輝け!第一回男子人気投票!(その5) 投稿者: 変身動物ポン太
「折原君・・・・あなたしか居ないのよ、私には。」
「それはそうだろう。広瀬。」

「だからね・・・・次の英語の時間はちゃんと答えてよ。」
「・・・・分かった。」

そして英語の時間・・・・・・。
「折原君、”The party was concluded with three cheers.”訳してください。」

「い、『一団は三人のチアガールによって壊滅させられた』だっ!」

「・・・・・・・・うむ、だいたい合ってるな。」

クラス一同「なんでやねーーーーーん!!!!!!」


次は国語、漢字のテスト。
「烏滸がましい・・・・・よしっ”うーろんがましい”だな!」

・・・・・・

「10点が一人、折原浩平。」

クラス一同「なんでやねーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!」


・・・・・教師達はクラスの熱気で頭脳をやられていたらしい。(後日、プロフェッサー雪ちゃん調査結果)


「・・・・喜んでいいのかな、私。」



第5話 ”屋上で・・・・”

5日目

「ふうっ・・・・・。」

『折り曲げ禁止』と書かれている立て札を見ながら、屋上へ入る。(嘘つけ)

「うーん、広瀬の奴、昨日からやたらうるさくなったなあ。」
あまりにうるさかったので屋上へ避難してきたとこだ。

さっきの国語の漢字テストでも”絶対一位を取るのよっ!”って言われたし・・・・。

七瀬じゃないんだからそこまでする事もないような・・・・。

「へえっ・・・・あたしならそこまでやらなきゃ駄目だと?」
「うむ。永遠に手に入らない乙女を目指すには・・・。」

げしっ!

「よお、七瀬。・・・・屋上まで来るとは珍しいな。」
「・・・・あたしだって屋上くらい来るんだけど・・・・。」
「・・・・・言っとくが熊はここには生息してないと思うぞ。」
「熊なんて捜すかっ!・・・・・・屋上で空を見ながら静かにたたずむ・・・・乙女でしか成せない事よ。」
と、言うことはみさき先輩やシュンも乙女なんだろうか・・・・。(シュンは違う)

「そう言えば・・・・お前ら、オレと住井の投票数に何を賭けてんだ?最近の広瀬の様子はただ事じゃないが・・・・。」
オレがそう言うと、七瀬は突然憂いを浮かべた顔になって言った。
「・・・・乙女には言えない理由なのよ。」
「昼飯おごりとかそう言う賭じゃないようだな。」
「もっと高尚な理由よ。」
・・・・どんな賭なんだよ。
「・・・・教えろ。」
「・・・・嫌よ。」

結局七瀬は「乙女時間の終わりだわっ!」と更にわけのわからん事を口走って逃げてしまった。

オレは一人屋上に残った。
そしてゆっくりと口を開く。

「みさき先輩、もう相撲取りは居なくなったぞ。」
「・・・・すいぶん可愛い声した相撲取りだね。」

給水塔の陰からみさき先輩が顔を出した。・・・・すっかり屋上の主だな。

「ふーーん、私って乙女なんだね。」
「先輩、七瀬の言うことを真に受けちゃ駄目だと思うぞ。」
そんな取り留めのない話をしていると・・・・・ふと、みさき先輩が言った。

「そう言えば・・・雪ちゃんから聞いたけど、今浩平君のクラスで人気投票してるんだよね。」
「そうだけど。」
「ふふふ・・・・浩平君、現時点で3位なんだってね。」
・・・・深山先輩も口が軽くなったな。
「ひょっとして・・・・みさき先輩も投票するのか?」
「もうしたよ。」
「えっ!?誰に!?」
「私の目の前に立ってる人・・・・かな?」
えっ!?それって・・・・。

「冗談だよ。」
・・・・へっ?
「まだ投票もしてないよ。」
・・・・おい。
「浩平君ってからかうと面白いね。」
にこにこと笑うみさき先輩。・・・・・この笑顔で何でも許せてしまうよな。

「みさきーーー!!!そこに居るのは分かってんのよーーー!!!」

深山先輩の声がここまで聞こえてくる。
その声にビクッとしたみさき先輩はオレに向かってこう言った。

「うー、もう少し浩平君と話したかったのにー・・・・行かなきゃいけないよ。」
「ああ。またな、先輩。」

みさき先輩は出口の方へ走って行こうとして・・・・何故かオレの方に振り向いた。
「あ、浩平君。さっきからかったお詫びに、あの相撲取りさんの賭けた事のヒント教えるね。」
「えっ!?みさき先輩、七瀬の賭の真相知ってるのか!?」
「あくまで想像だよ。」
そして早口でこう言った。

「女の子が男の子を賭にする時のキーワードは・・・・・”恋”だと思うよ。」

 ・・・・・・・

オレは、みさき先輩が去った後もぼーっと屋上に立っていた。
頭の中にみさき先輩が言ったことかグルグルと回っている。
キーワードは恋・・・・・?

ばからしいと思いつつも・・・・みさき先輩の洞察力は信用できるし・・・・。
うーーーん。


そんなオレの背後に忍び寄る黒い影・・・・。

「あーーーーーっ!こんな所にいたわね!」

広瀬か・・・・ここまで出現するとは・・・・詩子並みだ。

「投票数が伸びるように作戦会議するって言ったでしょ!さっさと来なさいよ!」
「相変わらず口と性格の悪さは直ってないな・・・・・。」
「な、何よ。七瀬さんの事だったら謝ったでしょ!」
「いや、別にその事責めてるわけじゃないんだが・・・・・・。」
「と、とにかく七瀬さんには負けたくないのよ!」

・・・・・なんだかなあ。
そう思いつつオレは広瀬に引きずられていくのだった・・・・・。

============================
そして・・・・男子人気投票本部では、

入ってきた詩子が部屋の中を見回していた。
「あれ?今日は誰も居ないね。」
詩子は軽く腕組みして考えて・・・・・結論を出した。
「あ、そうか第二作戦開始とか言ってたね♪・・・・・うまく行くといいけど。」
そして詩子はそのまま本部を出ていった・・・・。

「茜は誰に票入れるのかな〜♪ひょっとして私かな〜♪」

それは無いぞ、詩子。


第五話 完
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ポン太「今回はギャグよりほのぼの多くしてみました〜。」
雪ちゃん「雰囲気違うわね、今回のこれ。」
ポン太「いまスランプですからね〜。この雰囲気は試行錯誤しまくった結果ですな。(^^;;;;」
雪ちゃん「で、後何話くらいで終わるの?」
ポン太「あと2話くらいです。土日挟むこと忘れてたんで・・・・すこし早く終わるかな?」
雪ちゃん「ふーん。」
ポン太「今回で黒幕は誰か・・・・分かりました?」

ポン太「この後には・・・・感想SSが来るはずですな。」
雪ちゃん「じゃ、次の後書きでもお会いしましょうね。」
裏ポン太「では今回はここで・・・・おしまいっ!」

1999.3.15