「おめでとうございまーす!」 ……これだけ聞くと、どっかで見たことのある兄弟芸人を思い出すかもしれないが実は違う。 「福引き一等、2泊3日温泉旅行10人分大当たりでーーーーーす♪」 おおーーーーー! 周りから喚声があがる。 そう、ここは福引き会場。 放課後…たまたま夕飯のおかずを買いに来てただけなのだが……まさか当たるとは…な。 「わあ〜、おめでとっ♪」 福引き所の姉ちゃんがさっそくオレに温泉券の入った封筒を渡してくれる。 「はい、折原君どうぞっ♪」 受け取ったオレは…なぜか何処からともなく茜のツッコミが聞こえてきたような気がした。 『…一生分の運使い果たしましたね』 ……その時オレはこの温泉旅行に漠然とした不安を感じた。 『温泉ばとるろいやる!』 ROUND1「参加者を絞れっ!?」 「…で、これはどうしよう?」 オレはとある公園でそれをしげしげと眺めている。 眺めれば変身するというものでも無かろうが。 「もちろん私と茜は連れてってくれるよねっ♪」 ……何故か詩子が真後ろからオレの手元を覗き込んでいた。 「何故お前がここにいる?」 「福引き所でバイトしてたら、折原君が一等持ってったからちょっとつけてきたんだよ♪」 …そう言えば賞品受け取ったとき何故かオレの名前が呼ばれたような気がしたな…… よく見ると詩子は「中崎商店街」と書かれたTシャツを着ている…そのままバイトを抜け出してきたらしい。 …取りあえず帰らせよう、うん。 「帰れっ!」 「うーん、まだバイトがあるから家に帰るのは…ちょっとね」 「そのバイトに帰れっ!」 「今は休憩中だよ♪」 ……ぐう、あっさり言い負かされてしまったではないか明智君。(おい) 「で、連れてってくれるの?」 何故か目をキラキラさせながらそう聞く詩子…これはこれで異様な迫力があるぞ…(汗) 「何故お前を連れて行かねばならんのだっ!?」 「私が詩子さんだから♪」 「理由になってなぁぁぁぁーーーーーい!!!!」 「折原君って、時々おかしな事言うのね」 …駄目だ…こいつに口では勝てない。師匠(誰やねん)…教えてください、こいつに勝てる方法を… と、こんな風にオレが現実逃避していると…詩子がいきなり振り向いてこう言った。 「ねえ…護もそう思うよね?」 「名前で呼ぶなああぁぁぁーーーーー!!!!」 どっからともなく住井が生えてきた。 「俺は雑草か何かか!」 …住井まで来てしまったか…これでONEにおけるイベント男&女は揃ってしまったではないか。 取りあえず…オレは住井に話しかけた。 「で、住井…お前何故ここに?」 「ふっふっふ…温泉旅行…これほど男の浪漫を掻き立てるイベントがあろうか!そんなイベントを感知できないほど俺の住井君レーダーは青くないぜっ!」 無意味に胸を張ってそう言う住井……まさかイベントの匂いに惹かれてやってきたとは・・・・。 青いとか青くないとはの問題じゃなくて…変人の域に達してる気がするぞ。 「と、言うわけでこんな感じでどうだろう?」 住井はいきなりオレの前に一枚の紙を差し出した。 それには…こう書いてある。 『せくしー折原君と行くらぶらぶ温泉ツアー(はぁと)』 …おい 「妙な物を企画するなぁぁぁぁぁーーーーっ!!!」 「企画ではない。もう計画として動き出している」 「なお悪いわあああぁぁぁーーーーーーっ!!」 「…そうか、「せくしー折原君」ではなく「だんでぃー折原君」の方が良かったか?」 「そういう問題じゃねえぇぇぇーーーっ!」 「この「はぁと」がアクセント♪」 「「はぁと」は止めろおおぉぉーー!!!」 …やはり住井に嗅ぎ付けられたのは失敗だった…って、今さら悔やんでも遅いか。 「はぁと」だけは…「はぁと」だけは駄目なんだ住井。(折原さん何か「はぁと」にトラウマでも?) 「ねえねえ、こっちも見て」 悔やんでいるオレに詩子がもう一枚の紙を見せる。 ――――――――――― <“せくしー折原君と行くらぶらぶ温泉ツアー(はぁと)”参加者名簿> (参加者氏名:「参加者から一言」) 長森瑞佳:「浩平と二人きりで温泉…それなら行っても良いかも…あっ!これは聞かなかった事にしてよ!」(あたふた) 七瀬留美:「温泉?行かないわよ、老人じゃあるまいしね…えっ?温泉は肌をすべすべにしてくれる?…やっぱり行くわ」 里村茜:「嫌…じゃないです…温泉饅頭(ぼそっ)」 上月澪:『温泉?行きたいの!そして折原先輩と…』(ぽっ) 椎名繭:「みゅ〜〜〜〜♪」 川名みさき:「美味しい物がタダで食べれるの?……全然問題なしだよ♪」 柚木詩子:「茜と私は一心同体だよっ♪ふふふ…夜が楽しみ♪」 深山雪見:「えっ?温泉?……みさきが行くなら私も行くわよ。あの子見てないと何やらかすか心配だからね」 住井護:「温泉は無限の可能性を秘めている」(キラリッ) ―――――――――――― 「と、いう訳でほぼ全員参加だ」 …おい 「もう参加者を募ってるんかいーーーーーーっ!!」 「ちなみに参加者全員の予定を総合して考えると出発は明日だ」 「ス、スケジュールまで決めたんかっ!?」 オレに断り無くここまで話を進めるとは…って、言うかオレがこの券当ててからわずか2時間なんだが・・・ 「住井護…あなどりがたし……」 って、言ってる場合じゃないな。 だが…… 「おっ!?これは…!?」 オレはあることに気づいてハッとなる!住井もそんなオレを見てニヤリとする。 そう…それは 「住井……ヤローをうまく省いてくれてありがとう!」 そう…後々で絶対邪魔になるであろうヤローどもを外してくれる…住井、アンタ最高だぜっ! 特に…シュンが居ないのが最高だっ!(……ちっ、つまらん byポン太←おい) 「住井…オレはアンタを誤解してたようだぜ…」 「ふっ…分かってくれればいいさ…親友」 「すみいーーーー!!!」 「おりはらーーー!!」 そしてオレ達は友情のカウンターパンチ(…違うのでは?)をしようと……急速接近した! まさにその時! どがあああああーーーーーん! と、突然住井が公園の果てまで吹っ飛んだ!? 「へえー、折原君のパンチって凄いね♪」 オレか!?オレが悪いのか!?…って、それはもちろん違った。 よく見ると少し向こうの噴水の上に(おいおい)バズーカを持った3つの影がいるのが分かった。 そしてその影はオレがこっち向いたのを見計らうように叫びだした。 「折原浩平!住井護!お前らだけで茜さ……いや、ONEヒロインズとらぶらぶ温泉旅行しようなんて…天が許してもこの南明義がゆるさないぜっ!」 「同じく中崎勉も許さない!」 「右に同じく南森参上!」 …どうやら奴らが住井をバズーカで吹き飛ばしたらしい。 って、次はオレかい! だが…奴らはいきなりは攻撃してこないようだった。 取りあえず3人のリーダーらしい南がこう言った。 「歌うぜ!俺達のテーマ曲!」 「「おおっ!」」 …どうやらテーマ曲まであるらしい… で、歌い出す3人組。 「「「♪わっきやっくボオオォォォイズッ!」」」 ============== 脇役ボーイズ (曲:『スターダストボーイズ 』 アニメ「宇宙船サジタリウス」OP、作詞:WTTS様) どこから見てもスーパーマンじゃない 輝く季節の主役になれない あのコの制服オークション 落札したって買えやしない 餃子の皮を剥かれたり 思い付きの苗字で呼ばれたり 転校生 かわいけりゃ ウェーブだ何だで 大はしゃぎ だからと云って駄目じゃない 駄目じゃない 脇役ボーイズ 駄目じゃない クラスメートの俺たち 結構いいとこあるんだぜ 脇役ボーイズ (この歌詞はWTTS様の特別のご好意により引用させて頂いております(礼)) ============== そして歌い終わると3人組はどっかのヒーローのようなポーズをとって…叫んだ! 「「「3人合わせて……」」」 「「「脇役ボーイズ参上!」」」 脇役ボーイズvs折原浩平&柚木詩子……戦闘開始! 「お前ら…それ、歌ってて虚しくなってこないか?」 「自分で脇役って言ったら…最悪だよね♪」 ぐさああああーーーーー!!!! 「「「うごおおおおおぉぉぉーー!!???」」」 ざっぱああああーーーん! K・O! 奴らはそのまま噴水の中にダイブした…。 オレ達の何気ない言葉が奴らに致命的なダメージを与えたようだ…もろ過ぎるぞこいつら。(何か違う) 「と、言うわけで明日の朝10時に学校前に集合だな折原」 「楽しみだよね♪」 何事もなかったような住井に嬉しそうな詩子……おいおい。 「じゃあな」 「折原君またね〜〜〜〜♪」 こうして住井&詩子は去っていった…来るときも唐突だったが帰るのも疾風のような奴らだ。 「しゃーない…オレも帰るか…」 ふと…オレは思った。 「学校はどうするんだあああああああああぁぁぁぁーー!!!???」 でも……次の日、やはり旅行はあったりするのだった。 いいのか? ROUND1 終〜了〜♪ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ポン太「ふふふ…ついに投稿してしまったよこのSS…」 雪ちゃん「封印か投稿かずっと迷ってたからね…」 ポン太「で、WTTS様に原型送ったりしたこともあって…ようやく投稿決定(^^;;」 雪ちゃん「WTTS様、歌詞の引用許可ありがとうございます」 ポン太「WTTS様どうもです(深礼)」 雪ちゃん「で…このSS何話まで続くの?」 ポン太「予定ではポン太初の二桁話まで行く予定…何せ一話一発ネタで終わるもんで…(^^;;;;」 雪ちゃん「完全に話数稼ぎね…はあ」 ポン太「えーっとなるべく早い内に第二話UPする予定ですが…多分次は短いです」 雪ちゃん「皆様、あまりの詰まらなさに…見捨てないでくださいね」 ポン太「それでは〜〜〜〜☆」 1999.12.8