでお付き合いは出来ないんですぅ〜。でも友達からで良かったら考えますけど・・・。え? 私の好きな人? もうっ、言わせないで下さいよ〜。そう、それは桜の舞う季節でした。私が落としたテストを拾ってくれたのが運命だったのです。まさに運命の出会い、なんて・・・・・あれ? どうしたんですかぁ?」
「よ、良く喋る子だね、浩平」
「・・・・・」
こいつと関わると長くなりそうだ。
「行くぞ、長森」
「あ! 澪ちゃんのこと聞かないの?」
「いいよ、別に」
テーブルから離れようとした瞬間、長森に手を捕まれる。
「ちょっと、浩平。あれ・・・・・」
「ん?」
由依の隣にある椅子の下に、スケッチブックが見て取れた。
急いでそれを拾ってみる。
「これ・・・・・澪のだ」
「あ! 最後のページにまたなんか書いてあるよっ」
そこには・・・
『チョコパフェなの』
・・・と書かれていた。
先ほどまで澪が食堂にいたのは確かだ。
その後、一体何があったんだ・・・・・?

 つづく