このSSは先日UPした”待ち人”の対になるSSです。(ポン太)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
私は・・・・彼女を見ていた
彼女はいつも・・・・高台の公園にいます
皆は彼女の事を・・・・などと言っています
でも・・・・私は彼女が何をしているのか・・・・分かるんです
それは・・・私も・・・・同じだから
どうして彼女に話しかけようと思ったのかは・・・・・分かりません。
でも、彼女を見ている間に・・・・気がついたら彼女の近くに立っていました。
向こうも私に気づいたらしく・・・・。
「な、なに?里村さん?」
少しびっくりしたように聞いてきました。
私は無意識のうちに・・・・こう言っていました。
「あなたも・・・・待ってるんですか?」
「えっ・・・・・?」
彼女は驚いています。
「な、なんで分かるのよ・・・・あたしが・・・・待ってるって事。」
・・・・それは
「・・・・・見えたから。」
「な、何が?」
「・・・七瀬さんの中に私が見えたから・・・・・同じに見えたから。」
私も・・・・待っていましたから。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
私の待っていた人は・・・・待つ場所を失っても帰ってきてくれませんでした。
もう私に出来ることは無い・・・そう諦めた時・・・・。
彼女−七瀬さんの事を聞きました。
それを聞いたとき、自然に足がその公園に向いていました・・・・。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
私は・・・彼女を見てすぐに、彼女が待っている事に気づきました。
そして・・・”皆に忘れられた人”を待っていることにも。
私は七瀬さんと少しだけ・・・・話をしました。
私も七瀬さんもお互いの”待ち人”の事を話しました。
お互いに話し終わったとき、七瀬さんは気落ちしたような表情をしていました。
私の帰ってこなかった幼なじみの話しを聞いて、自分の待っている人も・・・・と思ったに違いありません。
違うんです、七瀬さん。
私は彼女の話の中から・・・・ある事に気づいていました。
その事を私は別れ際に・・・言いました。
「あなたの”待ち人”は・・・・ここに来るって言ったんですよね。」
私と七瀬さんは・・・・忘れられた人を待っているのは同じ・・・・・でも。
その待っている人は・・・・・・違うんです。
約束してくれたんですよね・・・・七瀬さんの待っている人は。
『じゃあ、待ってるからな』
七瀬さんの”待ち人”が最後に残した言葉・・・・。
それだけのセリフ・・・・でも、それが私と七瀬さんの大きな違い・・・・。
そして・・・・私の待ち人は帰ってこずに・・・・・彼女の待ち人は・・・・・。
私は最後にこう言って七瀬さんと別れました。
「ごめんなさい、同じでは無かったですね。」
そして・・・・心の中でこう呟きました。
七瀬さん・・・・あなたの待ち人は必ず帰ってきますよ・・・・だって、
”約束”してくれているんですから・・・・・・と。
公園を出て、ふと私は気づきました。
私は・・・・ふられていたんだと。だから・・・”彼”は約束してくれなかったんだ・・・と。
「七瀬さん・・・・ホントに羨ましいです。」
そして風に乗って聞こえた・・・・彼女の問いかけにこう答えました。
「だから・・・・もう待ちません。ふられたんですから・・・・私は。」
私の頬を・・・・涙が流れていきます・・・・彼のために流す最後の涙が。
幸せになってください・・・・七瀬さん
END
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ポン太「あああああ・・・・・茜様、最後まで不幸やった・・・・御免なさい〜〜。」
雪ちゃん「・・・・他のシナリオでの里村さんって・・・・想像するとかなり不幸よね。」
ポン太「だから、同じように待っている七瀬と出会って・・・・少しは救おうと思ったのに・・・・やっぱり不幸。(T‐T)」
雪ちゃん「このSSは、この前書いた”待ち人”の里村さんバージョンよね。」
ポン太「そうです。二つ並べて読むと分かりやすいです。」
ポン太「ホントはこれを”待ち人”に続けて書くはずだったんだけど・・・・。」
雪ちゃん「バレンタインデーがあったから・・・・急きょ”激突!!外伝3”書いたのよね。」
ポン太「ううう・・・・急いで書くから・・・・出来が良くない、本編とダブる・・・・あうあう。(T‐T)」
ポン太「今日はこれくらいで・・・・卒研ファイヤー!!!!(意味不明)」
雪ちゃん「冗談抜きで追い詰められてるわね・・・・・。」
裏ポン太「では皆さん。」
3人「またね〜〜〜。」
1999.2.15