みさきを捜して・・・・ 投稿者: 変身動物ポン太
「みさきーーーー!!!!どこに行ったのよーーーー!!!!」

放課後の一時・・・・・とある3年の教室に大声が響きわたる。
教室の側を歩いていた生徒達も一瞬ビクッとしている。

そして、教室から飛び出してくる一人の女子生徒。
さらさらとしたロングヘアが似合うなかなかの美少女(注:ポン太視点♪)である。

「・・・・・逃げたわね。妙な勘だけは鋭いんだから・・・・あの子は。」

彼女の名前は深山雪見・・・・演劇部部長にして川名みさきの親友でもある。

今日の掃除当番は彼女とみさきの二人も参加する・・・はずだった。
雪見はそれとなくみさきを見張っていたのだが・・・・・・。

みさきはいつも通り、難なく逃げたようだ。
「もうすぐ演劇会もあるし・・・・私は最近その事ばっかり考えてるのに・・・・。」
そうか、みさき先輩はその事からも逃げたのか。
「最近・・・・やたら逃げが上手くなったのよね。・・・・誰かの影響かしら。」
思いっきり当たりである。その誰かとは・・・・・言わなくてもお解りだろう。

「絶対捕まえるわよ・・・・・みさき。」

雪見はみさきが行きそうな場所に見当を付け、歩き出そうとして・・・・。
と、いきなり立ち止まる。
「何か忘れてる事・・・・あったような気がするけど・・・・。」
さあ、何でしょうね。
「まあ、いいか。みさきを探し出してから考えればいいわね。」
雪見はそう言って歩き出した。


まずは定番通り・・・・・屋上へ向かうようだ。

『折り曲げ禁止』

こう書かれている立て札を無視して、雪見は屋上へのドアを開ける。

バタンッ!

「みさきーーーーーーー!居るんだったら返事しなさいよーーーー!!!!」
ドアを開けたとたんに大声を張り上げる雪見。

・・・・・・・みさき以外の人が居たらどうするつもりなんだろう?

「・・・・・・誰も居ないわね。」
雪見は辺りをぐるっと見回すとそう言った。
珍しく・・・・・と言うかこの季節なら当たり前というかそこには誰も居なかった。
「・・・・・一応ここも見ておこうかしら。」
フェンスの向こう側を覗き込む雪見・・・・・・浩平の言った事は信じなくてもいいと思うが。
「・・・・まあ、居ないわよね。」
当たり前だって。


次は学食へ向かう雪見。

ガラガラガラッ

「みさきーーーーーーーー!!!!ここにいるのはわかってんのよーーーーー!!!」
だから扉を開けてすぐ叫ぶのは止めたほうが・・・・・。

「な、なんだあ!?」
「・・・・・・・あ。」
今度はさすがに数人の学生が居たようだ・・・・固まる学生&雪見。

「みさきちゃんなら・・・・ちょっと前に出ていったわよ。男の子と一緒にね。」
食堂のおばさんがそう言った。・・・・・さすがみさき先輩、食堂関係の人間で顔見知りじゃ無い人間は居ないのかもしれない。
「あ、ありがとう・・・おばさん。」
ひきつった笑顔で食堂を後にする雪見・・・・・学食でむやみに大声を出すのは止めましょう。


「・・・・・居ないわね、何処にも。」
あれから雪見は演劇部室、調理室(あるのか?)、視聴覚室、放送室(おい)、も一度教室・・・・・と回ってみた。
しかし・・・・何処にもみさきの姿は無かった。
既に掃除の時間は過ぎている。

「・・・・・なんか悔しくなってきたわ・・・いつもなら簡単に見つけられるのに・・・・。」

ホントに悔しそうな顔の雪見。
しかし直ぐにキッと表情を改める。

「こうなったら意地でも捜し出してあげるわっ!」

・・・・・あの〜〜〜部活の方は・・・・?

「後回しよっ!」

・・・・いいのか?



2年の教室
「みさきっ!」
「みゅ〜〜〜〜!?」(浩平のクラスだったらしい)

1年の教室
「みさきっ!」
『ごめんなの』(澪は今日部活をサボったらしい)

職員室
「みさきっ!」
「んあ〜〜〜、川名なら居ないぞ。」(さすが髭・・・・まったく動じてないな)

用務員室
「みさきっ!」
「うーーーむ、ワシの若い頃は・・・・。」(聞いてない)

校長室(おい)
「みさきっ!」
「深山君・・・・3月の演劇期待してるよ。」


・・・・・・絶対居ないと思うぞ、そんな場所(←特に後半3つ)。


 ・・・・・・


辺りがすっかり暗くなった頃・・・・学校の門をゆっくりと出てくる影があった。

「・・・・・。」
言葉すら出なくなるほど疲れてしまった雪見だった。
そのままトボトボと家路につく。

「はあ・・・・・なにやってたのかしら、私。」
歩きながらぶつぶつ呟いている。
「みさき・・・・・明日は覚えてなさいよ〜〜〜。」
・・・・それでこそ深山先輩だな。



で、雪見は自分の家に帰ってきた。
「ただいま〜〜〜。」
そう言って中に入ろうとした雪見の目に入ったのは・・・・・。

パンパンパ〜〜〜ン

「雪ちゃんおめでと〜〜〜〜〜♪」
『おめでとうなの』
「深山先輩おめでとう。」
「・・・・おめでとうございます。」
「なんだかよく分かんないけど、おめでとう♪」

クラッカーを撃つみさき、澪、浩平の姿だった。
何故かケーキを持った茜&詩子まで居る。

「えっ?えっ?ど、どうしたの?」
びっくりして言葉が満足に出せない雪見。
しかしその疑問は次のみんなの言葉で消えた。

「・・・・・雪ちゃんやっぱり自分の誕生日忘れてたんだね♪」
『やっぱりなの』
「うーーーん、まさかとは思ったがホントに忘れてるとは・・・・。」
「・・・・・忘れちゃいけません。」
「お腹空いたな〜〜♪」
・・・・一人関係ないこと言ってる奴いるけど。

(えっ?誕生日・・・・・私の・・・・・あっ!)
気付いて真っ赤になる雪見。
忘れてたことって・・・・この事だったのね。

「お祝いするために今日はすぐに学校を出たんだよ。」
『準備するために部活サボったの』
「ケーキ作りの為に茜呼んだんだ。な、茜?」
「・・・・・呼ばれました。」
「綺麗な髪してるんだね〜〜♪深山先輩って。」
だからそこの一人、関係無いこと喋ってるって。

「じゃ、雪ちゃんの18歳の誕生日会、はやく始めようよ〜〜〜。」
そう言って雪見の手を引くみさき。

しばし呆然としていた雪見だったが・・・・・・。
いきなりこう言った。
「みさきっ!」
その声にビクッとするみさき。驚いた浩平達もじっと雪見を見つめている。

「な、何?雪ちゃん。」
いきなり大声を出されて、おどおどするみさきに・・・・雪見はクスッと小さく笑うとこう言った。

「ありがとう。」

みさきはホッとした顔になった。
「もう、雪ちゃんたら。脅かさないでよ〜〜〜。」
浩平達にも笑みが戻る。
『一件落着なの』
「よーーーーし、今日は飲むぞーーー!!!」(他人の家だぞ、浩平)
「自己紹介・・・・まだですけど。」
「わーーーい、ケーキだ♪」

こうして・・・・深山雪見の一番長くて疲れてたけど楽しい1日は終わった・・・・・・・。

(明日は逃がさないわよ・・・・・みさき)
密かな決意とともに♪



みさきを捜して・・・    END
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ポン太「殺人的にお久しぶりのポン太です〜〜。雪ちゃんの誕生日ってホントにいつなんだ?」
雪ちゃん「さあ?・・・・それより一ヶ月はインタネ出来ないはずじゃ無かったの?」
ポン太「ふっ、交通費払って大学までたどり着いたのさっ♪」
雪ちゃん「・・・・・そ、そうなの?(汗)」
ポン太「完全復活にはほど遠いけど・・・・・まだSSは書ける!」

ポン太「で、雪ちゃんSS書くのも久しぶりですな。」
雪ちゃん「他の予定してたSSはどうしたのよ。」
ポン太「まだ殆ど書いてないもん!えっへん。( ̄∇ ̄)」
雪ちゃん「・・・・・自慢しないでよ、そんな事。」

ポン太「さて・・・・この後更に雪ちゃんSSは続くぞ!」
雪ちゃん「えっ?まだ書いてあるの?」
裏ポン太「何でも”雪ちゃんSS4連発!”やるそうです。」
雪ちゃん「私のSS4連発・・・・・いいのかしら?」
ポン太「”雪ちゃん専用SS作家”を名乗っているならこれくらいは当たり前!と、言うわけで次のSSへGO!」
雪ちゃん「・・・・・皆さん、迷惑だったらごめんなさい。」

1999.4.10