「今日は楽しかったね。」
「そうだな。」
夕方・・・・赤い光が二人の影を少しずつ伸ばして行く時間。
二人は家路に帰る足を止めて少しの間、その沈みゆく夕日を見ていた。
「でも、浩平が私を遊園地に誘ってくれるとは思わなかったよ。」
「住井からチケットを安く手に入れたからな。」
今日は珍しく浩平が瑞佳を遊園地へ誘ったようだ。
「ふふふ・・・・。」
「なに嬉しそうな顔してんだ?長森。」
「だって・・・今日遊園地に誘ってくれたのって・・・・”アレ”のお返しでしょ?・・・嬉しいんだもん。」
そう・・・・今日は3月14日なのだ。属に言う・・・・である。
「・・・・そう言う訳では無いんだが。」
「・・・・浩平、ひょっとして照れてる?」
満面の笑みでそう言う瑞佳。
「ホントに違うって!今日は・・・・たまたまその日に重なっただけだって!」
やけに焦り気味の浩平・・・・怪しい。
「そう言う事にしといてあげるね。」
にこにこしっぱなしの瑞佳。
「くううう・・・・・・。」
「ふふふ・・・・。」
珍しく瑞佳が浩平より優勢な状況である。
「・・・・はあ、ホントはもっといい状況で出したかったんだけどな・・・・。」
そう言った浩平は、持っていた鞄をゴソゴソと探り始めた。
「?・・・そう言えば朝から変だと思ってたけど・・・・その鞄って・・・。」
キョトンとした瑞佳に浩平が”それ”を差し出して言った。
「・・・・バレンタインのチョコ、手作りで美味かったからな・・・・。」
「こ、これって・・・・。」
浩平が差し出したのは綺麗にラッピングされた小さな包み。
「学校で渡すのは嫌だしな・・・・かと言って家まで持ってくのもなんだったからな。」
1人でぶつぶつ言う浩平。なるほど、だから遊園地へ誘ったんだな。
「あ、開けても良い?」
なんかウルウルしながら言う瑞佳。言いながらもう開けているのはご愛嬌♪
「えっ!?ここで開けるのか!?って・・・・もう開けてるやん!」
浩平は慌てたが後の祭りだった。
包みを開けた瑞佳は中から何かを取り出した。
「・・・・クッキーだよね?これ。」
「ああ・・・そうなるはずだった物だ。」
瑞佳が包みから取り出したクッキーは・・・少し焦げていた。
「ひょっとして・・・・・これって・・・。」
「・・・さっき言ったろ?今年の長森のチョコは手作りで美味かったって。」
俯いてはいるが・・・・目茶目茶照れている事がバレバレな浩平。
「ホントはキャンデーが定番なんだが・・・・教えてもらった人が作り方知らなかったから・・・・。って、うおっ!?」
「浩平っ!」
がしっ
瑞佳は浩平に抱き付いていた。
「いいんだよ・・・・私にとっては・・・・浩平の手作りは・・・・どんな物よりも嬉しいんだもん!」
「長森・・・・・。」
沈みゆく夕日が二人を包んでいく・・・・・。
「浩平・・・・私達も私達なりの・・・・手作りの恋をしようね。」
「・・・・ああ。」
手作り・・・・・それは、不器用だけど素直になれる不思議な方法・・・・・かな?
END
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ポン太「うははははははははははははははは!!!!!(TT)」
雪ちゃん「なに泣き大笑いしてるの?気持ち悪いわよ。」
ポン太「・・・・マイパソのシステムがいかれた。」
雪ちゃん「・・・・えっ?」
ポン太「とりあえず再インストールはしたが・・・・固定HDのデータが吹っ飛んだ。(TT)」
雪ちゃん「・・・・保存してあった過去ログが吹っ飛んだのね。」
ポン太「今週のSSの感想や、書きかけの”男子人気投票”の第5話も・・・・あううう。(TT)残ったのはFDに移してあった私自身のSS群のみ。」
雪ちゃん「・・・・一番無駄な物が残ったわね。」
ポン太「卒研データも少し損害受けたし・・・・あうあう。ですから今日は突貫で書いたこのホワイトデーSSで許して〜〜!!(TT)」
雪ちゃん「突貫だけあって・・・・展開が強引ね。」
ポン太「仕方が無かったや〜〜〜。(TT)」
雪ちゃん「あ、永遠の世界へ走って行った・・・・帰ってこないかも。」
雪ちゃん「そう言えば、普通は男性からのホワイトデーでは手作りって・・・・あまり無いわよね。」
裏ポン太「多分・・・・そうでしょうけど。皆さんはどう思いますか?」
裏ポン太「ポン太が逃げたので今日はここまで。」
雪ちゃん「次のUPは当然未定ね。」
裏ポン太「では皆様。」
2人「またね〜〜〜〜〜。」
1999.3.12