白昼夢 投稿者: 変身動物ポン太
「・・・・・ねえ、浩平。」

「何だ?瑞佳。」

「・・・・手を繋いでも・・・・良い?」

「・・・・止めとく。」


よく晴れた初夏の日曜日
オレと瑞佳は高台の公園をぶらぶらと散歩していた。
・・・・・端から見たら”デート”とも言うのだろうか・・・・。


オレが”永遠の世界”から帰ってきて一ヶ月。
オレと瑞佳は”正式”な恋人・・・・・になった。
”あの時”とは違う・・・・”本当”の。

だからって・・・・手を繋ぐのは・・・・。

「浩平、ひょっとして・・・・恥ずかしいの?。」
瑞佳が少し笑いながらそう言う。・・・・・図星だ。
照れくさい・・・・と言うか何というか・・・・・まあ、それらをまとめてミックスすればそう言う言葉になるのかもしれない。


いつからだったか・・・・瑞佳と二人っきりで歩いていたのは。
”あの時”からか?
まあ、お互いの立場は今とは全く違うけど・・・・。

ふと、思いついた事を口にしてみる。

「瑞佳・・・・。」
「何?」
「オレとお前が初めて会ったのって・・・・・何処だったか覚えてるか?」
「えーっとね・・・。」

そう言うと瑞佳は・・・・多分こう言うだろう。

『私が浩平に石ぶつけて・・・・』

間違っていない・・・・・と思う。

 ―――――――

では・・・・あの光景は・・・・・。
オレを”永遠の世界”へと誘ったあの言葉を言ったのは・・・・誰だったんだろう。

『えいえんはあるよ』

”永遠の世界”で一緒にいた少女なのか・・・・?

 ―――――――

気が付くと・・・オレの周りが白く濁り始めていた。
また・・・あの世界へ行くのか?

いや、違う・・・・何かが違う。

「・・・・・。」

瑞佳が何か話しているのが見える・・・・多分オレと初めて会ったときの話・・・。
でも・・・何も聞こえない・・・・そして・・・・

世界が・・・・霞んだ・・・・。



 −−−−−−−−



周りはモノクロだった

オレは一人で其処にいた

いや、一人ではなかった

もう一人の・・・・・泣いている幼いオレがいた


それを遠くから眺める少女がいる

話したいのに話せないのか、じっと幼いオレを見つめている

・・・・でも”あの少女”ではない

オレはその少女に話しかけてみた


「どうしたんだ?」

少女はオレの方に向くとこう言った

「・・・・あの泣いている子と話したいんだよ。」

・・・・瑞佳・・・・この子は幼いときの瑞佳だ

幼い瑞佳はこう続けた

「でも・・・・話せないんだよ・・・なんでだろ?」

・・・・オレとは話せてるんだけどな・・・。

「こうやって見てれば・・・・いつかは話せるかな・・・・?」

小さな瑞佳はポツリと、こう呟いた

オレは・・・・こう言った

「見てるだけじゃ駄目だな・・・・思い切って・・・・話せよ。」

小さな瑞佳はそれを聞いて・・・・顔を赤らめながら、こう言った

「・・・・恥ずかしいよ。」


そこで・・・オレの意識は途切れる


 ・・・・・・・


オレの視界に二人の人物が映っている

一人は・・・・さっきも居た幼い日の・・・・泣いてばかり居た頃のオレ

もう一人は・・・・彼女だった

オレを”永遠の世界”へ誘った・・・・・彼女だった


彼女が幼いオレに何か言っている

多分・・・・あの言葉

そして・・・・二人は唇を合わせる・・・・


「・・・・みずか。」


オレは思わずその言葉を口にした

すると彼女は・・・・オレの方を向いた・・・・

幼いオレではなく”今の”オレの方を

そして・・・・こう言った


「・・・・話したよ。・・・私が。」

そして・・・もう一言だけ彼女は言った・・・・


 ・・・・・・


・・・・・今になって分かった

みずかは・・・・瑞佳じゃない


瑞佳の想いとオレの願い

この二つが一つになったもの


・・・・・・だと思う

確信しているわけではないけど

絶対そうだと言えないけど

オレはそう思う


何故かって?


そうじゃなければ・・・彼女は・・・・こうは言わないだろう



『・・・・幸せになった?・・・・・二人とも』



再び・・・・視界は白く濁った



 −−−−−−−−−



「・・・うへい、浩平っ!」

うおっ!?
オレは自分を呼ぶ声に目を覚ました。

どうやらオレは横になっているようだ。

「良かった・・・・起きたんだね、浩平。」

・・・・瑞佳の膝枕か・・・・道理で気持ちいいと思った。
しかしずっとそのままというのも何なので・・・オレはゆっくりと体を起こした。

「・・・・オレはどうしてたんだ?」

・・・・自分でも間抜けな事を聞くと思う。・・・・が、取りあえず聞いておこう。

「ぼーっと立ってるなって思ったら・・・・急に倒れて・・・・私・・・浩平がまた、消えちゃ、うっ・・・って思って・・・。」
そう言って顔を手で覆う瑞佳。

「わっーーー!泣くなーーーーー!」
慌ててなだめるオレ。

・・・・・・はあっ。



そんなこんなで、しばらく公園を歩いてから・・・・オレ達は帰ることにした。

ふと思いついた事を口にする。

「・・・・・瑞佳。」

「何?」

「今、幸せか?」

「・・・・うん、幸せだよ。」

「・・・・そうか。」

「・・・・そうだよ。」

・・・幸せか。

「・・・・・手、繋ぐか?」

「えっ?一体どうしたの?さっきは・・・・。」

「繋ぐのか・・・・繋がないのか・・・どっちだ?」

「・・・・繋ぐよ。」


もう・・・・恥ずかしくはない・・・・な。


 ―――――――――


今、オレの前でにっこりと笑っている瑞佳に

そして・・・何処かでオレ達を見ているはずのみずかに

こう言いたい


『オレは幸せだ』

『君のおかげだ』

『二つの”あの時”に』

『オレに話しかけてくれて』

『ありがとう』


ってな・・・



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ポン太「えーっと・・・・自分が何を書きたかったのか・・・・よく分からん。(−−;;」
雪ちゃん「ちびみずかSS・・・・なのよね、このSSは。」
ポン太「多分・・・・そう・・・・だったらいいなっ♪」(おい)
雪ちゃん「・・・いい加減ね、いつもながら。」

ポン太「次はいつUPできるかな・・・・。」
雪ちゃん「とりあえず・・・・SS書きなさいよ。このSSだって寸前に慌てて書いてたくせに。」
ポン太「・・・・早くスランプ脱出しないとね。(^^;;;;」

2人「それでは〜♪」

1999.5.15