投稿者: 変身動物ポン太
「茜ーーーーーー、遊びに来たよっ♪」
「また来たんかい!今日で10日連続だろっ!」
「茜ー、折原君があんな事言ってるよ。」
「お前の事だっ!」
「えーっ、放課後に来てるからいいと思うけど・・・・。」
「・・・・最後の授業はサボってますね、詩子。」

それはある平和な放課後の事。
お気楽ご気楽娘こと柚木詩子が、今日も折原浩平&里村茜のラブラブカップルを邪魔しに来たようだ。

「・・・ラブラブじゃないです。」

・・・・ナレーションに突っ込むとは・・・・やるな茜。


「茜、こいつはほっといて山葉堂へ行こう。」
「・・・・はい。」
浩平は今日は詩子を無視するつもりのようだ。

「あっ、ちょっと待ってよ〜〜〜〜。今日は茜に見せたい物があったのよ。」
そう言って唐突に鞄(詩子って鞄持ってたっけ?)をごそごそし始める詩子。
「・・・・何ですか?」
「また怪しい物を買ってきたんじゃないだろうな?」
興味があるのか立ち止まる茜&浩平。

と、鞄の中を捜していた詩子の手が止まる。
「あった!これよっ!」
詩子が何かを鞄の中なら取り出す。それを見る茜&浩平。
「・・・・これは。」
「・・・・壺・・・か?」

そう、詩子が取り出したのは何の変哲も無いだたの壺だった。
いや、何の変哲もないわけではない。(どっちやねん)
何故か『O・T・B』とロゴが入っている。(それって・・・・)

「・・・・茜、この壺には関わらない方がいいぞ。」
「・・・・はい。」

すたすたすた

「で、この壺は・・・・・って、誰も教室に居ないね。」

いつの間にか教室には詩子一人になっていたりして・・・。
オチが見えたのか、浩平と茜はとっとと教室を出ていってしまったようだ。
しかしこれでSSを終えてしまう訳には行かないっ!頑張れ詩子っ!

で、浩平と茜が校門の辿り着いた時に、

ずざざざざざざっ!

「実はこの壺、昨日商店街の骨董品の店で見つけたんだけどねっ♪」
「うおっ!?教室に居た筈の詩子がいつの間に視界正面にいるっ!?」
「・・・・素早いです。」

茜と浩平の前に詩子ちゃんが居て、しつこく壺の説明をしてるわけだな
「詩子さんに不可能はないよ♪」
・・・・おい。

「と、言うわけでこの壺をみんなの前で開けてみようと思うんだけど。」
言い忘れてましたがこの壺にはコルクのような蓋が有ったのね。
「どんな訳かよくわからんぞ・・・・。」
「全くわかりません。」
「じゃっ、開けるね。」
浩平と茜のツッコミを無視して詩子さんは壺の蓋を開けてしまった。
すると・・・・・。


どわあああああぁぁぁぁぁーーーーーーん


もの凄い量の白煙が壺から立ち上った!
「で、何かが出てくるわけだな、多分。」
「多分じゃなくて絶対出てきます。」
その光景を見ながらの浩平と茜の会話。・・・・・白煙に巻かれた詩子の心配は無いのかい?
「奴は不死身・・・・だと思う。」
「詩子なら大丈夫です。(きっぱり)」
さいですか・・・・。

そして・・・・白煙が消えた後、其処にいたのは・・・・。

「・・・・・七瀬・・・いい年して何やってるんだ?」
「七瀬じゃないわよっ!壺の乙女よっ!」
アラビア風の格好をした乙女力士がいた。
「誰が乙女力士じゃあぁぁぁーーーーー!!!!」
がすっ

・・・・・ナ、ナレーションにツッコミ(拳付き)を入れるとは・・・・・・がくっ。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−

(ナレーターが再起不能になったのでここから折原浩平視点になります←おい)

と、言うわけでオレ達は壺の七瀬(命名:美男子星人)と対峙している。
「だから私は壺の乙女だって!」
「説明書に”壺の魔人”って書いてありますが・・・・・・。」
どこから見つけたのか、茜が紙切れを読みながらそう言った。
って、説明書が有るという事は・・・・こいつは商品なのだろうか。

「目の錯覚よっ!そうじゃなかったら他人のそら似よっ!」
壺の七瀬は錯乱して訳のわからんことを言っている。
そんな七瀬に、説明書に目を通しながら茜が言った。

「・・・・・3つの願いをかなえてくれるってホントですか?」
「ああっ、私のセリフなのにっ!」
・・・・どうやら七瀬は3つの願いの魔人だったらしい。

で、茜の持っている説明書を借りて読んでみる。

 ――――――――――
<3つの願いセット>
この壺は魔人が封印されていて、3つの願いを叶えて貰うことが出来ます。
ただし、魔人が「出来るわよっ!」と言った願いしか叶えられません。
さあ、うまく魔人を説得して3つの願いをかなえようっ!
あと、魔人は都合が悪くなるとよく逃げるので注意しようっ!

(定価 4980円)
 ――――――――――

オレと茜は思わずこう言った



「・・・・信頼できんな」
「安すぎます」



「悪かったわねーーーーーーーー!!!!!!!!!」
律儀に言い返してくれるところが七瀬だと思う。

「と、言うわけで3つだけ願いを叶えてあげるわよっ!言いなさい!」
段取りが狂って自棄になったのか、定価4980円の七瀬(改名)はそう言い放った。
「ホントはもっと乙女らしく言いたかったのに・・・・・・しくしく。」
うーーーむ、定価4980円でも七瀬は七瀬・・・・・乙女(もどき)志望は変わらないな。

しかし・・・3つの願い?何を頼むべきか・・・・。


「じゃあ、私と茜がラブラブになるようにしてほしいなっ♪」
・・・いつの間にか詩子が復活してやがった。しょーもない願い事言ってるし。

「・・・・嫌です。」
茜がそう言うと・・・・。

ぞろぞろぞろっ

何処からともなく黒服の男どもが出てきた。そして・・・・。
「えっ!?何なの!?・・・・あ、茜〜〜〜〜〜!!!冗談だってば〜〜〜〜!!!」
・・・・詩子を連行していった・・・・何処に連れて行かれるんだろう・・・
願わくば・・・不可視の力だけは身につけてほしくないものだが・・・。(どんな予想してるんだ)

「・・・・詩子、レ◯だけは嫌なんです・・・・・。」
茜の一言が・・・・何か心に響いた。


「浩平、何を頼むんですか?」
で、何事もなかったように茜が聞いてくる。・・・・おい。
「茜はどうするんだ?」
「私は・・・・・後でいいです。」
そうなのか・・・・うーーーん、何を頼もうか・・・・。
その時オレの脳裏に何かが走った!そうだっ!


「みさき先輩が目が見えるようにしてくれっ!」


これぞ日本中で1億8000万人(って、総人口越えてるわいっ!)のみさき先輩ファン全てに共通する願いだっ!(そうか?)

「出来るか?定価2980円の七瀬。」(値段下がってるぞ)
「誰が2980円だあああぁぁぁぁーーーーー!!!!!・・・・それくらいだったら出来るけど。」
「だったらやってくれ。」
「分かったわ・・・・やるわよっ!」

壺の七瀬が両手を天にかざした・・・・・すると天から光が降り注いだ!

キュイイイイイイーーーーン

見ると校舎の中に光が吸い込まれている・・・・部室練のある辺りだ。
って、みさき先輩・・・・・まだ演劇部で働かされているのかい?
「・・・行ってみましょう。」
茜の言葉にオレは頷く。
オレ達はすぐに校舎の中に戻った。

そして演劇部にオレ達は着いた・・・・が。

「・・・みさき先輩は居ないようだな。」

まだ部活は始まっていないのか、演劇部室には深山先輩(他数名)しか居なかった。
部活が始まって居ないと思えるのは、入り口の辺りに演劇用と思われる資材がぐちゃぐちゃに置いてあったからだ。(始まっていれば片づけられているだろう)
とりあえずみさき先輩の行方を深山先輩に聞いてみる事にした。

「えーっと、深山先輩。みさき先輩何処行ったか分かります?」
「さっきまでその辺にいたんだけど・・・・・いきなり”あっ!”って言って、何処か行っちゃたわよ。」
・・・・・ひょっとして目が見えるようになったのか?

と、その時。

ガラガラガラッ

入り口の扉が開いてみさき先輩が入ってきた。
「浩平君、私を捜してるの?」
「ああ、そうだけど。」
オレがみさき先輩に目が見えるようになったのかを聞こうとした時、それは起こった。

ぐらっ

入り口の近くに立てかけてあった角材がみさき先輩の後ろから倒れてきたのだっ!
「みさき先輩、危ないっ!」
「えっ!?」
しかし、みさき先輩は振り向かなかった・・・・・やはり目は見えてないのか!?
全員が惨劇を予想して目を閉じた!
だが・・・・奇跡は起こった。

「はっ!」


・・・・・・みさき先輩のかけ声?を聞いたオレは恐る恐る目を開けてみた。
すると其処には・・・・・・。

「重いよ〜〜〜〜。」
角材を後ろ手で止めたみさき先輩の姿があったりして・・・・・・。

「み、みさき・・・・どうして分かったたの!?」
深山先輩がそこにいる全員の気持ちを言ってくれた。
「う〜〜〜〜〜ん、何かが倒れてくるのは分かったんだよ。何となくだけどね。」
・・・・・何となく?それって・・・・。

「あっ!美味しそうな”気配”がするよっ♪」
突然みさき先輩はそんな事を言うと・・・・・

だだだだだだだっ

走っていってしまった・・・・・気配って・・・・?


「・・・・彼女は『心眼』に目覚めたようですね。」


茜の言葉がオレ達全員の心に届いた。・・・・某ゲームより染みわたった。(おい)



「全然違うわああああぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」

オレの叫びが演劇部に響いた・・・・・。
思いっきり空しく・・・・そう、

「・・・・七瀬さんに逃げられたようです。」
茜の呟きも聞こえないくらいに・・・・。


 −−−−−−−−−−−−−−

その頃、とある公園で。
「えっ?ホントに2つの願いかなえてくれるの、七瀬さん。」
「・・・七瀬じゃないけど・・・・かなえてあげるわよ。さあ、言いなさい。」
「ホントみたいだね・・・・じゃあ・・・・。」

数分後・・・・その公園に光が降り注いだ。

 −−−−−−−−−−−−−−


・・・・その日の夕方、中崎町に可愛い猫の大群が押し寄せたそうだ。
後、浩平が”多少”真面目になったらしい。(・・・・瑞佳だな)


おしまい
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ポン太「お久しぶりですっ!」
雪ちゃん「・・・・つまんない。」
ポン太「ぐはどぐぁっ!(吐血・・・これも久しぶり)・・・・今スランプですから。(TT)」
雪ちゃん「だったら出さなきゃ良いのに・・・。」
ポン太「一ヶ月に二回くらいしか来ないんだから・・・・SSの一つもUPしなければ・・・男じゃないぜっ!」
裏ポン太「一ヶ月に二回くらいしか来ない時点で男じゃないような気が・・・・。」
ポン太「うるさーーーーーーーーーい!くらえっ!瞬殺剛波棍!」
ドゴバキゴゴーーン
裏ポン太「ぎゃああああーーー!!!」
ぱたり
雪ちゃん「・・・・・こんなネタばっか・・・。」

1999.5.15