激突!! 第二章 (第三話) 投稿者: 変身動物ポン太
眼下に見える潮の流れ・・・・・見上げれば突き抜けるような青い空・・・・・

真っ黒い機体から突き出たローターが、空気を切り裂く。

オレ達は今・・・・瀬戸内海の上空を飛んでいる。


第三話 ”降下!!”


「どっちにあるのよ?その秘密基地ってのは?」
「操縦士さんどっちでしたっけ?」
「あと西に20キロってとこだな。」
オレ達が乗っているのは、プロフェッサー雪ちゃんがどっからともなく持ってきた真っ黒なヘリだ。(もちろん操縦士付き)
・・・・しかし・・・・どっからこんな物、調達したんだよ、プロフェッサーは。
操縦士に聞いても笑って誤魔化されるし・・・・・。
「ねえ、浩平。」
「なんだ、七瀬。」
「テロリストの秘密基地ってことは・・・・・空から乗り込んだらミサイルかなんかで攻撃されない?あたし達。」
「その時は・・・・七瀬頼むぞ。」
「殺人的に絶対無理よ!」
真顔の七瀬に詰め寄られる・・・・うっ、狭いヘリの中では逃げられん。
「・・・まあ、大丈夫だろ。」
「何でよ。」
「プロフェッサーが言ってた・・・・このヘリはア◯リカ軍が開発したステルスヘリ(レーダーに映らないのね)で・・・。」
「なんでそんな物調達出来るのよおおおおおお!!!!!」
オレだって知らんわい・・・・ホントに謎な人だ、雪ちゃんは。

「見えました。あれですよ。」
操縦士の声にオレ達は窓に近寄る。
「えっ!?どこどこ?」
「七瀬さん、そっちは反対の窓だと思うよ。」
「この島・・・・ジャングルしか見えないんだけどな・・・。」
丁度いいタイミングで、オレこと折原浩平の視界にメンバー全員が入ったので・・・・・メンバー説明をしておこう。

「このジャングルは、多分人工的に作られた物だろうね。」
まずはいちいち説明してくれるのが氷上シュン、何故ついてきたのかは謎だ。
「僕は浩平君の為なら、たとえ火の中、水の・・・・」
話が危なくなる恐れがあるので・・・・次に行こう。

「俺はロ◯じゃない・・・・・茜さん一筋なんだ・・・・。」
訳のわからん事を呟いてブルーになっているのは・・・・茜命の男、南明義。
マインドコントロールはプロフェッサー雪ちゃんの拷問で・・・解けたが、肉体強化はまだ戻ってないらしい。
まあ、盾にはなるだろう。(やっぱあんた外道や・・・)

「そしてヘリの中でちゃんこ鍋をつつく七瀬・・・・・。」
「何でそうなるのよ!」
がすっ!
・・・・・お約束。

とりあえず、椎名繭奪回メンバーはこの4人だ。
プロフェッサー雪ちゃんは「まだやることがあるから・・・・後でね(はあと)」と気になる言い方だった。
中崎は爆心地の中央に居た。よってマインドコントロールは解けたものの、重傷の為リタイヤ・・・である。


窓から離れた七瀬がオレに話しかけてきた。
「折原・・・あたしは警察に任せた方が良かったと思うけど・・・・。」
「その意見は却下だ。」
「なんでよ。」
・・・・それはだな。

「折原君、七瀬さん、ラジオが面白いこと話してるよ。」
シュンの声にオレ達はヘリのラジオに聞き入る。
『・・・ニューヨーク通信から・・・今朝未明ワシントンのホワ◯トハウスが推定300万個のハンバーガーで埋まるという事件があり、州警察では・・・・』
・・・・こ、これは。
「奴ら、早速繭ちゃんの能力を使い始めたらしいね。」
自分の思っていることを問答無用に実現させる力・・・・・・迷惑きわまりないぞ。
「警察じゃ・・・・無理ね。解決するのは。」
七瀬がため息をついた。

「もっとも・・・まだ”繭ちゃんの思っている事”しか実現できないみたいだけど。」
「どういうことだ?シュン。」
「それはね・・・・・」

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巨大なスクリーンの前に二人の人間が立っている。スクリーンにはハンバーガーだらけになったホ◯イトハウスが映っている。
一人は男で一人は女・・・・女の方はまだ若いようだ。
「なぜだ!?なぜ”ホワイト◯ウス全滅”が出来んのだ!?」
「・・・・・一応全滅してます。」
「いや、そういう全滅じゃなくて・・・・」
「・・・・装置が不十分・・・・今の装置では椎名さんの願いを増幅するだけですから。」
「うっ・・・やはりこの”能力者”の心を動かさねば・・・我々の思ったことを実行させれないか・・・。」
「はい。」
「”能力者”の心を動かすには・・・・やはりあの男が必要だな。バイト参謀。」
「はい。」
そう言った女は・・・・突然はっとした表情になり・・・呟いた。
「浩平・・・・来るんですか?」
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「そのうち”奴らの願い”まで実行出来るようになる・・・・か。」
「プロフェッサー雪ちゃんはそう言っていたけどね。」
うーん、今ならハンバーガーで世界中埋め尽くすくらいですむんだが・・・・。(十分悪夢だって)
「暴走した七瀬さんよりもやっかいじゃないか・・・・・繭ちゃんの能力は。」
「あんたまでなんて事言うのよ!」
どごがっ!
・・・・言いたい事は分かるぞ・・・・。
七瀬のツッコミを受けて轟沈した南を見て・・・合唱した。


ぐぁうっ!

突然ヘリが大きくふらついた。
「な、何だ!?」
「折原・・・あれって何!?」
七瀬が指さす方を見ると・・・・・島の上空に何か居る!?

「こういう時は・・・きっと葉子さんか晴香が不可視の力で攻撃してきて・・・・っていうパターンかな。」
「いや、ポン太はMOONまだプレイしてないから高槻以外は出さないと思うよ。」
訳のわからん会話してる南とシュンは・・・・放っておこう。

その島の上空に居る小さな物体は・・・・こちらに向けて2、3回チカチカと光を放った!

どぅおおおーーん!
「ぐあっ!?何だ?」
「ヘリの補助ローターがやられた!このままでは落ちる!」
今の光は・・・レーザーか何かか!?
「脱出してください!早く!」
操縦士が叫ぶ!しかし・・・・どうやって脱出すんだよ!?

「折原君、七瀬さん、南君。これを付けるんだ!」
「これは・・・・・パラシュートか!」
シュンの差し出したパラシュートをオレ達は急いで身に着ける。
オレは、揺れ動くヘリのドアを開け放つ・・・・下に青い海と島の海岸線が見える。
うっ・・・結構高さがあるじゃないか。

「乙女は度胸よ!行くわよ!」
やはり・・・・というか何というか最初に飛び出したのは七瀬だった。
「茜さーーーーーーーん!!!!」
意味不明な叫びは南。
そんな二人を見ながらシュンが言った。


「・・・・まだパラシュートの使用方法教えてないけどね。」


・・・・早く言え。
まあ、あの二人なら死なないだろう。(おいおい)

シュンから急いで使用方法を聞き出すと、オレはドアの淵に立った・・・・・やっぱ怖いぞおおおお!!??
そんなオレの背後からシュンの声がした。

「怖いのかい・・・それなら一緒に堕ちよう・・・・浩平君。」
「・・・・字が違ってるような気がするんだが。」
「合ってるよ。浩平君。」

・・・・・・それって。
「嫌じゃあああああああああああああ!!!!!!!!」

オレは、青い海と白い砂浜のコントラストに向かってダイブしていった・・・・・・・。


美男子星人、折原浩平君・・・・・地獄の島へようこそ・・・・・・・。


第3話 完
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ポン太「うーん、まだ島に突入してすらいない・・・・長くなるな、このシリーズ。」
雪ちゃん「この話が短いだけじゃない。」
ポン太「うげふっ!(吐血)」
雪ちゃん「おまけに華穂さん出てこないし。」
ポン太「けぼぐがあっ!(超吐血)・・・・・華穂さんファンの方すいません。」

ポン太「今日は後書きも早くてここまで。」
雪ちゃん「なんで?」
ポン太「理由はこの後にUPされる感想SSで。」
雪ちゃん「・・・・この前やったばかりなのに?」
ポン太「それも・・・・多分分かる。」
雪ちゃん「ふーん。」
裏ポン太「ではでは皆さん」

3人「また会いましょー。」

1999.1.26