激突!! 第二章 (第7話) 投稿者: 変身動物ポン太
「おいっ!”バトラーYUZUKI”までやられたではないか!どうするつもりだ!」
「大丈夫です。高槻様。まだ我々の手の内には”能力者”があります。それに・・・・・・・。」
「それに・・・・・?」
「私の最高傑作があるではないですか。以前お見せした・・・・・・・。」
「おおっ!あれか。」
「はい。」
「はっはっはっ・・・・・なるほどな。」
「ふっふっふっ。」
作戦室に高槻と白衣の男の笑い声がこだまする・・・・・。

「・・・・・男って、単純ですね。」
「みゅ〜?」
茜のツッコミと繭の声も・・・・・・・。


第7話 ”巨神 激突!!”

オレと南は長い廊下を歩いている。どうやらお目当ての部屋まで一直線のようだ。
「・・・・・なあ、南よ。」
「なんだ、折原。」
「こいつら・・・・しつこいな。」
「ああ、そうだな。」
オレ達の前に次々現れる怪人・・・・・もとい戦闘員のことだ。
そしてまた一人戦闘員が・・・・・。

「浩平はともかく・・・・南明義!なんで貴様がこんなに出番多いんだ!天が許してもこの”立ち絵のある”住井護が・・・・。」
「南君パアアアアァァァァーーーーーーーンチ!!!」
どごーーーーーーん
「ひぎいいいいいいい!いいパンチだああああ!親友ぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・」

「・・・・・ふれてはいけない傷にさわったお前が悪いんだ、住井・・・・・・・。」
住井をお星様にした南が呟く・・・・・・。
・・・・なんで南は立ち絵も無いのにここまで人気があるのか・・・・謎だ。(浩平・・・お前だって無いだろ、立ち絵)

その後も戦闘員の襲撃は続いた・・・・・。

「私だって・・・・・・立ち絵が欲しかったわよーーーー!!!!!」
「佐織か・・・・・ロ◯コンビイィィィィィィィィム!!!」
ががーーーん

「立ち絵があっても・・・・・いい役が無いじゃないのよーーーーー!!!!」
「シナリオでの性格が悪すぎるからだ・・・・広瀬。シ◯コンビイィィィィィィィィム!!!」
ずどどーーん

「漢字テストなら得意だあああああ!!!!!」
「村田に御堂・・・・って、お前ら性別すら不明じゃあああああ!!」
どががーーーーん

「どすこーーーーい!」
「錦ノ海&浜の山・・・・・って、七瀬シナリオで言葉で出てきただけやんけーーーー!!!!」
ずどばきごごーーーーーーん


「はあ、はあ、はあ・・・・あと、みあ(繭の友人)と北川(幼稚園の時、長森と一緒のクラス、詩子に似てるらしい)と佐藤(七瀬の小学校の頃の友達)を出せば・・・名前がある奴は全員だな。折原。」
「ポン太め・・・・マジで”ONEの名前あり人物、全員出すぞ!”計画を実行するとは・・・・。」
『・・・・絶対無理です。多分、何人か抜けてます』(ごもっとも。byポン太)
スピーカーから茜の声もする。いいツッコミだ。

「おお!?茜さんも居るのか?ここに?」
やっと気づいたか・・・・こいつ。
そう言えば・・・・華穂さん・・・・どうしたかな?
スピーカーに向かって絶叫する南を眺めながら・・・・・・オレはそう思った。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「行くわよ!」
先手を取ったのは華穂さんの方だった。
両手のヨーヨーが唸りをあげて由起子さんに向かってゆく!

ガキイィィィィン

しかしヨーヨーは由起子さんの両手で左右に弾かれてしまう。
「ええっ!?」
一瞬、華穂さんの動きが止まる。特殊鋼ワイヤー、本体に鉛を仕込んだ究極のヨーヨーがあっさり弾かれては当然だ。
「ぬるいわよ、華穂!」
その瞬きするような刹那、由起子さんは華穂さんの懐・・・ヨーヨーの死角に飛び込んでいた!

バシイィィィィィィッ

間一髪!華穂さんは由起子さんの一撃を後ろに飛び退く事でかわしていた。
しかし由起子さんの”武器”が腕をかすって・・・・血が流れていた。

「鉤棍(トンファー)・・・・・。」
由起子さんの両手から見えている武器を見て、華穂さんが呟く。
「貴女のヨーヨーに対抗出来るようにした・・・・鋼鉄製の特注だけどね。」
本来、鉤棍とは木製の物だ。それが鋼鉄になった時の威力は・・・・作者には分からない(おいおい)。

「次は・・・・私の番ね!」
その言葉が終わらない間に由起子さんは攻撃に移っていた。

ガシッ!ドカァッ!

目にも止まらぬ速さで二本の鉤棍が華穂さんを襲う!
「くっ・・・。」
ヨーヨーとは主に攻撃兵器であり、防御には向いてない。その事を由起子さんも知っているのだ。
華穂さんが間合いを取ろうにも、由起子さんの脚は速く間合いを広げさせないのだ。そして・・・・接近戦なら鉤棍の方が圧倒的に有利である。

ガキッ!バキッ!ガガッ!

一気に壁まで追い込まれる華穂さん!両腕の鉤棍を振りかざす由起子さん!

「トドメよ!」

一瞬、華穂さんの脳裏に敗北という文字が浮かぶ。
しかし・・・・・・。

「くっ!」
由起子さんは大きく後ろに飛び退く!一瞬後に通り過ぎる衝撃破!
華穂さんは衝撃破の飛んできた方を見た。

「七瀬さん!?」
そこには半分忘れられていた七瀬がいた。(実は作者も忘れてた。)
「外したわね・・・・・。」
特殊木刀を構え、由起子さんを睨み付けている。
「ピンチになったヒロイン(華穂さんの事か?)をギリギリのタイミングで救う・・・・乙女でしか成せない事よ。」
・・・・それはヒーローの事だと思うぞ、七瀬・・・・・。

由起子さんが不適に笑いながら七瀬に言う。
「やる気ね、お嬢ちゃん。」
「お、お嬢ちゃんって・・・・じゃあ、あんたはおばちゃんじゃない!」
ピクッ
由起子さんのこめかみに青筋が・・・・。
「おばちゃんって言うのは・・・・・華穂の事よ!」
ピクピクッ
おっ、華穂さんのこめかみにも青筋が・・・・・。
「由起子・・・言ってはいけないことを・・・・。」
3人の気が一気に高まっていく・・・・・・。

バキバキバキ・・・・
周りの壁が、廊下自体が、3人の”怒気”によって少しずつ倒壊していく・・・・・。

「乙女に向かって・・・・お嬢ちゃんは無いでしょ。」
「おばちゃんは・・・・華穂だけです・・・・絶対。」
「わたしをおばさん扱いするのが、わたし内部では死刑に値するんですよ・・・・・・・。」

3人は自分の最高の奥義を放つ体制に入っている・・・・それが行われた後、付近はどうなるか・・・・考えたくない。
ちなみに3人とも怒りのせいで、誰が敵で誰が味方という事を分かってない・・・・・最悪だ。

そして・・・・その時は来た。


「七瀬流剣術最終奥義!”断空爆殺乙女切り零式”!!!!!!!」

「48の必殺技、最高技!『龍撃殺』!!!!」

「小坂流鉤棍術神技!”瞬殺轟破棍”!!!!!」


グアァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!


・・・・・・・・・・付近一帯は灰燼と化した。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

『作戦室』
そう書かれた扉の前に来ていたオレと南をその振動は襲った!

ずずーーーーーーーーん!

「うおっ!?地震か?」
「いや・・・・なんとなく違う気がする。」
オレの直感はこの振動は地震ではないと告げていた。
では何か・・・・考えたくない、何となく。(その方が賢明だ)

「で、この中に茜さんが居るんだな?」
「多分・・・・繭もな。」
オレは扉を開いた。


「よくここまで来られたものだな。」
「ついに来ましたね・・・・浩平。」
「みゅ〜〜♪」
3人の声がオレ達を出迎えた。

妙に派手で豪華な衣装を着た男・・・・・・高槻だな。
いつもの格好の茜・・・・でも手にピンクの傘を持っているのは何故?

そして・・・・・・・・。
「繭?」
変な機械に埋もれているような繭・・・・これが例の装置か。すぐ助けてやるぞ、繭。
「みゅ〜♪」
でも何か楽しそうだし・・・・・。

「折原浩平・・・・良くここまで来たな・・・だが貴様もここまでだ。」
高槻が言った・・・・三流悪役のセリフだぞ、それ。
「と、言うわけでバイト参謀・・・・行け!」
「自分で戦わんかい!」
オレと南のツッコミも虚しく・・・・茜がつつっと前に出てくる。
オレは当然後ずさる。・・・・詩子はともかく、茜とは戦えないな・・・・。
「・・・詩子が可愛そうです。」
心を読むなよ・・・茜。

「茜さーーーん!!!この南明義の愛で正気に戻してあげまーーーーーーーーーす!!!!」
南がここぞとばかりに茜に飛びかかった!・・・・大バカだ。
「・・・・殺人的に嫌です。」

ズドガガーーーーーーーン
「ぐあああぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
理解不可能な力が働いて南は消し炭になった。・・・・さすが茜だ。
茜がくるりとこっちを向いた。うっ・・・どうしよう。
仕方ない・・・・これを言う時が来たようだ。


「茜・・・・山葉堂のワッフル山ほど買ってやるから・・・・裏切れ。」

「はい。」
茜はあっさり裏切った。

「な、何故そんな簡単にこの高槻様を裏切るんだああああああ!!!!」
・・・・こいつ・・・・茜という人物を分かってないな・・・・。
「バイト料・・・・頂きました。残業は契約に無いはずです。」
さすが茜・・・・シビアだ。そしてもう一度オレの方を向いて言う。
「ワッフル・・・・お願いしますね。」にっこり
・・・・・今月の小遣いはないも同然になった。


「と、いう訳で貴様もここまでだ、高槻。繭を離して土下座して謝って海に身を投げたらどうだ?」
オレは愕然としている高槻にトドメの言葉を投げつける。
「・・・・かなり外道入ってます。」
茜のツッコミ・・・・気にしない気にしない。

だが・・・・・・・
「ふっふっふっ・・・・・。」
高槻は笑っている。体を振るわせて・・・・。
「狂ったのか?」
「気持ち悪いです。」
オレと茜のツッコミも聞かず・・・・高槻は叫んだ!

「ドクター!”アレ”を出せ!」
「解りました。」
・・・・ドクター?そして”アレ”?茜の場合だったら・・・・”主”だけどな。

ピシピシッ

オレ達と高槻の間の床に亀裂が生じる・・・・これはやばい!
オレは茜を抱きかかえて(うらやましい)後ろに飛び退いた!

ズドドドドドドドドドドドドドドド!!!

そして・・・・床から巨大な(推定30メートル)”アレ”が一気に出現した。
「・・・・・なめないでよ。私は乙女なんだよ・・・・。」

あらゆる物を震え上がらせる声・・・・繭ちゃん悩殺の青い二つのおさげ・・・・こいつは・・・・。

「・・・・人造人間ルミちゃんです。」
言われんでも解るって。・・・・こんな物作る奴は・・・・あいつだな。

「はっはっはっは!見たか!これが俺の最高傑作”人造人間ルミちゃんFX”だ!言っておくがロケットパンチでの自爆は無いぞ!」
「・・・・南森、お前か。」
「今はドクター南森と呼んでくれ。折原。」
ルミちゃんの頭の上で、白衣を着てぐるぐるメガネをはめた南森がそう言った・・・・。
そういえば・・・・七瀬本人は何処行ったんだ?

「と、言うわけで死んでもらう!喰らえ!」
南森が叫ぶ!するとルミちゃんも叫ぶ!
「”凶悪に、おもしろくないわよっ!”ビイィィィィィム!」

ズガガガガガガガガーーーーン
凶悪な青い光線が付近一帯をなぎ払う。基地は壊滅だ。

「・・・・高槻が焼かれてます。」
ピンクの傘でビームを防いだ茜がそう言った・・・・うむ、確かに焼かれておる。哀れな最後だな。
ちなみにオレも傘に入ってて無事だった・・・・この傘何で出来てんだろ?
よし、反撃だ。
「いくぞ!ロ◯&シ◯コンビイィィィィィィィィム!!!」
「・・・・嫌です。」
オレの両手から一部の人しか理解できない原理でビームが、茜の手前の空間からは茜フリークの方しか理解されない理論で衝撃破が、それぞれ発射される!

グアァァァァァァァァァァン!

オレのビームと茜の衝撃破はルミちゃんに命中した!・・・・・が。
「げ・・・・傷一つついてねえ・・・・。」
「その点は本人と同じです。」
うーん、なるほど腐っても七瀬だ・・・・って、言ってる場合じゃ無い!

「はっはっは、俺の”人造人間ルミちゃんFX”がそんな攻撃にやられるわけ無いだろう!」
ずしーーーーん、ずしーーーーんとルミちゃんが近づいて来る。・・・・本物みたいだ。(全然ちがーーーーう!by七瀬)
ルミちゃんFXの目が青く輝く・・・・ビームを撃つつもりだ。

オレは茜をかばいつつ、後ろに下がる。
「・・・・浩平。」
茜が呟く・・・・くっ、美男子星人にして盲腸の手術経験がある(だから関係ないって)この折原浩平、ここまでなのか!?


ズガアァァァァァァァァァン

爆炎に包まれたのは・・・・・ルミちゃんFXの方だった。
「な、ミサイルだと!?」
狼狽したドクター南森が見た先には・・・・・・。

「・・・・・・可愛いです。」
「ああ・・・今なら天使のように見えるな。」
巨大な”主”(約30メートル)が空中に浮かんでいた。そして・・・・・・。

「南森君・・・・・あなたの悪行もこれまでよ!」
”元祖”白衣とぐるぐるメガネ・・・・・プロフェッサー雪ちゃんの声が大空に響きわたった!


ついに最終決戦の幕が斬って落とされようとしていた・・・・・・・・・・。


第7話 完
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ポン太「長かったな〜、今回は。あ、お久しぶりなポン太です〜。」
雪ちゃん「題名を理解できるのが最後の最後だというのは・・・・納得できないんだけど。」
ポン太「・・・いろいろ付け足したからな。南vs茜様とか、続々出現する戦闘員とか・・・おかげで巨大メカ同士の対決は殆ど書けなかった・・・。(TT)」
雪ちゃん「華穂さんvs由起子さんも短かったけど・・・・。」
ポン太「どっかの本で読んだんだけど、”達人同士の戦い程短い”っていうのが私の頭の中に在りまして・・・・これは最初から決まってました。」
雪ちゃん「・・・・納得できない理由ね。」

ポン太「次回はいよいよ最終回!どんな結末が浩平を待つのか!?」
雪ちゃん「繭ちゃんは・・・そして華穂さん&七瀬さんの運命は!?」
裏ポン太「巨大メカ同士の決戦の行方は・・・・そして同じ格好のマッドサイエンティスト二人の思惑は!?」
ポン太「まだ登場してない澪ちゃん以下のメンバーはホントに全員出るのか!?」
雪ちゃん&裏ポン太「あんたが言うなああああ!!!」

3人「ではまた〜〜〜〜。」

1999.2.8