茜と鹿沼先輩の情報によると・・・
・・・リボンを付けた元気な女の子か。
「リボン、リボンと・・・」
由依という女の子を探すオレと長森。
「あっ! 浩平、あの子じゃない?」
見れば、確かにリボンを付けた元気そうな女の子が、一人お寿司を食べていた。
「澪ちゃんはいないようだよ」
「長森・・・・・」
「何? どうしたの?」
「あいつ・・・・・由依とか言ったな。あれ、どう思う?」
「え!? ・・・・・あ、少し変かも・・・」
怒りがふつふつと湧き上がってくる。
「おいっ! おまえっ!!」
オレは初対面であることを忘れ、怒鳴りつけた。
「はい? 私ですかぁ?」
「その食い方はなんだ! 寿司のネタだけ先に食べやがって・・・刺身じゃないんだぞ!」
「こ、浩平。声、大きいよ」
長森が制止するが、オレは構わず続ける。
当の怒鳴られている本人は、状況が掴めていないようだ。
「それから、しゃりをカレーに付けて食うとは言語道断! てめぇ、寿司をなめてるなっ!!」
「えっ、もしかして私に声をかけてるんですかぁ?」
「ああ」
こいつ・・・・全く、責任者出て来い!って気分だ・・・
「あのぉ〜、私好きな人がいるんでお付き合いは出来ないんですぅ〜。でも友達からで良かったら考えますけど・・・。え? 私の好きな人? もうっ、言わせないで下さいよ〜。そう、それは桜の舞う季節でした。私が落としたテストを拾ってくれたのが運命だったのです。まさに運命の出会い、なんて・・・・・あれ? どうしたんですかぁ?」
「よ、良く喋る子だね、浩平」
「・・・・・」
こいつと関わると長くなりそうだ。
「行くぞ、長森」
「あ! 澪ちゃんのこと聞かないの?」
「いいよ、別に」
テーブルから離れようとした瞬間、長森に手を捕まれる。
「ちょっと、浩平。あれ・・・・・」
「ん?」
由依の隣にある椅子の下に、スケッチブックが見て取れた。
急いでそれを拾ってみる。
「これ・・・・・澪のだ」
「あ! 最後のページにまたなんか書いてあるよっ」
そこには・・・
『チョコパフェなの』
・・・と書かれていた。
先ほどまで澪が食堂にいたのは確かだ。
その後、一体何があったんだ・・・・・?
つづく