プロフェッサー雪ちゃんが行く!  投稿者: 変身動物ポン太
のSSは、りーふ図書館にある私のSS”激突!!”シリーズの『雪ちゃん編』みたいな物です。
良ければそちらの方も読んでください。・・・・・よけい意味が分からなくなりますから。(笑)

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「深山部長、お先に失礼します。」
「ええ、また明日ね。」

最後まで残っていた部員が私に挨拶して出ていく・・・・・。
そして・・・・演劇部室に私−深山雪見が一人残される。


私は無言で、演劇で使う衣装を納めたロッカーを開ける。
目の前に並ぶ数々の衣装・・・・私の目的はこれでは無い。

衣装をどけ、奧の壁に掛かっている白衣を取り出し体に通す。
「後は・・・・これを。」
懐から取り出したぐるぐるメガネをかける。

「!」

瞬間・・・・・・・私の中に何かが弾ける。
頭脳にあらゆる知識がダウンロードされ、心にはあらゆる物に対する優越感が満ちる。
自然にポーズをとる私。そして、思わず口走ってしまう言葉。


「プロフェッサー雪ちゃん、見参よ!」


「・・・・毎回思うけど、変ですよ。プロフェッサー。」
後ろに立っていたらしいシュン君に突っ込まれる・・・・いつもの事だわ。(毎日やっとるんかい!)


 ・・・・・・・・・・


「で、今日は何のために集まるんですか?また浩平君達の競争の妨害ですか?」
地下のミッションルームに降りるエレベーターの中で、シュン君が聞いてくる。
「違うわよ、ちょっと気になったことがあってね。」
ホントはちょっとどころではないんだけどね。

グィィィィィーーーーーン

ズズーーン 

エレベーターが地下につき、私達はミッションルームへ足を踏み入れる。
中では様々な精密機器が動いている。・・・・・全て私が開発した物ね。(開発したんかい!)
私は、その中の一つのモニターにかじり付いている男子生徒に声をかける。

「南君、特殊事例ファイル(激突!!春の特別編を見よう)−No.185をメインスクリーンに出して。」
「・・・・・えっ!?あ、はい。今出しますっ!」
「それと・・・・次に私用でカメラを使ったら・・・・・・お仕置きしちゃうぞ♪」(どんな?)
「は、はい。二度としません!(汗)」

南明義−最近入ったオペレーターの一人。・・・・優秀なのはいいんだけど”私の”機器を私用で使うのは・・・許せないわね。
さっきも学校内に仕掛けられた隠しカメラを使って・・・・・あらあら。ホントに里村さんに萌え萌えみたいね。(南は一体何見てたんだぁぁぁぁーーーーー!!!???)

と、目の前の巨大なスクリーンにある人物の画像が映し出された。

「ふ〜〜ん、今回は七瀬さんがらみの事件か。」
隣でシュン君が言ったとおり、スクリーンには自称乙女の二年生−七瀬さんの画像がアップで映し出されてる。
同じく二年の中崎君率いる七瀬さんFCの面々に売りつければ・・・・・凄い値が付くかもね。(・・・多分付きます)
画像の横にはこんな文章も見えるわ。

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<特殊事例ファイル−No.258 七瀬留美の必殺技>
七瀬留美(性別:女性 17歳)には、非人間的な必殺技が有る事が確認されている。(詳しくは激突!!事件編・解決編を見てね♪)
その名前は『乙女必殺!ジェノサイドバスター!』。
乙女のボルテージがMAXになった時、目から必殺の破壊光線がほとばしる・・・・らしい。
使用が確認されたのは今までに2回、第一次椎名繭暴走事件と椎名繭誘拐事件である。(これは激突!!の第一章と第二章の事です。読んで♪)
その詳しいメカニズムは不明。更なる調査が待たれる。
(調査・筆記人 氷上シュン)

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「この七瀬さんの能力が・・・・どうかしたんですか?」
シュン君の問いにこう答える。
「住井君の情報では・・・・・今朝、七瀬さんは折原君に58回目の激突をされたらしいわ。」
「・・・・ひょっとしてこれでボルテージがMAXになったわけかい?」

私の見解では、七瀬さんの能力は乙女への努力−その為の抑圧の反動で作られる。
そして・・・恨み辛みで解放される能力と言う訳ね。
特にその最もたる物が折原君との毎朝の激突・・・・・私もチラッと見たこと有るけど凄かったわね。(詳しくは激突!!発端編で見てね)

「私の計算では・・・・・今日の朝の激突で『O・T・B』(乙女チックボルテージ)の総量が許容量を越えるわ。」(どういう計算ですか?)
「もし越えたら・・・・・どうなるんです?」
私は静かに言った。

「・・・・・暴走するのよ、恨みの彼に向かってね。」

 ・・・・・・・・・

その頃・・・・折原浩平は椎名繭と共に、とあるファーストフードの店で繭の好物をパクついていた。

「みゅ〜〜〜♪。」
「今日は残すなよ・・・・・おっと唇にてりやきソースが付いてるぞ。取ってやろう。」
「みゅ〜〜〜♪(頬が少し赤い)」
ラブラブ(死語)だった・・・・・。

そんな二人を睨む黒い影・・・・・誰かは語るまい。(語れよ)
そして・・・・彼女は浩平に向かって怒気を放った。

「お〜〜〜〜り〜〜〜〜は〜〜〜〜ら〜〜〜〜〜。」

「何だ?」
「みゅっ?」
地獄のうめき声のような声を聞いて、ラブラブだった二人もその方向を向いた。
其処には・・・・・・。

「・・・・・・・・。」

体中から青いオーラを出している七瀬留美が居たりして。

「な、七瀬・・・・乙女はそんなオーラは出さないと思うぞ。」
ビビりながらもツッコミは入れる浩平・・・・さすがだ。
「みゅっ・・・・・(汗)。」
さすがの繭もこの七瀬には飛び掛かれないようだ。

だが既に暴走している七瀬の目には、浩平以外の標的は映ってなかったりして・・・・・。

「死んで、折原。・・・・乙女必殺!”ジェノサイドバスター”!」
七瀬の目から青い破壊光線が撃ち出され浩平と繭に向かう!

「うあああぁぁぁぁーーーー!!!???」
「みゅうぅぅぅぅぅーーーー!!!???」

外道主人公&今回のヒロイン、大ピンチ!

 ・・・・・・・・・・

「プロフェッサー!中心街のファーストフード店で、『O・T・B』の異常な数値が確認されました!」
オペレーターの南君が叫ぶ。・・・・・もう暴走は始まってしまったみたいね。
「・・・・シュン君、転送装置の用意!」
私は、折原君のピンチにこっちもボルテージ臨界のシュン君に声をかける。(・・・シュンも乙女なのか?)
「・・・・僕がでるよ。」
意欲満々と言う感じでそう言うシュン君。

・・・・気持ちは分かるけど、今の七瀬さんにシュン君一人では太刀打ち出来ないわよ。
だから・・・・・・。

「久しぶりに私も出撃するわ。」

 ・・・・・・・・・・・

「うあああぁぁぁぁーーーー!!!???」
「みゅうぅぅぅぅぅーーーー!!!???」
私達が店に着いたとき・・・・・それは正にギリギリのタイミング。
折原君と椎名さんに向かって、七瀬さんがビームを発射した瞬間だったからだ。

「シュン君!」
「任せてもらうよ!」
私の合図にシュン君が飛び出す!

「氷上シュン、愛のバリヤーぁぁぁぁぁ!!!!!!!」(・・・・嫌だ)

シュン君が謎のかけ声とともに七瀬さんのビームを体で受け止める!

グアアアアァァァァーーーーーーーーーン!!!

「シュン!?」
「みゅみゅ!?」
さすがに驚く折原君と椎名さん。・・・・・折原君は何か嫌そうな顔してるけど。(当然)

「お、折原君・・・・・だ、大丈夫かい?」
ボロボロに成りながらも生きてるシュン君・・・・・さすが私の腹心なだけあって不死身ね。(他に言うことは無いのかい?byシュン)

「・・・・邪魔するのね。」
七瀬さんがそう呟く。予想以上の強さになってるわ・・・・早めに止めないとやっかいなことになるかも。

「プロフェッサー・・・・・七瀬と近距離戦で戦えるのか?」
椎名さんをかばいながら折原君がそんな事を言ってくる。
まあ・・・・その心配はもっともだけどね。
「任せときなさい・・・・・私はプロフェッサー雪ちゃんなのよ。」
私はそう言ってニコリと笑う。

「さあ・・・・かかってらっしゃい!」
「言われなくても・・・・・行くわよ!」
私の挑発に、暴走している七瀬さんはいとも簡単に載ったようね。


「行くわよ・・・・乙女必殺!ジェノサイドバスター!」

グオオオオオーーーーーーーーーン

来た!七瀬さん必殺の破壊光線!

でも・・・・・・その位じゃ私に勝てないわね。
私は光線を引きつけると・・・・・叫んだ!


「Transformation・・・『doppel』!」


瞬間・・・・・私の体を金色の輝きが覆う!
その光はあっさりジェノサイドバスターを跳ね飛ばし、なおも広がっていく。

「な、なんだ!?」
「みゅみゅ!?」
折原君と椎名さんが叫んだ・・・・・ここで私の意識は飛ぶ。


ぐああああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!


大爆音の後・・・・・・私の前には気を失った七瀬さんの姿があった。

私はぐるぐるメガネを直しつつこう言った。
「七瀬さん・・・・・・・このプロフェッサー雪ちゃんに戦いを挑むには・・・・まだ若いわね。」
くぅーーー、我ながらかっこいいセリフね。(自分で言わないようにしましょう)

「な、何をやったんだ?」
呆然とする折原君・・・・・・ふふふ、罠だけが私の能力じゃないのよ。

今の技は『Transformation』・・・・・まんまなネーミングね。
深山雪見の演劇能力、そしてプロフェッサー雪ちゃんの知識と装置。
この3つが合わさって初めて出来る能力なのよ。
簡単に言うと変身能力なんだけど・・・・それだけじゃないわね。詳細はまた今度と言うことでっ♪

「今回は派手に『doppel』を使ってみたけど・・・・・・やりすぎたわね。」
「やり過ぎというか・・・・・ファーストフード店、跡形もないみたいだね。」
いつの間にか復活したシュン君のツッコミ・・・・・確かにそうね。(おい)

「あ、あれ?私どうしたの?」
あ、七瀬さんが起き上がったみたい。すると当然椎名さんが・・・・。
「みゅ〜〜〜〜♪」
「えっ?って、ぎゃああぁぁーーーーー!!!!」
ふふふ・・・・一件落着ね。

「さてと・・・・七瀬さんもどうやら元に戻ったみたいだし・・・・帰りましょう。」
帰ろうとした私に折原君が声をかけてくる。

「プロフェッサー・・・・・なんでオレを助けたんだ?って言うか、何でいつもこんな事してるんだ?」

すかさずこう答える私。



「それはね・・・・・・・楽しいからよ。」



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プロフェッサー雪ちゃん・・・・・彼女はこの街の平和と自分の欲望の為に日夜戦っているのだ。
破壊と崩壊を引き連れて・・・・・・・。



「所で資金は何処から出てるんだろう?」



おしまい
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ポン太「うーーーーむ、ギャグが少ないな。原因は分かるけど。」
雪ちゃん「何なの、原因って。」
ポン太「プロフェッサー雪ちゃん視点だからツッコミしにくい・・・・と、いうことでしょうか。」
雪ちゃん「ただ単にギャグの在庫が尽きただけだったりして。」
ポン太「・・・・そうかも。( ̄∇ ̄;;;;」

裏ポン太「次の4本目はシリアス(?)な雪ちゃんSSでーーーーす。」

1999.4.10